この時期、東北の太平洋側では冬に産卵を終えたマダラが浅場に接岸しねらいやすくなる。本州北端・青森県においては、下北半島東岸の尻労沖や白糠沖が有名釣り場だが、近年は岩手県境に位置する階上沖も注目されている。
近場で楽しむマダラジギング
協力◎坂下利助
航程15分ほどの浅場で良型マダラがねらえるこの記事は『つり人』2017年4月号に掲載したものを再編集しています。
釣り場まではわずか15分
この時期、東北の太平洋側では冬に産卵を終えたマダラが浅場に接岸しねらいやすくなる。本州北端・青森県においては、下北半島東岸の尻労沖や白糠沖が有名釣り場だが、近年は岩手県境に位置する階上沖も注目されている。地元の「さかした釣具店」店主・坂下利助さんによると、同地ではメタルジグを使用したジギングが年齢問わず人気が高まっているとのこと。
この時期の階上沖の最大の魅力は、水深50~60mラインという浅場で深海魚のマダラがねらえること。さかした釣具店・第三浩丸の出船港である追越漁港からはわずか15分ほどで釣り場に到着する。
陸地がすぐ見える場所がポイントだ
第三浩丸船長の坂下利助さん
マダラは底の根に着く魚。岩礁や人工魚礁などが入ったポイントをねらうため、根掛かりが怖いところではあるが、それほどタイトに底をねらわなくても釣れる。タックル設定や釣り方の基本を押さえられればほとんど仕掛けをロストすることもない。
アベレージサイズは60~80㎝。この時期のマダラは産卵後とあって痩せている個体が多いものの、中にはその名の通りベイトフィッシュを鱈腹食っていてコンディションがよい個体や、産卵が遅れて白子や卵を持っている個体もいる。
「ファイト中の重量感が堪らないです」とハマってしまう釣り人も多い
タックルはスロージギング用で
近年は疲れにくく、やり取りを楽しめ、ゲーム性が高いライトタックル系のスロージギングが主流になってきている。
ロッドは、適合ルアーウエイトが200g程度のスロージギング専用の物が望ましいが、パワー重視タイプよりはやや軟らかい掛け調子のものがバラシも少ない。リールはベイトタイプ、スピニングタイプともにロッドに合った小~中型の物を使用する。
メインラインは、水流の抵抗の少なさと強度、耐摩耗性を両立するバランスを考慮するとPEの2号(リーダーは8~10号のフロロカーボンを5~10m結束)がベスト。これより太いラインを使用すると水中で受ける抵抗が大きくなる分ジグが流され、他の人と絡みやすくなってしまう。逆に細号だと、同船者同士でオマツリした時にラインブレイクする可能性が高まる。特に、マダラは群れていることが多く、2人、3人と同時ヒットしやすいだけにその可能性が高いので注意が必要だ。
基本的に高活性のため、ジグの形状、カラーにはそれほどこだわらなくてもよいが、シルバー&夜光、ゴールド&夜光のゼブラ系、シルバーグリーンバック系などが定番
メタルジグの使い分けとアクション
メタルジグは水深や潮流の速さに合わせるため200gを基準に150~250gまで幅広く揃えておきたい。
フックは、メタルジグのフロントとリアにダブルの段差式アシストフックを付ける。長さは2~5㎝でフロントが長めでリアは短めにする。フックの大きさは1~1/0番。底の起伏が激しく根掛かりしやすいような場所ではフロントのみのセッティングにしてもよい。
釣り方は、メタルジグを着底させたらゆっくりとリフト&フォールで誘う。しばらくそれを続けてアタリがない時、またはベイトフィッシュの群れが入りマダラが浮いている時は、1ピッチ1ショートジャークで底から10m以上誘い上げてから再度着底させるとよい。
この時期は基本的に底さえしっかり取れていればヒットしやすい。ポイントが港から近い浅場であることも含めてビギナーにおすすめの釣りだ。
この浅場でマダラが釣りやすいシーズンは3月下旬頃まで続く。2月中旬時点で、釣果はやや低調。1人1~5尾とのこと。ターゲットの大きさを考えればこれでも充分だが、例年であれば5~10尾釣れるそうなので今後はさらに好釣果が期待できるだろう。
イチオシギア
まるふじ トリックベイトスリム(90mm、夜光) メタルジグ単体で釣果が伸びない時のお助けアイテム。メタルジグの動きを損ねない細身タイプで、ジョイントリグのような動きとボリュームアップによりアピール度が高まる。また、バイトマーカーにもなりフッキング率も高めてくれる。フックは、適度な強度があり、万が一根掛かりした時に伸びて回収しやすいオフセットタイプを使用している。
まるふじ トリックベイトスリム(90mm、夜光) メタルジグ単体で釣果が伸びない時のお助けアイテム。メタルジグの動きを損ねない細身タイプで、ジョイントリグのような動きとボリュームアップによりアピール度が高まる。また、バイトマーカーにもなりフッキング率も高めてくれる。フックは、適度な強度があり、万が一根掛かりした時に伸びて回収しやすいオフセットタイプを使用している。
お土産にぴったりの美味魚ウスメバルもヒット
さかした釣具店 住所=青森県三戸郡階上町
道仏浜久保20
営業時間=5~19時
問合先=℡0178・89・2252
問合先●さかした釣具店(問合先、住所は右枠参照)、出船時間=7 時、沖上がり=14 時頃、料金= 6000円
協力◎坂下利助
第三浩丸の船長。伝統漁具のマスナタを使ったヒラメ釣りをはじめ、カレイやアイナメなどのエサ釣りに精通。ライトソルト系など新しい釣りを積極的に取り入れている
2018/3/1