吉祥寺のルアーショップ吉や代表である伊藤良さん一家がよく遊びに行くというOyama Water Park 遊水園。ここではエリアトラウトだけでなく日帰りでグランピングも可能なため、家族全員が楽しめるスポットだという。
吉祥寺のルアーショップ吉や代表である伊藤良さん一家がよく遊びに行くというOyama Water Park 遊水園。ここではエリアトラウトだけでなく日帰りでグランピングも可能なため、家族全員が楽しめるスポットだという。
写真と文◎編集部
子どもと釣りをするならエリアトラウトが◎
家族と釣りを楽しみたい、子どもに釣りの楽しさを知ってほしいと考えている父兄は多いのではないだろうか。ただ、自然を相手にする釣りは釣果が約束できないことや安全に配慮すると小さい子どもにはなかなか難しい遊びでもある。
そういった難題をクリアしやすく家族で楽しめる釣りのひとつにエリアトラウトがある。手入れの行き届いたポンドは足場が良好、当然たくさんの魚が泳いでいる。釣れるかどうかはその時次第だが、自然環境で釣りをするよりも期待が持てるのは間違いない。また、対象魚がニジマスというのも魅力のひとつ。掛けた後のパワフルな引きだけでなく、釣れた魚を食べるという楽しみ方もある。
しかしながら、小さい子どもほど丸一日同じことを続けるのは難しいものだ。そんなときは釣り以外の遊び場があると飽きずに楽しんでくれることだろう。
吉や代表の伊藤良さんと遊水園を訪れたのは小学校3 年生のひろし君と奥さんのようこさん。伊藤家は以前も遊水園を訪れていて、釣りとグランピングの組み合わせがとても楽しかったそう
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ファミリーが楽しめる施設がたくさん
ファミリーで楽しむにはもってこいの管理釣り場が栃木県小山市にあるOyama Water Park 遊水園だ。元々コイの養殖施設だった池は広大ではないもののルアーやフライでトラウトをねらうことができる。ほかにもエサでのマス釣りや金魚釣り用の池もあることから、訪れるお客さんは家族連れが多く、エリアトラウトでもエンジョイ勢がほとんど。和やかな雰囲気の中で釣りが楽しめる。ちなみに放流されているニジマスはすべて頂鱒。美味しいと評判のブランド鱒なのでキープする人も多い。
さらに同系列で運営されているキャンプ場、遊水園Camp Field が道路を挟んで向かい側にある。そのため、家族が釣りに飽きたらデイキャンプやバーベキューにすぐ路線変更することも可能だ。
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家族との釣りにライントラブルは大敵
小山遊水園の池は養殖池ということもありコンクリート製でボトムはフラット。湧き水を引いているため水はクリアでボトムまでよく見える。水温も比較的安定しており、平野部のエリアとしては珍しく夏場でも釣りが可能だ。
6月末、釣り&グランピングを楽しもうと遊水園を訪れたのは、吉祥寺駅近くのルアー専門店、吉やのスタッフ伊藤良さん一家。この日は休日ということもあり混雑気味だったが、一番広いD 池で3人並んで釣りを始める。
用意したタックルは4つ。軽量ルアーを扱うエリアトラウトではラインの素材や硬さで釣果はもちろん、快適に釣りができるかが大きく変わってくる。道具の扱いに慣れていない初心者はなおさらだ。奥さんのようこさんが使うタックルにはしなやかなエステルラインのES2 0.4号をセット。エステルの高感度としなやかさを両立させたラインで釣り慣れていない人でも扱いやすい。さらにレモニーという視認しやすい黄色のおかげでライントラブルが重症化する前に異変に気付くことができるのもメリットの一つだ。小学校3年生のひろし君が使うタックルには扱いやすさ重視でナイロンラインのSVG(バリバス)3ポンドをチョイス。
伊藤良さんは2タックルを使い分ける。と言ってもどちらもオールラウンダーなタックルだ。ラインはどちらもナチュラルカラーのエステル0.3号だが、より高感度なスーパーエステル(バリバス)を主力として、もう一方はさまざまなルアーに対応できるようにES 2(バリバス)を巻いた。
園内で一番広いD 池
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魚の反応に一喜一憂
D 池は水深が70cmほどととても浅い池だ。クリアな水質も相まってルアーに興味を持った魚がチェイスしてはあと一歩のところで引き返すようすがよく見える。この日は水温が高いこともあってか簡単ではないようだ。良さんがいろいろなルアーをどんどん試していく。なかなかヒットしないものの、魚の反応が見えるのでひろし君も飽きずにルアーを投げ続ける。するとスティルエリアT2 のマジックジャークで良さんにヒット。ひろし君にネットインしてもらい待望の一尾をキャッチした。
ようこさんもクランクベイトを使って何度かヒットまで持ち込んでいるが、なかなかキャッチまで至らない。
「今日の魚は仕上がっていますね……。反応するルアーとしないルアーがはっきりと分かれるのでどんどんルアーローテしたほうがよさそうです」
良さんがひろし君にヒットルアーを渡す。グリグリと潜らせたら止めて浮かしてを繰り返しているとすぐに掛かった。ランディング後も元気よく跳ねる魚を見て「食べたい!」とひろし君。
お父さんのアドバイスで見事に頂鱒をキャッチしたひろし君
遊水園ではスタッフが魚を焼いてくれるサービスがあり、これがまた美味しいと評判だ。釣った魚を焼き場へもっていくと30分ほど時間をかけてじっくり焼いてくれる。ひろし君は焼きあがった魚にかぶりつき、感想を言う間もなくあっという間に平らげてしまった。自分で釣った魚の味は格別だろう。
魚を焼いてくれていた園長の板垣智博さんによると、キャンプ場に行けばカブトムシがたくさんいるとのこと。カブトムシというワードに目を輝かせた男児は釣りを中断して急ぎ足でキャンプ場へ向かった。
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昼食は豪華にバーベキュー
キャンプ場は道路を挟んで釣り場の向かい側。その一角にはドーム状のグランピング施設が3棟設置されている。エアコンが備え付けられており、酷暑でも涼しくキャンプ体験ができる。
キャンプ場奥に行き、いつもよく止まっているという木を板垣さんが体重を乗せて蹴った。するとボトボトッと音を立てて落ちてきたのはたくさんのカブトムシやノコギリクワガタ! これには大人も大興奮。家族3人であちこちの樹上を見上げ、昆虫を見つけては盛り上がっていた。
キャンプ場内の木々にはカブトムシやノコギリクワガタがたくさん。釣りに飽きたら虫捕りにシフトできる
空腹で我に返ればちょうどランチタイム。グランピング棟には大型グリルと調理器具がそれぞれ用意されているので食材さえ用意すればバーベキューも手軽に楽しめる。キャンプあるあるの面倒な後片付けも最小限で済むのはとてもありがたい。
伊藤家の定番メニューだという良さん特製のハンバーガーを作り、家族そろって楽しく昼食。バーベキューを漫喫した
グランピング施設を利用するとアウトドア用大型グリルやテーブル、食器類も使用可能
自分で釣った頂鱒をガブリ。あっという間に完食してしまうほどの美味しさだ
後は各自自由行動となった。ようこさんとひろし君はエアコンの効いたドームで休憩、良さんは再び釣り場へ。釣り終了時刻まで各々が休日を自適に過ごしたのであった。
この夏、家族との過ごし方の選択肢にエリアトラウトとグランピングを検討してみるものいいかもしれない。
※このページは『つり人 2024年9月号』を再編集したものです。