ダイワが新たにリリースした目玉のひとつが9年ぶりにモデルチェンジを果たしたベイトキャスティングリールのリョウガだ。ウェブサイトでは高い剛性と巻き上げのパワフルさ、そして巻き感度のよさがアピールされている。これらのメリットはどんな場面で生きるのか。それを教えてもらいに琵琶湖ガイドの長谷川耕司さんを尋ねました。
琵琶湖ガイド・長谷川耕司さんが力説する「巻き感度」のメリットとは
2018年、ダイワが新たにリリースした目玉のひとつが9年ぶりにモデルチェンジを果たしたベイトキャスティングリールのリョウガだ。メーカーのウェブサイトでは高い剛性と巻き上げのパワフルさ、そして巻き感度のよさがアピールされている。これらのメリットはどんな場面で生きるのか。それを教えてもらいに琵琶湖ガイドの長谷川耕司さんを尋ねました。
記者:siteB担当アライ
1988年生まれ。中学生のころバスフィッシングに出会い、現在では牛久沼など関東のマッディーシャローフィールドを中心にレンタルボートスタイルで釣りを楽しんでいる。身長は182㎝と恵まれているが体重は58㎏の虚弱体質。リールは軽いのが好き
1988年生まれ。中学生のころバスフィッシングに出会い、現在では牛久沼など関東のマッディーシャローフィールドを中心にレンタルボートスタイルで釣りを楽しんでいる。身長は182㎝と恵まれているが体重は58㎏の虚弱体質。リールは軽いのが好き
「巻き上げがパワフル!」と言われても……
皆さんこんにちは。つり人社siteB担当のアライです。
春を迎え、フィッシングショーでお披露目となった注目のリールたちが店頭に出そろってきましたね。私アライも物欲が刺激されまくりなわけですが、近年のベイトリールのトレンドを見ていると、軽量化を追求している系統と、剛性やタフさをアピールしている系統があるように感じています。そんななか、後者を支持するアングラーの熱い視線を受けてダイワからデビューしたのがNewリョウガです。
リョウガと言えば、2009年にミリオネアの跡を継ぐ丸型ベイトリールとして登場して以来、9年ぶりのモデルチェンジということでも注目を集めていました。
リョウガ
スペック▼
品名 | ギヤー比 | 自重(g) | 最大ドラグ力(kg) | ナイロン糸巻量(Lb-m) | ハンドル長さ(mm) | ベアリング(ボール/ローラー) | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1016-CC | 5.4 | 255 | 6 | 16-100 | 90 | 12/1 | 5万6000円 |
1016L-CC | 5.4 | 255 | 6 | 16-100 | 90 | 12/1 | 5万6000円 |
1016H | 6.3 | 255 | 6 | 16-100 | 90 | 12/1 | 5万6000円 |
1016HL | 6.3 | 255 | 6 | 16-100 | 90 | 12/1 | 5万6000円 |
1520-CC | 5.4 | 270 | 6 | 20-100 | 90 | 12/1 | 5万6500円 |
1520L-CC | 5.4 | 270 | 6 | 20-100 | 90 | 12/1 | 5万6500円 |
1520H | 6.3 | 270 | 6 | 20-100 | 90 | 12/1 | 5万6500円 |
1520HL | 6.3 | 270 | 6 | 20-100 | 90 | 12/1 | 5万6500円 |
一般的に丸型ベイトリールはボディーの剛性が高く巻き上げパワーに優れるとされており、琵琶湖ガイドの前田純さんはビッグクランクの高速巻きでの有効性をこちらの動画で力説しています。子どものこぶしほどもあるビッグクランクを苦もなく速巻きしているのはたしかにすごい!
ただ、正直に言えば、私にとってはあまり縁のないリールかな、と思っていました。なぜならホームレイクの霞ヶ浦や牛久沼では、バンクを効率よく撃っていく釣りがメインになりがちで、巻き物を使うにしてもコンパクトなスピナーベイトや小粒のシャロークランクがメイン。オカッパリ、ボートを問わずこのメリットが生きるのはごく限られた場面な気がします。
アライのホームレイクである牛久沼。巻くのに筋力が要求されるようなルアーをキャストするアングラーはごくわずか
それに、日々軽量化競争が進むベイトリール界のなかで255g(1016番サイズ)というちょっと重めの自重も私のようなヘタレアングラーからは敬遠されてしまうんじゃ……? もっとT.NAMIKI的なリールを推した方が……? といらん心配をしながら下調べを続けているときに見つけたのが長谷川耕司さんのインプレッション。
前田さんと同じく琵琶湖ガイドですが、ジョインテッドクローやスイムジグといったそれほど巻き抵抗の大きくないルアーでリョウガを愛用しているとのこと。今年はこれらのルアーが効く津久井湖などのリザーバーや河口湖のようなクリアウォーターで自分の経験値を上げたいと思っていたので、これはかなり気になる情報。
それに私と同じくガリ……もといスレンダー体型なのも親近感がわきました。いくらでも軽いリールがあるなか、敢えてリョウガをセレクトするにはそれなりのメリットがあるに違いありません! 早速、長谷川さんに取材をお願いしました。
「巻き抵抗が小さいルアーだからこそ巻き感度のリョウガ」ってどういうこと?
解説:長谷川耕司さん
北湖をメインに20年以上のキャリアをもつ琵琶湖ガイド。現在ではルアーブランドのボレアスとUKSの代表も務める。春先は日々の業務に加え、花粉とも戦う毎日を送っている
◆オフィシャルサイト
http://www.okubiwako.com/guide/
◆ブログ
https://ameblo.jp/okubiwako/
https://www.instagram.com/koji_hasegawa0726/
琵琶湖に到着すると忙しいスケジュールの合間を縫って長谷川さんが出迎えてくれました。長谷川さんと言えば、ジョインテッドクローに発売当時から注目し、琵琶湖での威力を広く一般に広めた人物としても知られています。
Basserでは2007年4月号で真冬のジョインテッドクローの釣りを取材させてもらっています。タックルにセットされているリールはミリオネア。このころからダイワの丸型ベイトリールを愛用しているのですね
おはようございます! 今日はどんな釣りを見せてもらえるのか楽しみです。
今日はリョウガの取材と聞いていますが、いつもこの時期にやっている釣りをそのままお見せしますよ! 具体的にはリップレスタイプのビッグベイト(ダヴィンチ190、ジョインテッドクロー178)とスイムジグをレンジ別にローテーションしながら巻いていく釣りです。
3本のタックルにセットされているのはすべてリョウガですね。巻き上げにパワーが必要なルアーではなさそうですが、敢えて重いリョウガを合わせている理由があるんですよね!?
ダイワの丸型ベイトリールはカッコいいから好きなんですよね~。
「ロープロと違って、丸型はちょっとしたキズがついてもそれが味になる気がします」と長谷川さん
えっ! カッコよさのためには重さは我慢しろと……?
ふふふ、もちろんそれだけじゃないですよ。リョウガの性能で気に入っているのは巻き感度がいいことです。わかりやすい例では、ウイードエリアの釣り。フックにウイードの切れ端が掛かってしまうようなわずかな巻き抵抗の差も感じとることができるんです。クランクベイトのようにアクションしながら泳ぐルアーならその動き自体が変わるのでわかりやすいですが、ジョイクロはそうではありませんよね。だから、巻き抵抗が小さくてノー感じになりやすいルアーこそ巻き感度を重視しています。
ウイードが引っ掛かったままリトリーブしてもバスは釣れませんもんね。いち早く振りほどいたり回収したりできれば効率よく釣りができそうです。
スイムジグなんかはボトムやウイードにコンタクトさせながら巻くんですが、底やウイードの質が変わるとすぐにわかります。巻いていて岩がゴツゴツしているスポットにルアーが入れば「釣れそう!」と感じますから集中力が続きます。
なるほど。でもボトムのゴツゴツはほかのリールでも感じられるような……?
それはもっともな疑問だと思います。今日は実際にハードボトムのエリアに行って感度を体験してもらおうと思っていますので楽しみにしておいてください。とはいえ、せっかく琵琶湖まで来てもらったので、まずは北湖のバスを見てもらいたいですね。朝イチのいい時間が終わってしまう前に出船しましょう!
よろしくお願いします! 見せてもらおうか、18リョウガの実力とやらを!
前アタリとともにやって来た北湖の55㎝
イシヅカマリンを出発した長谷川さんのレンジャーは進路を北に向けて20分ほど全力疾走。やって来たのは外ヶ浜エリアの浚渫跡です。
ここは、数釣りは期待できないですがビッグフィッシュが釣れる可能性が高いエリアです。出れば3㎏がアベレージ。ただ、南の強風が吹くと釣りができなくなってしまう場所で、まさに今日はお昼ごろから強風の予報……。朝のうちに釣っておきたいんですよ。
ここが外ヶ浜の浚渫エリア。ご覧のとおり、ほぼ海! 「南の強風が吹いたら居ちゃいけないエリアです」
ひぃ! 北湖が荒れるとめちゃくちゃ危ないって聞いています。安全第一でお願いします。ところで今日の釣りでねらうのはどういう状態のバスなんですか?
ずばりプリのバスです。例年この時期(取材日は4月11日)の北湖ではまだ産卵は始まっていないですが、その前段階のバスが浚渫跡のブレイクなどについています。ゴールデンウイークごろになるとスポーンが始まってアフターの個体も増えてきますが、北湖のすべてのエリアですべての個体が一斉にスポーンに突入するわけではないので、7月ごろまではプリとアフターが混在する状況が続きます。だから今日と同じ考え方でプリバスを探す釣りも初夏まで有効です。過去にはこんなバスも釣れていますよ!
上からダヴィンチ、ジョイクロ、モザイクジグによる釣果
ダヴィンチもジョイクロもスイムジグもみんなナイスコンディションのビッグバスですね! この3種はどう使い分けるんですか?
泳がせるレンジ別ですね。ダヴィンチは水深1~1.5mの中層担当。ジョイクロは板オモリを貼ってファストシンキングにチューンしたもので最大5mまでを巻きます。スイムジグは2~5mのボトムにコンタクトさせながら巻くという感じですね。
ダヴィンチ190(エレメンツ)
190㎜、2oz、フローティングジョイクロと同じくジョイント構造のリップレスビッグベイトだが、水を噛んでアクションするタイプ。ラインアイがふたつありそれぞれアクションが異なるが、長谷川さんは鼻先にスナップをセットし水深1~1.5mを泳がせる。「ロッドはしなやかなグラスコンポジットモデルを使ったほうが釣れるアクションが出せる気がします」と長谷川さん
ロッド:ブラックレーベルプラス721HRB-G
リール:リョウガ1520H
ライン:モンスターブレイブZ 16Lb
ジョインテッドクロー178(ガンクラフト)+SVガード(UKS)
178㎜、2oz、スローシンキングS字系ビッグベイトの定番。当日は板オモリを貼ってファストシンキングにしたものを多用し、ダヴィンチより一段下のレンジを引いた。アゴにセットされているのは長谷川さんの新ブランドUKSの「SVガード」。これによりボトムにタッチさせながら巻くことも可能
ロッド:スティーズ721HFBウェルズリー
リール:リョウガ1520H
ライン:モンスターブレイブZ 14Lb
モザイクジグ1/2ozまたは5/8oz(ボレアス)+テンスイ(ダイワ)
ヘッド先端から斜め上にのびた「アームアイ」が特徴的なスイムジグ。この構造によって重心が低くなり安定した泳ぎを実現している。水深2~5mのハードボトムにコンタクトさせながら、リーリングでズル引きするイメージで使うロッド:スティーズ721HFBウェルズリー
リール:リョウガ1016H
ライン:モンスターブレイブZ 14Lb
クランクベイトやスピナーベイトは北湖では使わないんですか? 普段、霞ヶ浦や牛久沼で釣りをしている僕としてはこっちのほうがわかりやすくて記事にも書きやすいんですが……。
それらのルアーはちょっとキビシイですね。水質がクリアな北湖では波動の強い巻き物は見切られることが多いですよ。だからこそジョイクロのようにシルエットは大きくても波動のナチュラルなルアーの出番が多くなるんです。
……と解説をしてくれながらダヴィンチをキャストする長谷川さん。水深3mから10mまで一気に落ち込む浚渫跡のブレイクで、深い側にボートポジションを取り、等深線を斜めにクロスするリトリーブコースで巻いているようす。ひと流しが終わり、ボートを浅い側へ移動。今度は深い側から浅い側へ通すコースに変更。その数投目で長谷川さんが大きくアワせた!
……!! きたッ! デカいよ!!
おっ、おっきぃいいい!!
中層を泳ぐダヴィンチを襲った55㎝、3.3㎏! ちなみに水温は10.5℃
ヨシ! ねらいどおりに釣れました!
すごい太さ! これが北湖のプリの魚!
今はバイトが出る前に、コンッコンッとじゃれつくような前アタリがあったのがわかりました。これもリョウガの巻き感度が生きていると思います。
そうだったんですか! いきなりバイトが出るとびっくりしてしまいますけど、前アタリで気配を感じられると心の準備ができてアワセが決まりやすそうです!
そうですね。いや~、それにしても朝イチに結果が出てよかった! もう風も出てきましたし。
わわ、すでに結構ザブザブですよ!
風裏に移動して巻き感度を体験してもらいましょう。
【リョウガ・インプレ】ほかのリールより、ボトムの質感がクリアにわかる!
水深1.5mにハードボトムが広がるエリアまで移動してきた長谷川艇。ここで2本のタックルを渡されました。1本はリョウガ1016H、もう1本はロープロタイプのタトゥーラ100H-TWがセットされています。ロッドもラインも同じで、さらにこの2台はハンドル1回転の最大巻き上げ長(67㎝)とハンドル長(90㎜)が同じスペックです。
この2本のタックルを使って、スイムジグをリーリングでズル引きしてみてください。ロッドとラインの角度は150°くらいにして、ボトムに軽くスタックしてもこのくらいのスピードで巻き続けてくださいね。
では、まずタトゥーラからどうぞ。
……あのー、言いにくいんですがリョウガでなくてもわかります……。ボトムの感触がリールのハンドルまで伝わってきて、起伏にゴツゴツ当たっているのがわかります。
それで大丈夫ですよ。では、今度はリョウガでどうぞ!
……あ!! はっきり違いがわかりますよ! 同じようにゴツゴツ当たっていますが、リョウガだと手に伝わってくる振動がよりクリアというか、輪郭がはっきりした感触です! タトゥーラでもボトムのようすはわかりましたが、リョウガと比べてしまうとモヤがかかったような感触です。
そうですよね。同じ釣りでもリールによって巻き感度が変わるという実例です。
たとえるなら、今まで軍手をしてボトムをなぞっていたのが素手に変わった感じ。軍手を着けた状態しか知らなかったからそれで満足しちゃっていたんですね。
そのくらいリョウガのほうが水中をイメージしやすいですよね。ただ、レベルワインドは可変しないタイプなので、キャストの飛距離はTWS搭載機にゆずる部分があります。なので、自分がリールに何を求めるのかをはっきりさせたうえで選ぶのがいいと思います。
自分がどんな性能を重視するのかが大事ですね。
とはいえ、リョウガでもボートからの釣りで飛距離に不満を感じたことはないという。G1ジュラルミン製マグフォースZスプールの恩恵だ
私の場合、やっぱり巻き感度は無視できないのでリョウガ一択です。ちょっとマニアックな話になりますが、スイムジグはボトムをズル引くだけでなく、水深10mレンジの何もない中層を引いてくることもあります。水中で水がヨレているスポットにルアーが入ると微妙に抵抗感が変わるのがわかります。こういった変化を感じることで集中力を保って釣り続けられるんです。
レンジもテクニックもディープな話ですね……。自分には想像もつかない世界です。でも、たしかにそういった水中の変化があるところにはバスがいそうです。リョウガを使えば僕もその変化を感じることができるんでしょうか?
うーん……、さすがに初めての人がいきなり感じるのは難しいかもしれません。ひとつ言えるのは、ここまで来るとリールだけでなくタックル全体を含めたバランスが感度にも関わってくるので、適した道具を選ぶのが近道になるはずです。この釣りに関していえば、ロッドはファストアクションのヘビーパワーで、張りの強いティップを備えたロッドがいいですね。私はスティーズ・ウェルズリーを使っています。
やっぱりプロとして活躍している人は、僕とは次元の違う部分でメリットを引き出しているんですね。
そういえば、アライ君はスピナーベイトを巻くって言ってたね。ちょっとリョウガで巻いてみますか?
ぜひ!
使わせてもらったのはウォーイーグル・ダブルウイロー3/4oz
おおー! 丁寧にスローリトリーブすればリアブレードの振動が1回転ごとにわかります!
今巻いているのはウォーイーグル・ダブルウイローというモデルで、振動が弱めの部類です。
スピナーベイトの手練れたちの会話に出てくる「ブレードバイト」ってなんのことかわからなかったんですけど、こうやって常に回転を感じていれば僕にもわかる気がします!
この後は追加のバスを求めて釣りを続行したのですが、風裏をまわりながらの釣りはひと筋縄では行かず、そのまま終了時間を迎えました。
また、湖上ではリョウガ1016Hとタトゥーラ100H-TWで巻き抵抗の非常に大きな10XD(ディープクランク)の高速巻き比べもさせてもらいました。巻いている最中は予想通りのしんどさで、かなり腕(とくに二の腕の外側)に疲労がたまったのですが、リョウガだとこの疲労感が少ないということも実感することができました。
◆長谷川耕司さんによるリョウガの解説動画も公開されています!
18リョウガはなぜこんなにパワフルで感度がいいのか
琵琶湖から帰ってきた私アライは、リョウガがなぜこの巻き感度を実現できたのか、ダイワの技術者の方に質問をぶつけて教えてもらいました。
◆巻き上げのパワフルさについて
まずは、なぜパワフルに巻けるのかということから教えてください。
リールは巻き上げ時に負荷がかかるとわずかにひずみが生じます。このひずみが大きいとギアの噛み合わせがずれてしまったり、パーツ同士の摩擦が増えてしまったりして抵抗が大きくなってしまうんです。
剛性を高く設計してひずみを小さく抑えることでハンドルを回す力が効率よくスプールまで伝わるということでしょうか?
その理解で大丈夫です。リョウガのボディーは現段階での一番強い素材を用いた「超高剛性高精度マシンカットスーパーメタルハウジング」で構成されており、高い剛性を確保しています。
超高剛性高精度マシンカットスーパーメタルハウジング
ハンドルの強度もアップしているそうですね。
はい。今回新規に設計した鍛造アルミハンドルは今までより2倍近い強さをもっています。その分重いですが、巻き上げ時のゆがみを大幅に軽減することに成功しました。
新しく搭載されたハイパーメッシュギアにはどんな効果があるのですか?
従来よりも歯面を細かくすることで噛み合いの接地面積が1.5倍になっています。この点も効率よく力を伝えることに寄与しています。
ハイパーメッシュギア
ただ、性能は歯車だけで決まるわけではなく、強固なハウジングがあってのものです。こういったトータルのシステムによって、より効率よく力を伝え、滑らかかつパワーのある巻き感を実現しています。これらの機能を「ハイパーメッシュギアシステム」と呼んでいます。
◆巻き感度について
そういった設計上の努力が巻き感度のよさにもつながっているのですか?
はい。剛性が高く巻き上げ時のひずみが小さいということは、ボディー内部で生じる抵抗≒ノイズを極力排除することができ、それがクリアな感触につながっています。
歯車同士の接触面が増したハイパーメッシュギアも、ラインからの振動を明確に伝えてくれそうですね。
そのとおりです。加えて、新しいリョウガはパーミング側のサイドプレートを小型化かつ薄く設計しています。これは手の中にしっかりと収まることで少しの振動も逃がさないという考えです。さらにレベルワインドにSiCラインガイドを採用しています。従来の樹脂素材よりも硬い素材を使うことで振動を明確に伝えるねらいで採用したものですが、このように細かいところまで感度をアップするための工夫を詰め込みました。
取材を終えてみて、リールの巻き感度が生きる場面はリーリングを主体とする釣り全般であると感じました。私がホームレイクで使うとすれば、ずばりスピナーベイト用。ブレードバイトを察知できればモチベーションも上がりますし、カラーチェンジなどでヘッドへのストライクを促すなど次の一手につながります。
「パワーゲーム用?」と思われがちなリョウガですが、決してそれだけではありません。巻き感度にメリットを感じるアングラーはぜひチェックしてほしいと思います。
取材協力:イシヅカマリン
〒524-0201
滋賀県野洲市吉川1645-3
http://www.lakebiwa.net/ishizuka/
◆こちらも要チェック!
b_01_27daiwa BASS公式YouTubeチャンネル「Ultimate BASS by b_01_27daiwa」では、プロスタッフによる解説や実釣動画が続々公開中!
◆提供=グローブライド
2018/04/26