春から初夏の道央日本海で注目度が高いのは、何といってもサクラマス。今では平日でもメジャーフィールドにはずらりとアングラーが並ぶ。
磯やサーフなど河口から離れたスポットもチャンス多し
レポート◎小林 亮
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海アメの聖地はサクラも熱い
春から初夏の道央日本海で注目度が高いのは、何といってもサクラマス。ショアのルアーフィッシングのターゲットとして広く認知されたのは2000年代に入ってからと比較的最近ながら、今では平日でもメジャーフィールドにはずらりとアングラーが並ぶ。北海道で一番人気の釣りといえば季節的にちょうど対極にある秋のシロザケ釣りだが、海でサクラマスをねらう、いわゆる海サクラ釣りは人気面でそれと肩を並べるジャンルになったと感じる。

人気の理由はいろいろあるが、ひとつは海サクラのルアーに対する反応のよさだろう。接岸すると積極的に捕食行動をとらないといわれるシロザケの釣り方はルアーならデッドスローのタダ巻き、ウキフカセならナチュラルドリフトなど。基本的にスローなアプローチがメイン。その一方、海サクラは接岸した個体も貪欲にベイトを追うので、速巻きや連続トゥイッチなどアクティブな釣り方でねらえる。また、シロザケは河口周辺の一級ポイントとそれ以外で釣果の差が顕著で、釣り場が混雑しがちだが、海サクラは河口から離れた場所でもチャンスがあり、ポイントも豊富だ。
海サクラの好期を迎えるフィールドは、実際の桜前線と重なるように北上していく。4月末~5月におすすめなのは後志エリア。なかでも島牧村は見逃せない。海アメ釣りの聖地として知られる。

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河口規制と磯
ポイントは枚挙に暇がない。北からメジャーな場所を挙げるなら歌島川河口、ワッカナイ川~中ノ川河口、コベチャナイ川河口、折川河口、大平川河口、泊川河口、エネオス裏、生コン、整備工場裏、18番、赤灯、北国澗、千走川河口~新甫川河口、千走漁港、蒲原~シマロッペの磯、ポン狩場、オコツナイ川河口など。もし、5月の連休に訪れるなら、江ノ島海岸の18番は覚えておいて損はないと思う。長大なサーフで、トイレのある広い駐車場も備える。

なお、北海道の川の河口にはサケ、マス類の採捕に関しての細かいルールがある。通年OKな場所もあれば、期間と範囲を決めて釣りを禁止している場所もあり少し複雑だ。後志エリアは5月1日から河口規制が掛かる場所が多く、島牧では大平川、泊川、千走川の各河口がそれに当たる。規制範囲は千走川河口を例に挙げるならば左岸300m、右岸300mという具合に決まっているので、規制期間は両岸ともに河口から300m以上離れた場所がポイントになる。こんな事情もあり、5月1日以降は河口付近をねらえる小河川の流れ込みに入る人も少なくない。
イチオシギア
北海道のフィッシングルール
道の水産林務部が発行する釣りのルールなどが記された小冊子。道内の釣具店などで無料配布している。各エリアの河口規制の詳細などを確認するのに便利。また、北海道には周年釣り禁止の保護河川があり、これもマップ入りで紹介しているので渓流釣りのときも重宝する
北海道のフィッシングルール

また、海サクラ釣りはナギが好条件とされるが、「ベタナギよりも、いくらか波立っているほうが魚の反応はいいと思います」とは、この釣りに明るい札幌のフィッシュランド手稲店スタッフの渡邉雅俊さん。サーフはナギだと朝の時合を過ぎると沈黙することが多々あるので、日中は潮通しがよく、波が立ちやすい磯でロッドを振るのも選択肢のひとつだ。



いるのに食わない!?
釣り方は遠投し、タダ巻きで誘うのが基本。活性の高い魚ならルアーを問わずこれだけで食ってくる。レンジは表層付近の浅めでのヒットが多いが、日中の磯など、時間帯や場所によっては少し沈めたほうがいいときもある。また、海サクラ釣りでは、魚がバンバン跳ねているのに反応が渋いことが度々ある。これを打破すべく、最近はミノーの連続トゥイッチ、ロングジャークなどの激しいアクションを実践するアングラーが増えている。連続トゥイッチでミノーを左右に大きくダートさせ、強いフラッシングとイレギュラーな動きで誘うと、それまで無視していた魚が一転して反応することが多々ある。



このタクティクスはとても有効だが、体力的な負担が大きいのがネック。成果を上げているアングラーによると、ロッドの構え方やジャークする方向を変えたり、疲れたらリーリングの強弱だけでミノーにヒラ打ちさせたり、その負担を減らしているそう。また、ミノーイングはどうしてもバラシが多いが、タックルバランス、アクションのテンポが合っていないとそれが顕著になる。状況にマッチしたアプローチをいち早くつかむことが大切だ。


フィッシュランド手稲店
住所=北海道札幌市手稲区富丘2条6丁目
営業時間=24時間
問合先=TEL011・685・2020

営業時間=24時間
問合先=TEL011・685・2020
おすすめの立ち寄り処
千走川温泉旅館
千走川の上流部にある温泉旅館。宿泊はもちろん、日帰り入浴もできる。観光スポットである賀老の滝が近くにあるが、4月上旬の時点では残雪で行けなかった。
住所=北海道島牧村字江ノ島561
問合先=TEL0136・74・5409
千走川温泉旅館

住所=北海道島牧村字江ノ島561
問合先=TEL0136・74・5409

レポート◎小林 亮
昭和55年生まれ。北海道札幌市在住。好きな釣りはルアーフィッシング全般、アユの友釣り、氷上ワカサギ釣りなど。姉妹紙「ノースアングラーズ」で道内の釣り場紹介記事を担当。釣って食べて浸かって北海道の生活をどっぷり満喫中
この記事はつり人2018年6月号でも読むことができます
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特集は「渓流 小川 堤防 地磯 ゴロタ浜 とびきりのポイント見つけよう! 穴場探釣」。まもなくゴールデンウイーク。夢の10連休という人も、多少は休めそうという人も、次の休日は、新しい釣り場に足を向けてはいかがだろう。川も海も、季節がよくなり、人出も増える季節。その中でも、視点を少し変えたり、歩く労力をいとわなければ、理想的といえる釣り場は、意外なほど身近にある。巻頭の舞台は東京都の奥多摩、小川谷、大丹波川。ゴールデンウイークでも、都心部から渋滞を気にせず行けるこのエリアには、きれいなヤマメやイワナが棲む支流が数多くある。そのほか、伊豆、三浦の穴場攻略、真鶴の空撮ガイドなど充実の内容でお届け。
2019/5/3