清水盛三選手のメインパターンは巻き物。ワイルドハンチやフラットフォース、Dゾーンを軸に秋の利根川を巻き通して、5尾5225gをキャッチし、Basser Allstar Classic初優勝を掴みました。
出場選手のメインパターンとエリアをご紹介
2022年10月29~30にかけて利根川・霞ヶ浦水系で行われたBasser Allstar Classic2022。各選手のメインパターンとフットステップをご紹介します。今回は清水盛三選手です。
◎写真とフットステップレポート:DAY1プレス/加藤雅也 DAY2プレス/金澤一嘉
清水盛三選手のプロフィール
清水盛三(しみず・もりぞう)
1970年生まれ
主な戦歴:
1997年ジャパンスーパーバスクラシック優勝
2000年JBワールドUSチャレンジ優勝
2006年B.A.S.S.エリートシリーズケンタッキーレイク戦優勝
2011・2014・2015年バスマスタークラシッククォリファイ
利根川を巻き通して優勝
2022年10月29~30にかけて利根川・霞ヶ浦水系で行われたBasser Allstar Classic2022。清水盛三選手はワイルドハンチやフラットフォース、Dゾーンを軸に秋の利根川を巻き通して、5尾5225gをキャッチし、Basser Allstar Classic初優勝を掴みました。
清水盛三選手のメインルアー
フラットフォース(エバーグリーン)
ワイルドハンチSR(エバーグリーン)
Dゾーン3/8oz(エバーグリーン)
プラのときよりも水温が3℃ほど低下しており、魚は消波ブロック帯に入っているのではと予想した清水選手。利根川の消波ブロック帯を巻き物で探るプランを立てますが、初日のファーストスポットではノーバイト。上流に移動して、川のアウトサイド側にある杭周りをワイルドハンチやフラットフォースで探ります。当日の利根川はカレントが効いておらず、思ったよりもバイトが遠い状況でしたが、魚が食うタイミングが来ることを信じて利根川で巻き続けることに。すると7時50分、フラットフォースで1280gのナイスフィッシュを釣りあげます。その後も巻 き続け、9時20分には780gをキャッチ。リミットメイクまであと1尾に迫ります。
10時過ぎには、会場の水の郷さわらよりも下流に移動していた清水選手。プラでは手ごたえを感じておらず、「未知との遭遇」と話していたエリアでしたが、ここでビッグフィッシュが飛び出します。利根川橋の下流、水深1mにも満たない超シャローエリアをワイルドハンチSRで流していくと、1kmほど流したところで待望のバイト。1770gのビッグフィッシュをキャッチし、計3915gをスコア。首位で二日目に突入します。
二日目開始時点で2位の千葉選手とは1045g差。二日目も清水選手は利根川で巻きの釣りを展開しました。初日に1尾目をキャッチしたエリアでフラットフォースを巻き550g、760gをキャッチします。この時点で7時55分。あと1尾揃えてこのまま逃げ切りたい清水選手でしたが次のバイトまでが遠く、決して安心できない状況が続きます。
清水選手が3尾目の魚を掛けたのは12時35分のこと。初日に1770gをキャッチした利根川橋下流の超シャローエリアを流していると、巻いていたワイルドハンチSRがグッと抑え込まれます。エラ洗いで水面を飛び出した魚体は昨日の1770g同様のビッグフィッシュでしたが、ランディング直前に痛恨のフックアウト。
このままリミットメイクはならず、二日目は2尾で帰着した清水選手でしたが、二日間合計で5225gをスコア。2位の早野選手に565g差をつけ、Basser Allstar Classic初優勝を掴みました。
清水選手のクランクベイトの引き方は、
①底に当てずに中層を引く。
②ボトム付近を引く(底に当たってもいいし当たらなくてもいい)。
③ボトムに軽く当てながら引く
①〜③をその場の状況によって、いろいろ試していました。中継動画でも、サオ先の高さを調整して引くレンジを細かく調節している様子が映っています。
巻くスピードはギア比5.5のリールで、ハンドル10回転を4秒くらいで巻くペースでした。
[タックル]
■フラットフォース用
ロッド:プロトタイプ
リール:ジリオンSVTW(ダイワ)
ライン:ポリアミドプラス16Lb(東レ・モノフィラメント)
■ワイルドハンチSR用
ロッド:プロトタイプ
リール:ジリオンSVTW(ダイワ)
ライン:ポリアミドプラス16Lb(東レ・モノフィラメント)
■Dゾーン3/8oz用
ロッド:コンバットスティック シナジー CSYC-70M+ マルチローラー(エバーグリーン)
リール:ジリオンSVTW(ダイワ)
ライン:エクスレッドタイプNS16Lb/フロロカーボン(東レ・モノフィラメント)
清水盛三選手のフットステップ
DAY1
______
▼スタート前~直後
「水温は16℃。20℃あったプラのときから低下している。プラは4日入って、利根川が好感触だった。」
______
▼利根川
会場対岸の消波ブロック帯
6:35
消波ブロックのあいだを、岸と垂直にワイルドハンチで探っていく。ボートポジションは岸から10mほど。
「水温が下がっていても朝は食ってくるはず。1尾目をキャッチしてまずは心を落ち着けたい」
6:50
水深3mラインにボートポジションを取って、Dゾーン3/8ozを岸と垂直にテンポよく探っていく
「あ~食わんなあ。もう2尾は釣れている計算。水が動いてないもんね。プラではけっこう色々な魚が釣れた。そういうところにバスは絶対いるはず」
上流に向かって20分ほど流していくがノーバイト。
7:15
水深5mラインにボートポジションを取ってDゾーン、ワイルドハンチ(クラウンカラー)をローテーションしながら消波ブロック帯を巻いていく。
「今日は利根川をやり切る。あたふたしたら負け。タイミングさえ合えば2、3尾は立て続けに釣れる」
「今日のベストな場所をやっているけどまったく食わん。バコンと出ろよ~練習のときはバコンといったやろ」
7:50
杭が規則正しく並んでいるエリアをフラットフォースで流していく。3本目あたりの杭を通したときにバイト。1280gをキャッチ。
「気持ちよかった~! ここはよいサイズが出る」
「(太陽を見て)ありがとう! あと2尾よろしくおねがいします」と叫ぶ。
冠水ブッシュはテキサスリグでテンポよく探っていく。
8:43
杭が並んでいるエリアを引き続き探るがバイトはない。
「1尾だけか~ここでは2尾くらい釣れるのではないかと計算していた。でも1尾釣れてくれてよかった」
8:57
移動前に沢村選手とニアミス。
「ファーストフィッシュを獲った場所に、沢村さんに先に入られなくてよかった」
9:10
少し下流に移動。フラットフォースで探る。
9:20
2尾目をキャッチ。865g
「こんなベタナギのなかフラットフォースで釣れて嬉しい。あと1尾ですわ。引退したけどまだまだイケてる」
9:40
下流に移動していくと、上流に向かう選手とすれ違う。
「おれは逆をやる。下流の選手は釣れないから移動しているのかもしれないが、タイミングさえ合えば、ほかの選手が抜けた後が逆にチャンスだと思う」
10:07
フラットフォースやワイルドハンチで探るもバイトはなく、会場よりも下流のエリアへ移動。会場よりも下流は、プラでは好感触を得られなかったエリア。
「さあ、ここからは未知との遭遇ですわ」
10:25
会場下流の、消波ブロック帯をワイルドハンチで探っていく。
「風がいい感じで当たってきた。タイミングなんでやり切りますよ」
「もうリミットが揃っているものかと思ってたけど、オールスターは甘くないね。水温低下で消波ブロックに魚が入っているのかと思っていたが、まだなのかな」
10:42
水深1mのシャローエリア。杭を中心にワイルドハンチSRやDゾーンで探っていく。
「水温は18℃。上流よりも2℃高い。どこかでチャンスがあるのではないだろうか」
アシの根元はバイズクローのテキサスリグで丁寧に撃っていく。
11:13
1km近く流していく。アシ際にワイルドハンチSRを投げて、少し巻いたところでバイト。約1分の攻防の末、慎重にランディング。本日最大魚の1770gをキャッチ。
「攻める。守ってないよ。攻め続けた結果、最高のバスがきたね。ほら、いましたでしょ」
「田辺さんはマイゲーム、僕はね、マイフィッシュ!(笑)」
「胃が痛いけどハッピー。本当は3尾軽くいけるかと思っていたけれど釣りの神様はいたね」
11:48
バイズクローのテキサスリグやDゾーンのインディアナブレードタイプでワンドや水路を探っていく。
12:00
「今日は朝イチ北浦に行こうか迷っていたけれど、行かなくてよかった。いつも思い切って北浦まで走ってもノーフィッシュってこともあるもんな」
13:00
会場対岸に戻る。Dゾーン3/8ozやフラットフォースで探る。
「メインで考えていた消波ブロック帯はあまりよくなかった。明日どうするか迷うなあ」
13:50
帰着。
DAY2
______
▼スタート前
(流れがほしい? という質問に対して)
「昨日は流れがないなかで巻く釣りをしていた。流れはみんなほしがってるでしょ。利根川で釣れるのは、流れ始め(流れが加速中)と、流れ終わり(流れが減速中)のタイミング」
「昨日釣ったのは、フラットフォースで2本。ハンチSRで釣った1770gは、水深1m未満で釣った」
______
▼利根川
6:18
利根川本流。圏央道の橋の上流、北岸。川のカーブの外側で、水制杭が何列もある。水位が低い。杭の間に、フラットフォースを通す。
「昨日釣った場所だけど、いちばん入りたい場所は、アオウオ釣りの人がいて入れない」 水制杭とゴロタ石をフラットフォースと、Dゾーンでチェックする。
6:43
十日川河口付近の千葉県側に水制杭。上流から4列目に入る。
フラットフォースを杭の周囲や杭の間の中層を通す釣りがメイン。
杭に絡んだブッシュカバーだけはバイズクローの6gテキサスリグか、ノイジークロー3.5in、6gテキサスリグで探る。
6:46
1尾目キャッチ、550g。フラットフォースを杭の列の上流側の外側の際に沿って引いてヒット。底のゴロタ石に軽くタッチさせて引いた。
クランクベイトの引き方は、①底に当てずに中層を引く。②底付近を引く(底に当たってもいいし当たらなくてもいい)。③底に軽くタッチさせて引く。
①〜③をその場の状況によって、いろいろ試す。
巻くスピードはギア比5.5のリールで、ハンドル10回転が4秒。
7:00
上流から4列目の水制杭を離れて、3列目に釣り進む。
7:16
2列目に入る。沖寄りの深い側はフラットフォース、岸寄りの浅い側はワイルドハンチSRを使う。
7:34
上流から1列目に入る。
7:50
下流に向かい、2列目に入り直す(2流し目)。
7:55
2列目の水制杭の沖側先端付近。フラットフォースを下流側のエッジに沿って引いてヒット。2尾目キャッチ、760g。
「2尾で1310g。なんとしてももう1本釣ってリミットをそろえたい」
8:07
3列目に入り直す(2流し目)。
8:18
4列目に入り直す(2流し目)。6時43分に入ったときから100分くらい経って、水位が上がっていた。流れはない。
8:42
3列目に入り直す(3流し目)。
反応はない。
「いかんな〜、移動したくなってきた」
9:01
圏央道の橋の上流、北岸(茨城県)。水制杭、ゴロタ石。朝イチ入ったエリア。アオウオねらいの人にプラスして、コイねらいの人が増えた。
杭とゴロタ石にフラットフォースを通す。
Dゾーンを岸際に投げて、消波ブロック帯の上の水面直下を引く。
9:15
神崎橋の下流、南岸(千葉県)の水制杭。水温15.2℃、朝より1℃くらい上がった。水深1mくらい。
「この浅さで食ってきたらでかい。10月末の気温でこの浅さにいられるのは屈強なバスだから」
9:37
石納エリア(北岸)の消波ブロック帯。フラットフォースをブロックの間に通す。
10:03
十日川河口エリアの水制杭。上流から4列目に入り直す(3流し目)。杭の間や周りにフラットフォースを通す。
10:10
3列目に入る(4回目)。杭の間や周りにフラットフォースを通す。水位は朝より10cm高くなっていた。流れはほぼなし。そして、反応もなし。
「昨日1.7kg級を釣った下流のストレッチに行くか、本日2尾釣ったこのエリアの杭をやり続けるか、考える」
10:44
下流に移動。佐原、会場対岸の消波ブロック帯。ワイルドハンチをブロック間に通す。
10:59
津宮沖の大きな沈木。フラットフォース、Dゾーン、テキサスリグで探る。
11:09
東関道下流、南岸(千葉県)。昨日1.7kg級を釣ったエリア。カーブの内側の遠浅、ドロ底のフラットな岸が続く。岸はアシ原、沖に杭、倒木などが点在する。水深1m未満なので、岸際へのキャストはDゾーン3/8oz。岸のブッシュカバーはテキサスリグ。沖の杭や倒木はワイルドハンチSRをキャスト。
「水温が上がる時間帯がチャンスのあるタイミング。1km以上流して、1回食うか食わないかの勝負」
12:22
一ノ分目排水機場前。
「ドロ底シャローを、2.2km、あえてダラ流ししてこの位置まで下ってきた。このあと長いストレッチの中間くらいに移動して、流し直す」
12:35
岸の倒木にワイルドハンチSRを投げてヒット。天高くジャンプしたバスは昨日の1.7kg級。しかし、痛恨のバラシ。シートに倒れ込む。
「必ずキッカーをバラシしてしまうんや!」
12:58
「水温が上がってきたので、もう1回チャンス(バイト)があるかもしれない」
気をとりなおして、上流に向けて、シャローを釣り上がった。
13:17
津宮沖の大きな倒木。
「ここで釣るぞ!」
ワイルドハンチSR、Dゾーン3/8oz、テキサスリグで探る。
13:30 帰着。
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Basser Allstar Classic2022 最終成績表