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編集部2023年7月14日

千葉県/小櫃川 都市河川で楽しい!チニングの魅力

クロダイ-川 全国おすすめ釣り場 千葉県

「クロダイが愛らしくてたまらない」と言うのが〝なまちゃん〟こと長谷川麻美さんだ。なぜ彼女はチニングのとりこになったのか?その魅力や基本的な釣り方を聞いた。

「クロダイが愛らしくてたまらない」と言うのが〝なまちゃん〟こと長谷川麻美さんだ。なぜ彼女はチニングのとりこになったのか?その魅力や基本的な釣り方を聞いた。

クロダイは可愛い

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小学4年生の時に初めてルアーでニジマスやイワナを釣り、ルアーフィッシングの面白さを知りました。10代からはシーバスを釣り始め、アジ、メバルのライトゲームにのめり込み、8年前には釣り場に近い千葉県へ単身で移住。今では休日はもちろん、タイドグラフをチェックして仕事終わりに水辺へ直行する日々です。

クロダイをルアーでねらう「チニング」に魅せられるようになったのは2020年からです。コロナ禍で多くの漁港やオカッパリ釣り場が立入禁止となり、普段は行くことのない木更津の沖堤防に渡船しました。そこでメバリングをしていると偶然にも年無しの大型クロダイが釣れました。初めて手にしたその魚体に興味が湧きました。私の中でクロダイは齧るイメージが強く、怖い魚と思い込んでいたのですが、おっとりとしてとても可愛かったのです。

 

 

身近な河川でも楽しめる

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その後は近所の川でもチニングが成立することが分かりました。しかも昼夜問わず、いつでも釣れる可能性があります。釣りをしたいと思ったタイミングで行けることもチニングが大好きになった理由です。そしてクロダイが可愛いと思った瞬間はいくつもあります。クロダイはシーバスに比べ釣った後に大人しくなる個体が多いです。胸ビレで顔を隠したり、写真を撮る時にヒレをぐるぐる回したり、ヒレで私に触ろうとしてくる魚もいました。よく似た魚のキビレともクロダイは性格が違うと思います。キビレはリリースの際に慌てて立ち去りますが、クロダイは人間の近くにいる時間が長いと感じます。そんな人懐っこさが愛らしく、ほがらかな気持ちにさせてくれるのです。

クロダイは単独行動をしていることもあれば群れで行動することもあります。海にもいますが住宅街の小規模河川にも生息しており、ふらっと川を覗くと優雅に泳いでいる姿を見ることができます。こうした身近な存在であることが親しみやすくて大好きです。

ルアーはバイブレーションをはじめ小型ミノー、トッププラグ、ワームなどそれぞれの特性を生かした釣り方が楽しめます。経験を積めば予測が立ち再現性のある釣りも展開できます。すごく簡単に数が釣れる日もあれば、1尾と出会うのに苦労する日もあります。どちらの状況も面白さがあります。この難易度のバランスが私にはちょうどよく感じています。

 

 

釣り場の観察と発見

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私がこれまでよく通ってきた釣り場は小櫃川、養老川、村田川、千葉市から富津の水路運河です。クロダイに近づくためにウェーディングも始めました。ただ闇雲にルアーを投げても面白くありません。昼間の干潮時にも足を運んで障害物の位置や地形変化を観察して釣果につなげるようにしています。クロダイがいてかつ面白そうな場所は積極的に通うようになりました。

こうして釣り場に通い込むとさまざまな発見があります。チニングは基本的にボトムを意識して釣るのですが、時にはトップルアーにしか反応しない日もあるのです。その日は水面に魚が出ているようすもなく水面にベイトっ気もない。さんざんボトムをねらっていましたがヒットしません。諦める前に小型のフローティングペンシルで表層を探ると一投目から反応があり、その後もトップにだけは異様に反応する状況になったのです。1尾ぐらいはボトムで食べようとする魚がいてもよいのにと思いますが、完全にトップにしか反応が出ませんでした。

 

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また、落とし込み釣りをしている人と全く同時に掛かることも何度か経験しています。目の前で落とし込み釣りをする人は貝をエサにしていましたが、同じフィールドで動かないエサ(カラスガイ)に反応したクロダイと動いている物(ルアー)に反応したクロダイが混在しているのはとても興味深かったです。食べ物は違っても捕食のタイミングがピッタリ同時ということが面白い発見でした。

東京湾のボート釣りではバチに偏食するクロダイにも遭遇しました。暖かくなってきた春の夜です。バチが1ヵ所に集中的に流れている場所があり、そのバチにクロダイとメジナが一緒に反応をしていました。小型のトップを投げて表層をスーッと泳がせるとシュポシュポと誤爆が連発して最後にバコン! とヒットします。メジナもクロダイもトップルアーを取り合うようにして水面を割る。メジナが来るか、クロダイが来るか選べないほどバイトに勢いがあり楽しい発見でした。

 

 

チニングの時合を知る

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釣果を出すにはその魚が何を食べているか(または食べたいのか)を考えることが大切です。雑食で時にはスイカさえも好んで食べる愉快なクロダイ。その気持ちを想像するのが楽しい。小魚やカニなど動いているものを食べたいのか、動かないエサを食べたいのか、それらのエサがどのレンジにいるのか。またクロダイが回遊しているのか、エサが捕食しやすいところに留まっているのか、それとも食い気がないのか想像を巡らせます。ちなみに足もとにいて分かりやすいベイトがハク(ボラの幼魚)やカニです。

チニングビギナーは同じ釣り場に通い続けるのがおすすめです。魚の活性の上がるタイミングや釣り場のクセをつかむことができます。そのうち大潮と小潮でどのくらい流れの強弱が変わるのかも把握できるようになります。たとえば流れが緩くなるとクロダイは流心から岸際に寄ります。そうなると対岸をタイトにねらい、落ちパクで釣れることも多いです。同じ釣り場に通い込んでいると落ちパクで出やすいスポットも分かることがあります。

私の経験ではクロダイの活性が高まる時合は潮止まり前後に集中しています。ただし釣り場によっては干潮時に水が全くなくなるような場所もあり、こうしたポイントはタイドグラフの水位が80㎝以上になっていることを目安に釣行します。

潮の変化だけでなく天気、光量、風などさまざまな自然変化にも意識を向けます。特にデイゲームは雨後の茶色く濁っている時や波っ気がある時のほうが釣果は出やすいです。また水面を見ればカガミのようになっている場所もあれば、流れが分かりやすく出ている場所もあります。潮目が出ていればその付近をルアーでなぞるように引いてくるのがおすすめです。

クロダイのボイルも時合や付き場を知る判断材料のひとつです。水面に波紋が出て「シュポッ」と聞こえるボイル音を私はクロダイと判断します。特にナイトゲームは静かなのでボイル音が聞こえやすい。観察をしているとボイルの出る位置はだいたい決まっており、そのスポットにルアーを通すとヒットすることも多いです。

 

 

まずはメタルバイブから始めてみよう

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なまちゃんのメインルアーはDUO のメタルガレージプレートバイブ10 gと15 g。このほか中・表層で反応がある時はレアリスノマセ小魚ミニ、ベイルーフ・シーク68、スピアヘッドリュウキ70S今回なまちゃんが使用したラインはバリバス「SWナイロン」 も登板

 

ロッドはチニング専用もありますが、シーバスロッドやエギングロッドでも代用できます。小場所で小型プラグを使いたい場合は、ボートシーバスのタックルや磯メバル仕様の強めのライトタックルでもよいです。リールは3000~4000番クラスが好適です。普段はPE 0.8号にショックリーダー16LB 前後を結束していますが、バイブレーションの釣りであればナイロンもおすすめ。複雑なノットを組む必要がなく伸びがあるので魚をバラしにくいのがメリットです。ビギナーが簡単にチニングを楽しめるのがナイロンです。

私のチニングで最も出番の多いルアーは10〜15gのメタルバイブです。基本の操作は着水後しっかりとボトムを取り、ロッドを煽ってルアーの姿勢を直し、ボトムを意識しながら巻きます。着底後同じスピードで巻いてもルアーがボトムに触らないような深場は巻きスピードを若干落とすか、ルアーを重くするのもよいでしょう。同じ釣り方で反応がない場合は巻きの速度を変える。またはボトムを取らず着水と同時に巻いて釣ることもあります。メタルバイブはスナップを通すアイホールが複数付いている製品も多く、その位置を変えるだけでアクションが変化します。釣れない時は何かしらの変化を意識して探ってみてください。

バイトはルアーの種類や魚のサイズによっても異なりますが「ガッ」と鋭く勢いよくひったくる感じで出ることが多いです。バイトの感触を擬音にするのは難しいですが「モジョ」とか「ドゥクシッ」っという感触もあります。

ヒット後はグングンと下に突っ込み、叩くような引きをします。その時点ですぐにクロダイと判明すると思います。バイブレーションの巻きでは焦らず重みが乗ったところでアワセを入れてフッキングを決めることが多いです。

私はあらかじめドラグを緩めにしておきます。掛かってからは躊躇せずに巻き続け、足もとまで寄せてからは落ち着いて行動するのが大切です。夜であればライトを付け、足場が高ければタモを準備し、取ることに集中します。ネットを使ったランディングはシーバスよりもすんなりと入ってくれる印象です。

チニングで釣果が出やすいのは春から初秋までと感じています。特に梅雨以降は釣果が安定しやすく、河川では「年無し」と言われる50cm以上も出やすい。5月下旬ころが一段と面白くなります。誰もが始めやすいシンプルな釣りです。ぜひ愛らしいクロダイと遊んでください。

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なまちゃんが使用したラインはバリバス「SWナイロン」 16 ポンド。しなやかでスプールのイト馴染みがよくトラブルが少ない。スナップに直結するだけと極めてシンプルにチニングを楽しめる。メタルバイブはフックアウトしやすいルアーといえるが、ナイロンのクッション効果で魚が暴れにくくバラシを軽減。カモフラージュ性能を備えたクリアブルーのカラーは警戒心の強いクロダイをスレさせにくい。吸水しやすいナイロンだがこのラインは耐久性の高さも魅力だ

 

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チニングをしているとシーバスが釣れることも多い

 

 

※このページは『つり人 2023年7月号』を再編集したものです。

 

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