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編集部2024年7月1日

京都府/木津川水系 カワムツングの楽しみ方

全国おすすめ釣り場 京都

淀川支流の木津川の中下流域はのどかな里川。三重、奈良、京都の三県にまたがる上流域はオオサンショウオも生息するほど豊かな自然環境が残されている。そのどちらでも手軽に楽しむことができるのが川ムツングだ。

淀川支流の木津川の中下流域はのどかな里川。三重、奈良、京都の三県にまたがる上流域はオオサンショウオも生息するほど豊かな自然環境が残されている。そのどちらでも手軽に楽しむことができるのが川ムツングだ。

写真と文◎松本賢治

川ムツングの魅力

川ムツングの魅力

日本では能登半島と天竜川水系以西の本州、四国、九州に分布し、アユやヘラブナに混じって放流されたことにより、近年では東日本にも分布を広げている。それがカワムツという魚だ。関西人にはとてもなじみ深い淡水魚で、それこそ川釣り経験者なら誰もがその存在を知っているだろう。しかしそのイメージといえば……雑魚。といったらカワムツに失礼だが、やはりアマゴやヤマメねらいの外道的存在だったことは否めない。

しかし、近年は川ムツングという新しいルアー釣りのジャンルが開拓され、各地で徐々にアングラーが増えているという噂もよく耳にする。ムツと名がつく魚は海にもいることから、それと区別するためのネーミングだ。

牧歌的な風景の中を流れる小川や里川という癒しのシチュエーション。それでいて、実は食欲旺盛でルアーに盛んに反応する小さなファイターである点が受けて、じわじわと人気に火が付き始めている。

今回は、早くからその魅力に気づき、ひとつのジャンルとして探求している2人と一緒に京都南部から奈良にかけての木津川水系を歩いた。

2 人が最初に向かったのは平成の名川百選にも選ばれた京都府南部の井出町を流れる玉川。草が生い茂って護岸も見えないところが多いが、ところどころに階段があり川へのアクセスは容易。もう少し暑くなると小さな子どもたちで賑わうこととなる

2 人が最初に向かったのは平成の名川百選にも選ばれた京都府南部の井出町を流れる玉川。草が生い茂って護岸も見えないところが多いが、ところどころに階段があり川へのアクセスは容易。もう少し暑くなると小さな子どもたちで賑わうこととなる

 

シーズン盛期ならカワムツが群れで泳いでいるのが見える玉川下流だが、この日はほとんど姿が見えず。しかし魚が溜まっているところではヒットを連発

シーズン盛期ならカワムツが群れで泳いでいるのが見える玉川下流だが、この日はほとんど姿が見えず。しかし魚が溜まっているところではヒットを連発

 

木津川水系の布目川は玉川とは全く違う雰囲気だが、どちらも川ムツングフィールドだ

木津川水系の布目川は玉川とは全く違う雰囲気だが、どちらも川ムツングフィールドだ

 

「カワムツは通年釣れますが、さすがに寒い時期は難しくなります。水温が18℃くらいになると活発に動き回り、最盛期の夏はかなりイージーに釣れます。くるぶしくらいの浅場はお湯みたいになりますが、そんなところでも釣れます。今日の水温は15℃くらいなんでまだまだ活性が低く、トロ場などに釣れる場所が限られると思いますが、6月以降は水温が上がって広範囲を活発に群れで動き回るのでイージーに釣れるようになりますよ」

そう説明してくれたのは川ムツングの奥深さにズッポリとハマり、日々探求している富田賢一さんだ。

「僕はまだ1年ちょっとしかやってい ませんが、スグにこの沼にハマってしまいました。昨年から漁協のSNSでカワムツの釣果をアップしたところ結構反応があって、実際に十数人のアングラーの方々と見回りでお会いしています。話してみると、長年他の釣りをされている方が多く、カワムツにはやはり最近になって興味を持ってくれた方が大半のようです」

とは木津川漁業協同組合の職員で、自身も川ムツンガーとしてポイント開拓に余念がない石井真人さん。

どんな釣りでもそうだが、やってみると想像以上に難しい局面があり、それを打開するところにゲーム性を感じるようだ。

「釣れるときは投げてゆっくり巻くだけで簡単に釣れるんです。だから、ルアー釣りの入門に最適なんです。でも、警戒心も意外と強くて、普通にスレるしチェイスだけで終わることも多々ある。そしてなかなかいいサイズが出ないので逆にムキになってしまうところです。今のところ、最大で22cmが釣れたっていうのは聞いています。メスよりもオスのほうが大型化するみたいですが、そんなサイズはなかなか釣れない。よくて18cm。それでもデカいし、かなり引きます。20cmオーバーともなれば迫力満点で、あまりの引きの強さに違う魚が釣れたのかと思ってしまうほどです。釣れて嬉しいのは婚姻色の出た追い星のあるオスですね」

産卵のために体色が変わる婚姻色ではあるが、カワムツの場合、シーズン中、ずっとこのように色づいたオスが釣れるという。「婚姻色についていろいろ調べたんですが……婚姻色の出たオスは年中釣れるんですよ。夏はさらにサイズのいいのが釣れる。産卵期は5〜8月といわれていますけど……いまいちわからないです」と石井さん。まだまだ手探りの新しい釣りということであろう。

 

 

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相性抜群な『ライトリバーフライ』と『GM UCフック』の組み合わせ

桜が咲く頃からカワムツの稚魚たちが出現する。「1cmほどのサイズでも群れでスプーンを追いかけてくる。絶対に食われへんのに。小さい時からルアーに興味を示し、それは大きくなってからも一緒。最盛期にもなると10〜20尾の群れでルアーを追いかけてくる。最終的にヤル気のあるやつがルアーを奪う感じです」と富田さん。

「流れや状況に合わせていろいろウエイトやサイズを替えて試してみたんですが、どうも1cm強ほどのサイズのスプーンへの反応がすこぶるいいんです。ウエイトよりも1cm強というサイズ感がいいようで、ちょっとサイズを大きくするだけで警戒するのか突然、見向きもしなくなる。スピナーやクランクにも反応はするんですが何か条件が揃わないとスプーンほどは食ってこない感じですね」と富田さん。

「僕もそう思います。釣れるスプーンを計ってみたら1.7cmだった。それより大きいと反応が悪くなり、小さいとチェイスで終わりやすくなる」と石井さんも同意見だった。

さらに重要なのがフックサイズだ。いくら、1.7cmほどのスプーンを使ってアタリを多く出せても、なかなかフッキングに至らない理由はフックサイズにあったのだ。

「エリアトラウト用スプーンに最初から付いているフックはやはりニジマスなどのトラウトを想定しているから合っていないんです。実際にサイズを落としてやるとフッキング率がかなり上がった。そこで、小さめでも交換しやすいカン付きフックを開発したのが『GM UCフック』です。小さくて細軸の袖型で掛かりやすい設計。カワムツは後ろから追ってきて噛み付くバイトをするんですごくマッチしています。SとMの2種類があって状況によって使い分けます」

 

スプーン、カワムツ

針

 

このフックを使うようになって富田さんの釣果も明らかに上がったという。

サイズ感優先でウエイトは関係ないとはいえ1g前後のマイクロスプーンの使用が増える。そのウエイトをキャストしやすい最適なロッドも開発。それが『ライトリバーフライ』だ。素材はグラス素材で#1はソリッド、#2はチューブラー。グラスはしなやかにベンドする特性があることから超軽量ルアーのウエイトを乗せることができしっかりブランクを曲げてキャストできるのがメリット。小さなアタリでも弾くことなく乗せられるため、面白いようにフッキングが決まる。

 

カワムツ

「5ft(150cm)と5ft6in(168cm)の2機種あるのはスペースの違いで使い分けたいからです。小場所で、しかも警戒心が強い魚でもあるんで川面に影を落とさないようにしゃがんでやることも多いから」

まだまだ発展途上の釣りではあるが、その段階がなんとも楽しくて仕方がない。しかも、専用タックルが充実してきているから、釣りはさらに楽しさを増している。

今回紹介した木津川で楽しむもよし、この記事を参考に近くの里川で川ムツングにトライしてみるのもよいだろう。

 

石井さんは、これまでスプーンのカラーやフックもいろいろ試してきたが、やはり何かを装飾してサイズ感を大きくしてしまうとバイトが減ることに気付いた。今でもサイズ感に気を遣いながら装飾も楽しむが『GM UC フック』が欠かせないアイテムになったという

石井さんは、これまでスプーンのカラーやフックもいろいろ試してきたが、やはり何かを装飾してサイズ感を大きくしてしまうとバイトが減ることに気付いた。今でもサイズ感に気を遣いながら装飾も楽しむが『GM UC フック』が欠かせないアイテムになったという

 

これから始めるなら実績のあるスプーン2つとスピナー1つが入った『GM ライトリバーフライルアーセット』(ゴールデンミーン)がおすすめ

これから始めるなら実績のあるスプーン2つとスピナー1つが入った『GM ライトリバーフライルアーセット』(ゴールデンミーン)がおすすめ

 

 

 

 

※このページは『つり人 2024年7月号』を再編集したものです。

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