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編集部2024年7月17日

栃木県/小貝川水系&鬼怒川水系 初場所のナマズ探索術をルアー専門店の代表に聞いた

全国おすすめ釣り場 ナマズ 栃木

ナマズは日本全国どこにでもいる魚だ。ルアー専門店「アングラーズショップマニアックス」代表の駒崎佑典さんは、身近な水辺でも遠征先でも、気になるスポットがあればどこでもナマズ釣りに興じる。初場所でもナマズを手にする心得があり、その探索術を教えていただいた。

ナマズは日本全国どこにでもいる魚だ。ルアー専門店「アングラーズショップマニアックス」代表の駒崎佑典さんは、身近な水辺でも遠征先でも、気になるスポットがあればどこでもナマズ釣りに興じる。初場所でもナマズを手にする心得があり、その探索術を教えていただいた。

写真と文◎編集部

初場所巡りの注目スポット

初場所巡りの注目スポット

「私の場合、ナマズは行き掛けの駄賃で楽しむ釣りです。だからタックルは車に常備していて山里でも汽水域でも気になる場所はチェックしたくなるんです。魅力は何といってもトップで釣れること。バフッと水面を割る瞬間がやみつきになる中毒性の高い釣りです。それに加えてつぶらな目とヒゲ。くねっとした身のこなしがたまらなく愛らしい」

そう語る駒崎さんは多くのお客さんをナマズ釣りに「沼らせて」いる。今回の初場所探索も懇意の常連さんである金子修さん、番場亮太さん、中西博一さんと一緒に茨城県や栃木県の里川をランガンする運びとなった。

さっそくお題の初場所探索について駒崎さんに聞いた。まずは地図から釣り場を選ぶ際の注目スポットは何か?

「ナマズ釣り場の多くは小河川や水路になりますが、その水脈が大河川や湖沼としっかり通水しているのかを見てください。冬場は干上がっている水路も田植えの頃には水を引き込むようになります。そうなると小さな水路にもナマズは入る。私が特に気にして見るのは水門、流れ込み、堰堤です。よさそうなスポットがあれば拡大して、ストリートビューが使える位置なら活用して、そこに立てるかどうかの確認も行ないます。航空写真は季節によって風景の様相が変わりますが、水辺までの距離が離れていないかなどを気にして見ています」

このほかにも初場所探索でマップを見る際のキーワードを挙げていたので列挙する。

 

・大河川や湖沼とのつながり

・水門

・堰堤の切れ目

・流れ込み

・川幅が狭い所から広がる場所=流れが緩みそうな場所

・護岸帯の切れ目

・シェードができそうな位置(右岸か左岸か)

 

これらの要素に加え、駒崎さんは大型の出そうな場所も意識する。

「ホソや水路のナマズは小型が多いです。私はなるべく大型を釣りたいので深場のある小河川を意識して見ます。基準の水深は60㎝以上。流れは緩やかな場所がいいです。航空写真でも川の地形をおおよその見当は付けられます」

午前9時、仲間たちと合流した駒崎さんは最初の行き先は茨城県の小貝川支流と告げた。その道中にもたくさんの水路や小河川があるため「よさそうな場所があれば突然車を止めてサオをだすかもしれません。〝寄り道の駒崎〟になるかもしれないのでよろしく!」と仲間たちに言ってハンドルを握った。

 

 

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カメとコイには注意せよ

結局、寄り道はせずに小貝川の支流に到着した。小貝川は利根川の支流である。日本一の流域面積約1万6840㎢の利根川水系は水脈をたどるとナマズの生息域は無限にあるだろう。

「ナマズ釣りの最大の難点は駐車場所を見つけることです。農地の周りに釣り場が多いので迷惑のかからない場所を探してください」

そう言って訪れた先は橋のたもとに数台の駐車スペースがある。そして橋の上流には小水門が点在している。

「日中は物陰を重点的にねらいます。太陽の位置にもよりますがシェードができやすい位置も注意しながら効率的に探っていきす。昼間のナマズは物陰をどれだけタイトに撃てるかが勝負のシューティングゲームです。1投目が100%だとすれば2投目以降は釣果を得られる確率が30%くらいに下がります。だから探るテンポは早い。一投で移動することもよくあります」

5月初旬ながら気温が30℃まで上がる真夏日である。到着したのが正午近い時刻とあって太陽が真上から燦燦と降り注ぐ。こんな時はナマズもシェードの奥に身を潜めているため、よりタイトなキャストが求められる。駒崎さんは最初の小水門にねらいを定める。そこには多数のミシシッピアカミミガメが泳いでいた

 

亀

 

「カメはやっかいな存在です。ルアーや物音に驚いて逃げるとナマズも警戒して釣れにくくなるからです。コイも同じです。コイが逃げるとナマズも消えてしまいます」

 

 

川

水門の吐き出し口から出る水は濁りがある。明らかに代掻きの濁りである。代掻きは多くの場所でナマズに悪影響を及ぼす。農薬が混じったナマズが嫌う水といわれる。この水門前後では釣果が出なかったため、車を走らせ堰堤付近でサオをだした。堰堤の落ち込みの左岸側には土管からの流れ出しがありボサが被っている。そのスポットが駒崎さんは怪しいとにらむ。草に引っ掛けるようにしてルアーを吊るし、水面をチョンチョンやると、奥からぬらりとナマズが現われた。そしてルアーを見に近寄ったが反転して草陰に入ってしまった。1尾のナマズを確認できたことは大きな収穫であったが、全体に代掻きの濁りが激しいことから小貝川水系をやめて鬼怒川水系に大きく移動する。

 

 

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鬼怒川水系のデイゲーム

鬼怒川の水脈も広大である。エリアトラウトに精通する駒崎さんは宇都宮周辺の管理釣り場に足繁く通い、行き掛けの駄賃で鬼怒川水系のナマズをよく釣る。今回は初場所がテーマなので未見の里川にねらいを定めた。

駒崎さんはパックロッドを愛用する。ナマズ釣りで求められるロッド性能は、ティップがほどよくしなやかでバットは強めで高反発なこと。タイトに撃ち込むにはベイトリールの使用が必然であり、駒崎さんはDC(デジタルコントロール)ブレーキ搭載のアンタレスが愛機。ルアーはリアフックだけが装着されたカップ付きのノイジー系。いずれもフロントフックは外してコロラドブレードを装着している。障害物周辺を撃ちまくる釣りなのでルアーロストのリスクが常につきまとう。駒崎さんはルアーの回収率を上げるためリアフックのスプリットリングは#0にしてルアー側は#2を取り付けている。こうするとフック側のリングが開きやすく回収率が上がるのだ。

ルアー

 

ナマズシューティングはよく歩く釣りだ。駒崎さんはズンズンと下流に向かって探り、橋を5本ほど越えていく。ナマズの気配はない。来た道を引き返していく時も駒崎さんは川から目を離さない。それくらい日中はナマズを見つけることが釣果に直結する。このため偏光グラスも必需品である。駒崎さんは対岸の草陰にゆらりと動くナマズらしき魚影を見つけた。すかさずキャストすると10mほど先の草陰に着水。次の瞬間、バフッという捕食音とともに「食った!」という声が響き渡った。

 

人、川

 

浅瀬で水柱が何度も上がる。激しく抵抗するナマズを寄せて金子さんがタモでアシスト。これには駒崎さんもガッツポーズ

「ほんの一瞬だけ草陰に入っていく黒い魚が見えたんです。ルアーを投げるといい位置に入って一発で食いました」

と興奮気味に仲間に話す。その場所は堰堤の魚道に通じるへチでナマズのベイトフィッシュになるような小魚たちも溜まりやすそうなスポット。こうして初場所での価値ある一尾をキャッチした後、夕マヅメは仲間たちにも釣らせたいと馴染みの場所に移動した。

 

男の人、川、釣り竿

 

日が傾けば影は伸びる。涼しい川風も吹いてナマズたちの活性も上がってくる。ルアーをタイトに撃たなくてもオープンエリアでチェイスする魚も増えてくる。勢いに乗った駒崎さんはさらに1尾を追加。その後は金子さん、番場さん、中西さんもバイトを得てヒットもあったが、足もとでバラしたという。

「リトリーブの加減は大事です。明るい時間は速めに巻いたほうが見切られにくいですが、うす暗くなってからはスローにトレースしたほうが食ってくることもあります。ナマズが好むルアーの音や速度は個体差があります。答えはひとつじゃありません。暗くなると日中のように一発勝負ということも少なくなるので緩急メリハリのあるリトリーブを心がけ、音やタイプの違うルアーを試してみるのもありです」

18時を回った。クライマックスとなる日没間際に金子さんが見せた。リアフックにタコベイトを付けたチューニングルアーを手前にある小さな落ち込みに当てるように早巻きしてから落ち込み際でピタリとストップ。するとバコンと水面が爆発したのだ。皆が見守る中で大暴れするナマズ。駒崎さんがタモ入れをアシスト。金子さんが抱きしめたのは60cmクラスの良型だった。

最後に繰り返しとなるがナマズはどこにでもいる魚だ。気になるスポットをガンガンねらい撃ちして欲しい

ナマズ、人

クライマックスで金子さんが釣りあげた60cm クラス

 

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ナマズ釣りはルアーに衝撃がかかる釣りなのでジョイント部分やカップが緩むことも多い。その時も考えてドライバーを常備する

 

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カップのネジをあえて緩ませカチャカチャと音を鳴らせるチューニングをすることもある

 

 

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※このページは『つり人 2024年7月号』を再編集したものです。

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