ワームの中央付近にフックをセットし、ヘッドにネイルシンカーを挿入するネコリグ。ワームの可動域が広く艶めかしいアクションが出せるうえ、水押しによるアピール力も強い。シンカーウエイト次第では素早いフォールでリアクション要素も加えられ、中層からボトムまで攻略できる万能リグだ。
根掛からないのにフッキング良好なウイードレス・ネコリグフック
Basser編集部=文
WORM128 NKフック
#5、3、1のサイズ展開。
#5、3は5本、#1は4本入り。350円+税
ストレートフックとオフセットフックの融合
ワームの中央付近にフックをセットし、ヘッドにネイルシンカーを挿入するネコリグ。ワームの可動域が広く艶めかしいアクションが出せるうえ、水押しによるアピール力も強い。シンカーウエイト次第では素早いフォールでリアクション要素も加えられ、中層からボトムまで攻略できる万能リグだ。ここ数年ではベイトリールをはじめとするタックルの進化で、カバーやオダなどの障害物をネコリグで撃つようなスタイルも浸透し、さらに活躍の場が広がってきた。
今回紹介する「NKフック」は、高いスナッグレス性能とフッキング性能を両立すべく開発されたネコリグ用フックだ。
このフックの特徴はどのようなものなのか。デコイブランドを扱うフックメーカー「カツイチ」の代表であり、開発の指揮をとった中川宗繁さんに話を伺った。
「このフックは、ワームキーパーが付いていながらフックポイントは一回出してから再び埋め込むタイプで、ストレートフックとオフセットフックの中間のようなセット方法です。開発のスタートは、オフセットフックのようにハリ先を埋め込めるネコリグ用のフックが欲しいというところからで、プロスタッフである菊元俊文さんからそのような意見をもらっていました。
もちろん多くのプロスタッフの方たちには開発に協力してもらったのですが、誰かに一任するのではなく、異なるスタイルや好みを持つアングラーの声を吸い上げて、よりよいものを作ろうと思いました。ネコリグの使い方は個人差が大きく、開発は大変でした。
たとえば、足もとやピッチングで届くような距離でネコリグを使うのか、ある程度のディスタンスを取るのかといったことや、セットするワームはストレートタイプなのかクロータイプなのかなど、そのスタイルは実にさまざま。どんなタイプのネコリグにも対応できるよう試行錯誤を重ねた結果、このフック形状にたどり着きました」
ワームキーパーでしっかりワームをホールドし、フックポイントを埋め込める設計で高いスナッグレス性能を誇る。フックのズレにくさという点においては、オフセットフックを上回るだろう。そうでありながらも充分なゲイプ幅があるので、フッキングの際はワームがしっかりズレてフックポイントが飛び出し、すっぽ抜けを軽減できる。
「シルキーコート」と「ゼロポイント」でロングディスタンスでも容易にフッキング
高いフッキング性能の理由はそれだけではない。このフックをよく見てみると、フックポイントがラインアイに向いていることがわかる。この形状はフッキングパワーが最もハリ先に伝わりやすく、アユ針やジギングフックでは「ゼロポイント」と呼ばれている。さらに、表面に施されたフッ素コーティング「シルキーコート」との相乗効果で軽い力でもフッキングが決まるようになっている。
「フックポイントがラインアイに向いていると、一般的には口の深い位置でのフッキングがしづらいと言われています。しかし、このフックはフッキング時にハリ先が飛び出しやすいので比較的口内の深い位置でハリ先が立ちますし、そうでなくてもバスの上アゴ先端のもっとも硬い部分を貫通していることが多いです。ルアーとのディスタンスがある場合のフッキングもしっかり決まるので、その貫通性能の高さを体感してほしいですね」
アングラーに選択肢を残した多彩なセッティング
このフックには、販売時にひと袋につきふたつずつオープンスイベルが付属している。ウイードレス・ネコリグは回収時にルアーが回転しやすいが、スイベル使用すればイトヨレを大幅に軽減できるからだ。最初からセットされていない理由は何なのか。
「スイベルが必要だという意見といらないという意見があったので、選択肢を残すためにこのような販売形式を選びました。回収の距離が長いとどうしてもワームが回転しやすいのでスイベルの装着をオススメしますが、フックに直接ラインを結んでダイレクトにリグを操作したい人や、近距離で使う人には不要な場合が多いですから」
またフックのラインアイをネイルシンカー側に向けるパターンとワームのテール側に向けるパターンの両方を想定して開発されているのも大きな特徴だ。前者はボトムとフックの距離が離れるためスナッグレス性能が高く、後者は重心がシンカー側に寄るため、フォールスピードを上げたいときに有効だ。
開発に携わった蛯原英夫さんは以下のようにコメントしている。
「とにかくフッキング性能に優れていて、根掛かりが少ないフックです。僕がホームとする霞ヶ浦に多いキンチャク(ゴロタを網で包んだもの)もガンガン攻められますし、ガツンとアワセなくても巻きアワセでフッキングできてしまうくらい貫通性能も高い。通常のネコリグでは根掛かりしてしまうようなシチュエーションで使ってください」
すべての番手にオープンスイベルが付属している。ラインアイにかしめて使えば、イトヨレを軽減できる
カツイチ
2017/4/26