<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
編集部2018年5月3日

クロダイ釣り/秋田県男鹿市/男鹿半島

クロダイ-海 全国おすすめ釣り場 秋田

東北の日本海側にあるあまたの磯釣りフィールドの中でも、多くの一級磯が立ち並び、東北を代表するフィールドが秋田県男鹿半島。長らくコマセ禁止が続いていた同県だが、平成29年3月21日より規制が解除となった。

みちのくの乗っ込みクロダイ前哨戦

協力◎船木和久

これから好機を迎える男鹿半島のクロダイ。ゴールデンウイークは遠征に行ってみてはいかがだろうか?


この記事は『つり人』2017年6月号に掲載したものを再編集しています。

乗っ込みの好機


 東北の日本海側にあるあまたの磯釣りフィールドの中でも、多くの一級磯が立ち並び、東北を代表するフィールドが秋田県男鹿半島。長らくコマセ禁止が続いていた同県だが、平成29年3月21日より規制が解除となった。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (26) 秋田県漁業調整規則の一部が改正され、2017年3月21日より県内でのコマセ使用が規制解除となった

 同地の磯釣りターゲットは、クロダイ、マダイ、メジナの3魚種。このうち、本格的な乗っ込みを迎えるクロダイのウキフカセ釣りがこの時期一番人気だ。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (31) クロダイ以外にメジナやマダイも好ターゲットだ

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (25) 男鹿半島は釣り座が多く、風が強い日でも風裏を捜してどこかでサオをだせることが多い

 冬の間、水温が安定する深場で越冬したクロダイが産卵のため浅場へと移動し始めるのは、4月に入ってから。深場に隣接した沖磯を経て順次浅場に入って来る。男鹿半島で一番早く釣れ始まるのは、半島北端に位置する沖磯「水島」で、例年4月中旬から。男鹿磯全体で釣果が出始めるのは例年4月末からゴールデンウイークの連休にかけてだ。水温が安定しだす5月中旬にピークを迎え、6月一杯までが春のシーズンになる。

 シーズン初期は低水温にも強い大型が釣れやすく、エリアによってムラはあるが、40㎝台後半~50㎝超の釣果が聞こえる。ハイシーズンは30~40㎝の中盤サイズが中心となる。

 例年水温が1桁台になる早春の男鹿磯。しかし今冬は水温が下がりきらないまま推移し、3月でも10℃を超した日もあった。4月上旬時点では雪代が入り始めてやや停滞しているものの、10~11℃台になっている。4~5月にかけてクロダイよりも一足先に釣れ始まるウミタナゴのシーズンインも今年は早く、3月下旬~4月上旬にはすでに釣果が出ている。クロダイもやや早めに始まるのではないかと思われる。

風向きに合わせて釣り座を選択


 春は雪代や沖からの冷たい潮の流入によって水温は変動しやすい。シーズン中はこの雪代を念頭に置いて釣りを組み立てたいところだ。主なフィールドは、半島の西岸から南岸にかけた入道崎、戸賀、加茂、門前、南磯、船川港。それぞれ畠漁港、戸賀漁港、加茂漁港、椿漁港、船川港から渡船も出ている。

 海に突き出た形の男鹿半島は、その日の風向きによって風裏を選択できるのも利点だ。比較的足場が高い磯が多く、ある程度のシケでもどこかでサオがだせる。その時の風の強さしだいだが、波高2m前後まで対応できる。

 私が店を構える船川地区はこの時期吹きやすい西系の風をかわせることもあり、シケにくい。西岸がシケた時の逃げ場にもなっている。クロダイのポイントは水深5~6mまでと比較的水深も浅い。そのため、水温も上がりやすく例年4月下旬~5月連休にかけてまとまった釣果が出やすい。川水が入っても元々他エリアより水温が高めのため、その影響もさほどではない。

産卵に絡んだ藻場がポイント


 シーズン初期のポイントは浅場に移動する前に定位する沖磯。シーズンの進行とともに産卵場となる藻場が絡んだ浅場がねらいめになる。0号~2Bまでの軽い仕掛けが主体となるが、風が強い場合は仕掛けが落ち着かなかったり、入っていきにくいので、3Bや5Bといった重めのウキも持っておきたい。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (2) 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (27) 状況の変化に応じてウキは小まめに交換したい

 春は雪代の影響が大きく、水温だけではなく塩分濃度も低下し、ウキの浮力が安定しにくくなる。微妙な浮力調整が必要になるので、使い慣れたオモリ負荷を把握したウキをパイロット的に用意しておくと、状況の変化にも対応しやすい。

 サオはクロダイザオの0~1号。ミチイトはナイロン1.5号前後を小~中型スピニングリールにセットする。フロロカーボンハリスはミチイトと同号数を用意し、長さは2ヒロ(約3m)取る。水深が浅いポイントでは1.5ヒロ(約2.2m)程度とやや短めにすると扱いやすい。ハリはチヌバリ1~3号とする。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (32) 全遊動でねらうのもよいが、風が強い日などミチイトが取られる時は、ウキ止メを付けて半遊動仕掛けでタナをしっかり取ったほうがよい

 日本海は干満の潮位差が小さいため、それによる潮流が起こりにくい。特に浅場は流れが緩やかになりやすいので、潮受けのよいウキクッションをセットすると仕掛けを流しやすい。

イチオシギア
キザクラ『黒魂Joker』
078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (33)  同社クロダイブランド「黒魂」シリーズのスタンダードモデルの棒ウキ。その安定性で近年人気のウキ。海面を走る南西風が吹きやすい春の男鹿では、その安定性は重宝する。また、雪代の流入などで塩分濃度が安定しない春磯において、その長さ分だけアタリを視認しやすいのもメリット。状況によって「同・替えトップ」でウキトップの長さを変えられて使い分けられるのもメリット
 

サオの弾力を利かせていなす


 基本的に浅場ねらいが中心となるので、寄せエサは軽めの配合をする場合が多い。中にはメジナ用を使用する釣り人も見られる。3㎏のオキアミに対して配合エサを1~2袋がベースになる。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (28) 基本的に浅場をねらうため、比重の軽いメジナ用の配合エサも効果的だ

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (29) 愛用している配合エサはマルキユー『チヌパワーV10白チヌスペシャル』と『メガミックスチヌ』

 クロダイが着く磯際や沈み根、海藻周りが主なポイントとなるが、干満の差による潮の動きはまず期待できない。その時に利いている潮の動きを把握し、その流れが絡むポイントをねらいたい。

 潮上から寄せエサを撒き、その寄せエサに合わせるように仕掛けを流していく。この時期のエサ取りは、序盤がウミタナゴやフグ、水温の上昇とともにアジなどの小型回遊魚も姿を出し始める。

 付けエサが取られることを嫌がる釣り人も多いが、水温の変動が魚の活性に直結していることを考えると、付けエサが残りっぱなしになるよりも多少エサ取りの食い気があったほうがクロダイの活性が高いと判断できる。あまり敏感にならなくてもよいだろう。

 水温しだいでクロダイのタナも変わる。そのため、釣り方は、表層から底層まで広く探ることができるウキ止メなしの全層全遊動仕掛けでねらう釣り人も多い。だが、風が強い時は波風にミチイトが取られて仕掛け操作が難しくなる。ウキ止メありの半遊動仕掛けでタナをしっかり取ったほうが、塩分濃度の差やエサ取りの有無、クロダイのタナなど海中の情報を把握しやすいし、メリットは多い。

 もちろん、弛ませていたミチイトがピンと張るような気持ちいいアタリが出る時もあるが、再三述べているように、水温の変動でクロダイの活性も左右されるのが春磯。アタリの出方が微妙な時も多い。食いが浅く早いアワセではしっかりハリ掛かりしないこともある。そのため、軽くウキが沈むといった微妙なアタリの時はラインが走るまで待ち、やや向こうアワセにして慌てずタイミングを計りたい。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (30) 魚が掛かったらサオの弾力をフルに活かして浮かせたい

 アワせた後はサオをしっかり立ててサオの胴に魚の重みが乗るように溜める。サオの弾力を利用して魚を寄せていこう。硬めのサオほど余計な反発力が魚に伝わって暴れやすい。クロダイ1本でねらうなら軟らかめのサオのほうが取り込める確率は上がる。特に掛かりが浅い時はこのやり取り中に魚が頭を振った時にハリが抜けやすいので、無理せずサオを溜めながら魚の引きが弱まったタイミングでミチイトを巻き取ろう。

ショップガイド
つりショップ海風 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (35) 住所=秋田県男鹿市船川港船川新浜町1-16
営業時間=平日6時半~19時半、土日5時半~19時半 ※曜日、シーズン等によって変動あり
問合先=℡0185・24・2933

おすすめのお立ち寄り処
磯乃家旅館
078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (36) なまはげ立像のおひざ元、男鹿市門前地区にある旅館。男鹿の海の幸をふんだんに使った美味しい料理と、海に面した安らぎ空間でもてなしてくれる。磯釣り等で朝のチェックアウトが早い場合でも、涼しい時期であれば、朝食をおにぎりにしてもらえることも
住所=秋田県男鹿市船川港本山門前垂水1
問合先=℡0185-27-2011


入道崎会館
078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (37) 男鹿半島の北西端、灯台を望む入道崎にあるお食事処兼お土産屋。海鮮丼やしょっつる料理など、さまざまな郷土料理が楽しめる。しかもここでナマハゲのお面など男鹿ならではの品を始め、秋田の主要なお土産を購入することもできる
営業時間=8~16時(12~3月休業)
住所=秋田県男鹿市北浦入道崎字昆布浦2-29
問合先=℡0185・38・2031


なまはげ館 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (38) 男鹿といえばなまはげ。各集落でそれぞれ伝統のお面があり、ナマハゲの語源や起源などが集積された資料館。なまはげが降臨する真山神社、なまはげ体験ができる伝承館なども付近にあり、ナマハゲの世界の深さに触れられる
営業時間=8時30分~17時(年中無休)
住所=秋田県男鹿市北浦真山字水喰沢
問合先=℡0185・22・5050

/div> 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (8) 交通●東北自動車道から秋田自動車道へ入り、昭和男鹿ICを下りてR101方面へ。約20km先の船川港日詰交差点を左折し、2km

協力◎船木和久
昭和47年生まれ。生まれも育ちも日本海男鹿半島。今年45歳ながら3人娘と孫までいる「海男」。高校時代には重量挙げで国体準優勝。北里大学水産学部に入学後は神奈川県相模原市や岩手県三陸町でも修行。家業でもあり今年で創業50年となる「つりショップ海風」を継ぐ

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (24) 船木さんは「つりショップ海風」を経営する傍ら、ハタハタ漁や一本釣り、素潜り漁などの漁業も営む。好きな釣りはメジナ、クロダイ、スズキ。「ダイワスーパーバトルカップチヌ」で03年初代チャンピオン、05年にも準優勝するなどの腕利きだ

2018/5/3

おすすめ記事

記事検索

  • 検索フィールドが空なので、候補はありません。

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。