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編集部2017年5月25日

斉藤真也×亀山湖 「本気食い」をねらうフロッグゲーム :第1回

Basser バス釣り

「いかに本気食いさせるかがフロッグゲームのカギ」と話す斉藤真也さんに、フロッグの魅力と求められる技術を教わりました。 バス釣りの専門誌バサーが、バス釣りのテクニックから道具、試合の最新情報、初心者のバス釣り入門までバスフィッシングのすべてを公開しています。

キャストは奥の奥をねらう

Basser編集部=写真と文

いかに本気食いさせるか。
それこそがフロッグゲームのカギであり、ロマンだ。
亀山湖でフロッグのロマンを求め続ける男、斉藤真也さんはそう断言する。
フロッグの魅力と、求められる技術とは?


dsc_0004 ●斉藤真也(さいとう・まさや)
1981年生まれ。千葉県出身。千葉県市原市にあるプロショップ「オンリーワン」に勤務するとともにO.S.Pのプロスタッフを務める。2004年の房総チャプターで年間ランキング1位、高滝湖や亀山湖で開催されるローカルトーナメント「SINZANKAI」で優勝多数。2010年JB霞ヶ浦年間優勝。 2015年NBCチャプター茨城第2戦優勝。2014 Kota’s American Dream優勝。

この記事は2011年8月号に掲載されたものを再編集しています。

斉藤さんを変えたフロッグの魅力


 今では亀山湖や高滝湖のフロッグ使いとして名を馳せている斉藤さんだが、フロッグとの出会いはさほど昔のことではないという。O.S.Pより届けられたサンプル段階のダイビングフロッグを試しに使ってみたのが始まりだという。それまではテキサスリグやラバージグをメインにしたカバーの釣りを得意にし、実際そうした釣りでNBC房総チャプターの年間1位を獲得したり、ローカルトーナメントで何度も優勝してきた。が、その間はまったくと言っていいほどフロッグは使っていなかった。

 それが今や、ほぼ周年フロッグを投げ、房総のリザーバーに限らず、2010年から参戦しているJB霞ヶ浦シリーズにおいてもフロッグは欠かせない存在になっている。しかも、今回のロケ地である亀山湖においてはもっとも多投するルアーがフロッグだという。フロッグの魅力とはなんなのか。

「何たって、ドーン!って水面が割れる瞬間ッスね。バスが本能丸出しでバイトしてくる本気食い。あの瞬間を見るためにフロッグをやっているようなものです。もちろん、楽しさ以外の理由もあります。フロッグで釣れるバスはアベレージサイズがデカい。亀山湖でいうと、ほかの釣りだと30cmのところが35cmになる実感があります。トーナメントで、上位に食い込むための魚に出会うためには欠かせません。バイト数の多さも魅力ッスね。冬の亀山湖でとあるストレッチを流していたとき、テキサスリグでひと流ししたときは無反応だったのに、フロッグで流し直すとバンバン出たことがありました。カバーについたバスの目線が上を向いているときは、フロッグはオンリーワンなルアーです」

本気食いと興味食い


 フロッグのバイトには「本気食い」と「興味食い」の2種類あるという。「本気食い」はバスがルアーをエサだと認識してのバイト。バスが思いっきり口を使ってくれるので乗ってくれる。「興味食い」は「ルアーが気になってつついてみる」感じのバイト。バスがあまり口を開けないため、たとえ乗ったとしてもバラシが多い。斉藤さんの経験では、「興味食い」では充分に送り込んで遅アワセをしても乗らない場合が多いという。

 「バスを『本気食い』させることができれば8~9割の確率でフッキングまで持っていけますが、『興味食い』になると1~2割まで落ちちゃいますね」と斉藤さん。もちろん斉藤さんが求めるのは『本気食い』のバス。どうすればバスを本気にさせることができるのだろうか。その秘訣を今回から3回に分けて解説してもらうことにしよう。

キャストの重要性


dsc_0612 ねらうのは奥の奥。岸と水との境界線。「岸にぶつけてから着水させるイメージでいいですよ」と斉藤さん

 カバーやオーバーハングの奥に低い弾道でフルキャストし、1度岸や岩盤にぶつけ静かに岸ギリギリ落とすことが、バスに「本気食い」させるための最初のプロセス。静かに落とすのは、着水音が大きいとバスが音にビビり、散ってしまうためだ。岸ギリギリに落とすことによって、バスが岸にフロッグを追い詰めて捕食しやすいようにして「本気食い」を誘うのだ。岸から離れたカバーやストラクチャーは無視する。先行者に撃たれていることが多く、ナーバスなバスが多いためなかなか「本気食い」を拝めない。

dsc_0007 斉藤さんはレンタルボートにお手製のハイデッキを取り付けている。7ftのロングロッドを振り抜きやすくなるとともに、ティップを下に向けてのロッドワークも行ないやすい。見通しもよくなる

 斉藤さんはタラシを長め(50~60cm)にとり、下から上に孤を描くようにフルスイングでサークルキャストする。重要なのはロッドを振りぬくときの勢い。ブランクの反発力を利用するというよりも、シャフトスピードと遠心力をフル活用してルアーをロングキャストする。

斉藤さんのサークルキャスト dsc_0193タラシを50~60cmと長めにとる。ティクバックは勢いをつけて行なう

dsc_0194下から上へ向けて振り抜く。着水後はキャスト完了時のティップの高さのままアクションを開始させる

dsc_0112オーバーハングと水面の隙間が狭いときはしゃがんだり中腰になったりしてキャストする


 後ろにロッドを引くとき(テイクバック)も勢いよく行なうのがコツだ。そうすることで飛距離がより伸び、低い弾道でオーバーハングを撃ち抜くことができる。

 キャスト時に「下から上に弧を描く」のはルアーをまっすぐ飛ばすため。低い弾道にすることを意識すると、「水平」または「上から下」になりがちだが、それだとルアーが飛行中に左や右に逸れてしまう。

 力強いキャストにはバックラッシュの危険がつきまとうが、それに対し斉藤さんはどのように対応しているのだろうか。「スティーズ103HLの場合、マグネットブレーキは5.5に設定しています。メカニカルブレーキはバックラッシュしない範囲で緩めに設定すればOK。締めすぎるとキャスト時のルアーの勢いを殺しすぎてしまい、ルアーが奥に入らなくなります。ちなみに僕はスプールがカタカタ揺れる1段階前に設定しています。サミングもスプールの真ん中をただ押さえると強くかけすぎてしまうため、スプールの脇へ親指の脇腹でかけるのがコツです」と斉藤さん。

dsc_00403 dsc_0061 dsc_0058サミングするのはスプールの端。斉藤さんの親指の脇腹が黒くなっているのはサミングのしすぎのため。アングラーの勲章だ

dsc_0541サイドからのサークルキャストがほとんどだが、接近戦のときはピッチングすることも。写真のように、キャスト前からロッドを曲げ、その反動を利用することでルアーに勢いをつける

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2017/5/25

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