プラでは霞ヶ浦本湖の古渡エリアに手ごたえを感じていた三原選手。初日は古渡エリアの小野川河口部をメインエリアに釣りを組み立てます。
オカッパリ&レンタルボートでも真似できる出場選手のメインパターン
2022年10月29~30日にかけて利根川・霞ヶ浦水系で行われたBasser Allstar Classic2022。トーナメントの釣りには、オカッパリやレンタルボートの釣りに生かせるヒントが詰まっています。今回は三原直之選手の釣りを紹介します。
◎まとめ:編集部 ◎写真とフットステップレポート:DAY1プレス&DAY2プレス/染谷翔太
三原直之選手のプロフィール
三原直之(みはら・なおゆき)
1991年生まれ
主な戦歴:
2015年 ジャパンスーパーバスクラシック 河口湖戦 優勝
2019年 ジャパンスーパーバスクラシック 河口湖戦 優勝
2019年 JBTOP50 七色ダム戦 優勝
2019年 Basser Allstar Classic THE WILD CARD七色ダム戦 優勝
「このスピナーベイトには秘密があるんです」
三原選手のメインルアー
■リトルミスターマネースピナーベイト 3/16oz(ストライクキング)+スナッグレストレーラー TC M(リューギ)※パイプを取って使用
■モグラ・スピンモスチャター(イマカツ)+フルーク(Z.B.C)
プラでは霞ヶ浦本湖の古渡エリアに手ごたえを感じていた三原選手。初日は古渡エリアの小野川河口部をメインエリアに釣りを組み立てます。
三原「本湖の水が悪かったため、流入河川のフレッシュな水が絡む、ディープ隣接のシャローをメインエリアにしました。小野川の河口部は北東からの風を遮るので、シャローが荒れづらいエリアです。プラではシャローにエビやイナッコ、シラウオなどのベイトがいて生命感が濃かったため、コンフィデンスを持っていたエリアでした。とくに釣りたかったのは、イナッコを食っているような2kgクラスの魚です。イナッコ食いの魚をチャターベイトやスイムジグ、スピナーベイトなどの巻き物でねらいました」
ところが試合当日、水温の低下による影響か、小野川の河口にはイナッコがいませんでした。初日をノーフィッシュで折り返した三原選手は2日目、イナッコのいるエリアを探して釣りを組み立てます。
三原「2日目の朝に入った北利根川ではイナッコがぴちゃぴちゃ跳ねていて、理想的な状況でした。水温低下でバスがルアーを追いかけて食えるような状態ではないと考え、スピナーベイトをスローロールしました。目の前にルアーをゆっくり通してリアクション的に食わせる作戦です。イナッコが跳ねていた場所の水深が60~80cmくらいのドシャローだったので、リトルマネースピナーベイト5gを選択しました。リトルマネースピナーベイトにはインディアナタイプのブレードが付いていて、浮き上がりがよいため浅場をゆっくりと引くことができます。普通、5gのヘッドウエイトでコロラドブレードやインディアナブレードを付けると、ブレードの抵抗に負けてスピナーベイトが横倒れしてしまうのですが、リトルマネースピナーベイトはバランスがよいので倒れずに引くことができるんですよね。色はイナッコを意識したホワイト系です。着水後、カーブフォールさせながら護岸の壁と平行に引いて、底に2、3回タッチしたときに食ってきました。でもこのスピナーベイトには秘密があるんですよ。それはまだ内緒にさせてください(笑)これから自分が作るルアーに落とし込んでいくつもりです」
[タックル]
■リトルミスターマネースピナーベイト 3/16oz(ストライクキング) 用
ロッド:ファンタジスタ New DEEZ 610M-ZR+(アブ・ガルシア)
リール:グラビアス2020(ジーニアスプロジェクト)
ライン:エクスレッド12Lb(東レ・モノフィラメント)
■モグラ・スピンモスチャター(イマカツ)用
ロッド:テムジン TMJC-65M コブラ(エバーグリーン)
リール:グラビアス2020(ジーニアスプロジェクト)
ライン:エクスレッド13Lb(東レ・モノフィラメント)
三原直之選手のフットステップ
DAY1
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▼スタート直前~直後
1回目で閘門の通過ができるかが微妙な順番。そわそわとした落ち着かない様子。
「古渡にいく。タックルは絞れてれいる。巻き中心でいきます。40分間走るので防寒ちゃんとしましょう!」
「緊張はしない、ワクワクしてる!楽しみ」
6:43
萩原閘門を抜けて霞方面に向かう。スタート時には、声援を受けながらも利根川組の数を数えていた。
「閘門いけるな、飛ばしますよ!」
「みんな手を振っているときに利根川組の数を数えていなかったんじゃないか。手を振るのも喜ばれるが、勝つのが一番喜ばれる。僕はしっかりと数えていましたから」
6:57
閘門内でみんなのボートにエビが入ってくる珍事が発生。水門から落ちてきたのだろうか。
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▼霞ヶ浦・古渡エリア
7:31
古渡に到着。チャター、ラバージグ、スイムジグ、スピナーベイトがメインルアーだという。
「北東の風が避けられて、シャローにディープが隣接している。このエリアには絶対的な自信があります。プラでは北浦の山田ワンドのほうが調子がよく、1600gを釣っていますが、エリアがバッティングする恐れがある。それに人の裏をかかないと!」
「シラウオがたくさんいる!」
アシ際をチャターで探り、ラバージグやスイムジグのジグストにルアーをローテーション。アシ際の回復している水をねらう。水深30cmにも満たないようなドシャローを中心に探っていく。
橋を越えて釣り上がっていくと、橋本選手が上流に向かっていく。
8:24
ジグのトレーラーをポークに変える。
「撃った方が釣れそう。ジグ&ポークは釣ったことないけどやる。やったことないことやっちゃうんです」
エレキが泥を巻き上げるくらいのドシャローを流していく。
8:35
「プラはイナッコが多かったが今はいない。時合ではないみたい。イナッコは水温が高いところに集まる傾向がある。なんか違うな~水温が低すぎるのかな」
プラのときに15℃台だった水温が12℃後半から14℃まで落ちているという。
8:57
小野川河口の橋周辺に戻る。釣り上がっていた場所よりも水温が0.7℃高い。
「風が吹いてきた。シャローなので底荒れの影響で状況はマイナスだが、マイナスに考えてよかったことはない。プラスにとらえる」
9:10
古渡の岬に小移動
スイムジグをスイミングさせたときにエビが跳ねた。
「本当はイナッコがいる状況のほうが、よりスイムジグが生きます。エビ食いバスはリアクションで食ってくるが、スイムジグのシルエットがエビに似ていないのでそれが気がかりです」
9:48
「表層の水温がもう少し上がらないとスイムジグがよくならないのか?」
スイムジグとラバージグをローテーション。
9:58
「はよ釣りたい。合ってるやんていう感覚がほしい」
10:03
対岸へ移動。
「これはなんか違うなあ。ゼロにするか……プラン崩壊!今を見つけますよ」
古渡と似た条件のエリアを探しはじめる。
10:14
小野川・古渡橋の上流の先ほど入っていたシャローエリアに戻る。ラバージグをキャスト。
10:33
「いやあキツイ。冷えの影響か? エリアを捨てるか? 風裏で水温が高くて流入がある条件を探すか?」
10:44
ラバージグで流す。
「ゲームをガラッと変えなあかん。北利根は釣れると思うけど、どうしよう?」
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▼霞ヶ浦・麻生エリア
10:58
「プラでは触っていないエリアです。川の水や風が巻いている。岬の裏で、小野川と条件が似ています。川の水温が低いな。川の水じゃない場所にイナッコがいる。もしかして流入潰れた?」
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▼横利根川・夜越川合流地点付近
11:12
護岸沿いにスピナーベイトを通す。シャッドにすぐローテーション。他の選手を目視してすぐさま移動。
11:21
横利根川・JR鹿島線下流 右岸に移動。
スピナーベイト、シャッド、チャター、スイムジグで護岸沿いにアプローチ。イナッコがたくさんいる。これまで回っていた流入河川は水温14℃前後だったが、水温16℃と少し高め。
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▼常陸利根川
12:26
スピナーベイトやチャターでアシ際を巻く。
「すでに悔しい。ブレて釣りをしているのがすごくイヤです」
12:43
萩原閘門で取り残されたネコを救出。利根川へ向かう。
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▼利根川・小見川大橋
13:10
「利根川のバスは釣ったことがない」
倒木をダウンショットリグで撃つ。
13:21
津宮の消波ブロック帯に移動。ダウンショットリグやワッキーで消波ブロックをねらう。
「実は消波ブロックで釣ったことないんですよ」
「明日は古渡にいきます。無風だから改めて勝負しますよ!エビとイナッコが一緒にいるところがキーです。マックス3500gはいけるはずです!」
14:00
帰着。
DAY2
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▼スタート直前~スタート直後
「今日は古渡と北利根川がメインエリアです。まずは北利根川に行き、水温が上昇したら古渡に向かう予定です。メインベイトをイナッコに据えて、イナッコの有無を意識したエリア選びを行ないます」
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▼北利根川・潮来大橋上流左岸
6:37
ビッグスイムベイト、チャター、スイムジグで流す。水温は14.8℃。
「エビがいないな……」
「レイジースイマーよりもうちょい秋っぽいチャターのほうがいい?」
「バスは変温動物。冷たくなったらゆっくり誘い、適度に温まったら動きを出して誘う」
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▼北利根川・JR鹿島線下流右岸
7:06
チャターで流す。イナッコを意識してボリュームが大きいクランクを使う。
7:20
待望のファーストフィッシュ。イナッコの生命感が強いエリア。ルアーはリトルミスターマネーベイトの5g。チョコレート護岸の切れ目の壁を沿うように、ルアーを壁と平行に引いた。
7:30
クランクのフックを新品に替える。イナッコや濁りを意識してセクシーシャッドをセレクト。
「ハッとさせられる白を意識」
7:47
「(イナッコが跳ねるのを見て)いいぴちゃり具合ですねえ」
7:53
「スローに引きたいのでクリスタルS 3/8ozにローテーションします」
8:13
上流に移動。イナッコがいない。ルアーパワー重視でクリスタルSをキャスト。 その後も北利根川を探るが反応はなく、古渡に向かう。
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▼霞ヶ浦・古渡エリア 小野川
9:01
古渡エリアで橋本選手とバッティング。水温は14.8℃と意外に高い。
9:23
対岸の真珠棚へ。スピナーベイトとクランクベイトで探る。
9:43
小野川を上流方面に向かう。水温は14℃。プラのときは19℃だったという。
「水はよくて、水温も悪くない。けれどイナッコがいないなあ」
10:03
「どこかで2キロを釣りたい。川だろうなあ。でっかいやつ獲りたい、でっかいやつ……」
「イナッコにとらわれすぎているかもしれない。一度イメージから外してみるか? 1段下、沖、風に助けられそうなところ?」
10:20
真珠棚をチェック。イナッコは多いがとくに反応はない。
10:45
小野川の河口エリアに入るが、ジェットスキーが7台、全開走行で小野川上流へ。底荒れにより移動を決意。
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▼霞ヶ浦・北利根川合流部
11:25
プラのときはハゼ食いのバスが釣れたエリアだという。クランクベイトをローテーションして探る。
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▼北利根川
12:00
1尾目を釣った護岸に入り直す。リトルミスターマネーベイトをキャスト。
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▼利根川
13:03
「利根川バス釣ったことないが、とりあえずやろう!」
13:30
帰着。
YouTube配信のアーカイブはこちらからご覧ください↓↓↓
Basser Allstar Classic2022 最終成績表