マキマキメソッドを得意とする「マッドワグ」に、8inと11inのロングモデルが追加された。
ウイードに掛からない。隠れない。フリーリグと好相性なロングカーリー
Basser編集部=文
ノーシンカー状態でも食わせるために
マキマキメソッドを得意とする「マッドワグ」に、8inと11inのロングモデルが追加された。
この「マッドワグロング」は、琵琶湖などのウイードレイクで定番とされる、ロングカーリーを用いたテキサスやフリーリグでの使用に特化させたモデル。
ロングカーリーが多用される理由は、ウイードの中でもしっかりとした存在感が出せるからだ。長さのあるワームを使用すれば、シンカーやボディーの前方がウイードに埋まってしまっても、ボディー後方やテールは隠れずにバスにアピールすることができる。
マッドワグロング
内径部に厚みを持たせた水噛みのよさが特徴のテールは、オリジナルモデルよりも幅を細くすることでより少ない抵抗でもアクションする。型が崩れないよう、販売時はテールとボディーがファクトリーロックで繋がっている。推奨フックサイズは8inが#2/0~4/0、11inは#4/0~5/0。8inは7本入りで620円+税。11inは6本入りで620円+税
では、マッドワグロングはどのようなことにこだわってデザインされたロングカーリーなのか。ケイテックの馬路久史さんに話を伺った。
「まず、マッドワグロングはマッドワグをただ長くしたものではありません。8inや11inモデルのボディーやテールは、オリジナルの7inよりもむしろ細くなっています。
オリジナルのマッドワグは、シンカーを固定した状態でのテキサスリグのマキマキ(ただ巻きのスイミング)を想定したワームでした。つまり、横方向に引いているときも、縦方向にフォールさせるときも、ワームが常に何かに強制的に引っ張られている状態を前提にしていたわけです。そのためテールには太さと厚さがあり、リーリングやフォール時にだらんと伸びきらず、強い復元力でしっかりと水を掻くデザインでした。
それに対し、新作のマッドワグロングはフリーリグやシンカーフリーのテキサスリグでの使用がメイン。つまり、フォール時はシンカーが先行して落ちていき、シンカーが着底した後、ワームはノーシンカー状態になるわけです。その瞬間から着底までの間に、よりわずかな水流にも反応して自発的に動き、フリー状態でもしっかり食わせのアピールができるよう、ロングモデルはボディー、テールともに細身になっているのです。
難航したのはテールのデザインでした。テールを僅かな抵抗でもアクションさせるには、薄くするのが一番手っ取り早いです。しかし、それでは水を逃がしてしまい、ただ『なびいている』だけで水を掻いているとは言えません。マッドワグの長所である強い水掻きを殺さずに、それでいてわずかな抵抗でもアクションするテールにするため、ただ薄くするのではなく、内側に厚みは持たせたまま、幅を細くすることでふたつの要素を両立させることができました」
マッドワグロングは、先行したシンカーが着底した後は水平姿勢になり、水に揉まれるようにスローフォール。そして着底後のステイでも湖流などにボディーが反応して動きやすいため、30秒ほどのロングステイでバイトが出ることも多々あるという。
ウイードをすり抜けるデザインの妙
マッドワグロングには、より快適にウイードを攻略するためのアイデアが盛り込まれている。
まずはヘッドの形状。キノコ状に三角形になったヘッドは、フックのクランク部をカバーし、スリ抜け性能を向上。さらにフックをセットするハチマキ部はボディー後方に向かってテーパーしており、フックポイントを隠しやすいように設計されている。
ただ既存モデルをなぞったサイズ展開をするのではなく、そのサイズのワームがどのような使われ方をし、そのためにどのような特徴を持たせるべきかをイチから考え、アップデートする。このあくなきワーム開発への姿勢が、ケイテックをケイテックたらしめているものではないだろうか。
ケイテック
2018/8/9