淡路島南部、うず潮で有名な鳴門海峡からほど近い福良湾は、古くからさまざまな魚が釣れる波静かな入り江。近年ではエギングやアジングが人気で、海上釣り堀もあることから湾の存在を知る人も多いが、この湾には昔から釣りイカダが設置されている。
サオをズラリと並べてイカダ直下ねらい
レポート◎高崎冬樹
取材当日第1号のカレイはまるは釣具明石店の岡根さんにヒット。取材前日の釣果は3人で20~30cmを6尾だったそうこの記事は『つり人』2017年4月号に掲載したものを再編集しています。
エサ取りが少ない冬から春先が釣期
淡路島南部、うず潮で有名な鳴門海峡からほど近い福良湾は、古くからさまざまな魚が釣れる波静かな入り江。近年ではエギングやアジングが人気で、海上釣り堀もあることから湾の存在を知る人も多いが、この湾には昔から釣りイカダが設置されている。もともとクロダイのカカリ釣り場として開設されたのはいうまでもないが、対岸の徳島県鳴門市の堂浦の釣り場同様、クロダイ以外の魚も豊富。特に水温が低い冬場から春先にかけて、おすすめなのがカレイ釣りだ。

このイカダ釣り場を運営するのが福良筏釣センター・溝上渡船。湾内にイカダが23基、カセが10隻あり約60人を収容可能。以前は一文字(この沖堤にも渡船している)の外側にもイカダが設置してあったが現在は内側のみ。ポイントは淡路島海上ホテル寄りの浅場と、水深がある一文字寄りに分かれるが、冬場から春先にカレイをねらうなら断然、深場のイカダ。

カレイは秋、10月ごろからでも釣れなくないが、その時期はエサ取りが多く、カレイねらいの虫エサは、あっという間になくなってしまうので効率が悪い。そのエサ取りの代表格が実はカワハギ。大きくて20㎝強だがドウヅキ仕掛け、アサリのエサで専門にねらえば20~30尾の釣果があるそうだ。というわけでカレイの釣果が安定し始めるのは水温が下がり、エサ取りが少なくなる年末からだ。
一文字寄りの深場イカダ直下の水深は約15m。鳴門海峡に近いことから堂浦のように潮流が速いのでは? という心配もあるが、福良湾内の潮流は非常に緩やかで釣りやすい。
エサはマムシが一番ダンゴで寄せるのも有効
ねらうのは、ほとんどイカダ直下。もしくはチョイ投げ程度なので初心者でも簡単。同じカカリ釣りでもサオ1本を手持ちでねらうクロダイとは違って、カレイ釣りはのんびりゆったり。エギングロッドでもアジングロッドでもシーバスロッドでもボートロッドでも磯ザオでも自分が扱えるだけ、ありったけのロッドを持参して、イカダに並べてアタリを待つのが、ここでのスタイル。



根掛かりがゼロではないので、あまり細いラインでは厳しいが、PEなら1号以上あれば大丈夫。フロロリーダー3~4号を1mほど介して使用する。ナイロン3~4号のミチイトならそのままでOK。直下ねらいの場合は中通しオモリ3~5号にサルカンを介した1本バリ仕掛け。ハリ数を増やすと絡みやすくトラブルの元。チョイ投げの場合は10~15号の投げ用やボート用のテンビンオモリに、市販のチョイ投げ2本バリ仕掛け。軽く投入し着底したら少しオモリを引いて仕掛けを伸ばしてやるのが絡みを少なくするコツ。ハリはカレイ12~14号と大きめにしておけば、掛かったカレイのスッポ抜けが少なくなる。
エサはマムシ(ホンムシ)が一番。関東でいうイワイソメだ。通し刺しにしハリ先を抜いたら3、4㎝垂らしておく。マムシは高価なのでアオイソメやコガネムシ(ウチワゴカイ)、アオコガネなどを持参すれば経済的だ。また、もともとチヌイカダなのでイカダ直下に投入されるダンゴエサにカレイも慣れており好反応。専用のダンゴエサを適宜投入すれば、広範囲を探るより効率よく釣りができる。




イチオシギア
ザッピー 潮き~るシンカー
特にエサ釣り経験が少ないアングラーにおすすめしたいのがザッピー『潮き~るシンカー』というエギング感覚で使用できるチョイ投げ用のテンビンオモリ。ナマリと硬質発泡の一体成型ボディーにアームが付いており、海底で立つ姿勢を保つので根掛かりが少ないのが特徴。キールが付いているので仕掛けを接続するアームが潮下を向く。12、18、26gの3サイズありカレイ釣りには餌木4号に相当する26gが使いやすい。ただし潮が速い場合は流されやすいので普通のテンビンオモリにチェンジ。
ザッピー 潮き~るシンカー

まるは釣具洲本店


営業時間(3月下旬までの冬期)=月~金曜9~21時、土曜5~21時、日曜・祝日5~20時(翌日が祝日・日曜の場合は5~21時)
問合先=℡0799・23・1075

問合先●福良筏釣センター・溝上渡船(5 ~18 時=℡ 0799・52・0909、20 ~22 時=同52・1734)、料金=イカダへの渡船は1人3500 円
レポート◎高崎冬樹
昭和35年生まれ。神戸市北区在住。得意な釣りは磯のメジナ釣り。友釣り歴は30年以上だが、ここ数年はご無沙汰。フリーのライター・カメラマン・編集者
2018/3/9