釣行シュミレーションとして、このフィールドで、こんな条件で雨が降ったら? という状況を編集部が設定し、手練れのアングラーに解説をお願いしました。 今回は5月末の小雨の牛久沼での釣り方を蛯原英夫さんに解説してもらいました。
蛯原英夫さんがシミュレーション
蛯原英夫=文
Basser2015年6月号掲載の「Fishin’ in the Rain」特集のなかから「THE RAINY STRATEGY」をプレイバック。釣行シュミレーションとして、このフィールドで、こんな条件で雨が降ったら? という状況を編集部が設定し、手練れのアングラーに解説をお願いしました。
今回は5月末の小雨の牛久沼での釣り方を蛯原英夫さんに解説してもらいました。
解説=蛯原英夫(えびはら・ひでお)
〝霞ヶ浦の剛腕〞の異名をもつW.B.S.選手。同団体の主要タイトル(AOY、クラシック、スーパー3デイズ)をすべて制しているグランドスラマー。ゼロダンやフロッグなどによるシャロー攻略を釣りの主軸としている。Basser2012年8月号にて、今回のシュミレーションと同じ季節に開催された「第3回レンタルボートスターウォーズin牛久沼」ウイナー
釣行シミュレーション
日程:5月29日
釣行時間:6:30~17:00(レンタルボートを使用)
3日前からの天候:3日前、晴れ。2日前、晴れ。前日、曇り
当日の天気:出船時(6:30)の天気は晴れ。8:00から曇りはじめ、正午から雨
雨の強さ:シトシト降る小雨(1時間に0~1㎜)
当日の風向き:南の風1m
水位(出船時):6.1m(牛久沼湖面観測所水位/平水位)
水色(出船時):平常のマッディーウォーター
日程:5月29日
釣行時間:6:30~17:00(レンタルボートを使用)
3日前からの天候:3日前、晴れ。2日前、晴れ。前日、曇り
当日の天気:出船時(6:30)の天気は晴れ。8:00から曇りはじめ、正午から雨
雨の強さ:シトシト降る小雨(1時間に0~1㎜)
当日の風向き:南の風1m
水位(出船時):6.1m(牛久沼湖面観測所水位/平水位)
水色(出船時):平常のマッディーウォーター
5月の牛久沼
牛久沼周辺ではゴールデンウイーク近辺に田植えが一斉に始まるため、それまで満水状態だった水位が一旦落ちる。それが、また満水に戻るのが5月半ばだ。それ以降は田植えに伴って入った濁りも徐々に落ち着いてくる。
ちなみに濁りは敬遠しがちな要素だがヤル気のあるバスが動くタイミングでもある。濁りとともに牛久バスの主食であるザリガニが動き出すからだ。早めに産卵を終えたデカバスのほとんどが、ザリガニを捕食する。だから自分の場合は5月の牛久ではザリガニがいそうなエリアをねらっていくんだ!
その際たるスポットが水門周り。田んぼに繋がっているためザリガニが多く供給されるうえに、水が動くことでベイトフィッシュも集まりやすい。雨天時に限らず、自分がここぞと思う水門にはタイミングを見て何度も入り直す。
牛久沼は豊富なベジテーションと遠浅な水深が特徴のマッディーシャローレイク。雨の影響によるねらうべきレンジの変化は限定的で、カバー、シェード、バスの位置関係が天候変化に対処するキーになる
晴れ間はシェードを重点的に
さて、釣行当日の朝、晴れている時間帯はカバー際のシェードをねらう。とくにアシ+ガマなどのように複合エリアを重点的にねらいたい。ダブルモーションの7gゼロダンでカバーの密度の濃い所、シェードがしっかりとできている場所を撃つ。
カバー際スレスレに落とし、バイトがなければ2、3回ボトムバンプさせてからピックアップする。牛久沼はマッディーシャローレイクなので波動の強いワームに実績が高い。アシのエグレなどに入ったバスや少し離れた場所にいるバスにアピールできて効率がよい。重要なのは、手抜きせずに撃つこと。どれだけ丁寧にアシ撃ちをするかだ。自分が少しでも気になった場所はスルーせずに全部撃つことを心がけたい。
晴れの時間帯に忘れてはならないのがウッドカバーやブッシュ。しっかりとしたシェードを作るため、より多くのバスを引き付けるからだ。経験上ウッドカバーでよく釣れる時間帯は太陽が真上に昇り、シェードが濃くなるお昼前後だ。シミュレーションでは晴れ間が除くのは朝の時間帯だが、もし晴れの時間が続くなら正午ごろまで丁寧に撃ちたい。
雨はトップにねらいを絞る
そして午前8時、曇り出した時間帯は試したいルアーが一番多くなる。このタイミングは、晴れていたときにシェードについていたバスが、少しずつ動き出すのだ。アシのエグレやシェードに潜むバスとパラアシ周辺を動きまわる2種類のバスが存在することを意味する。
パラアシ付近をフラフラしているバスを撃ち物で探すには効率が悪く、時間がかかり過ぎる。パイロットルアーの出番だ。D-ZONE1/2ozダブルウイロー(スピナーベイト)やコンバットクランク60またはシャローホグ(シャロークランク)で効率よくサーチしていく! ハードルアーが通せない場所にはゼロダンなどを撃ち反応をみる。南の風ということは、状況的には湿気があって少しジメッとした感じなのでトップウォーターも有効になる。
そして正午ごろ、雨が降ってきたところでトップウォーターに絞り、コンディションのいいバスをねらいに行きたい。ターゲットは活性が上がってウロウロしだすバスだ。
スピナーベイトを引いていたシチュエーションではバブルトルネード1/2oz(バズベイト)で表層をチェック。カラーはローライトでも見やすい派手系をチョイス。ゼロダンで撃っていたカバー周りはキッカーフロッグやポッパーフロッグで徹底的に攻める。
トップ1本に絞るのは、この時期にトップに食ってくるバスはスポーニングからの回復が早い体力のある魚だからで、グッドコンディションのバスをねらって釣れるからだ。雨が降る前にいろんな釣り方を試したのは、トップの釣りを見据えて、バスのポジションを見極めておく意味合いもある。曇りのうちにバスの反応があれば、釣りに自信がもてて「よし、やってやろう!」と1発ねらいにより集中できるからね。
イチ推しルアーはこれ! キッカーフロッグ(エバーグリーン)
フロッグはそのスナッグレス性を生かして、岸際にベジテーションが豊富なフィールドで使うトップウォーターとして適している。蛯原さんが愛用するのはフロッグのなかでフックアップ率が高いキッカーフロッグ。カラーは自分が「釣れそう」と自信をもてるものでOK
ロッド:コンバットスティック・ヘラクレスHCSC-72Xスーパーエクスプロージョン(エバーグリーン)
リール:07メタニウムMg7(シマノ)+NRC710M(オフィスZPI”)
ライン:バスザイル・PEフリップ&フロッグ55Lb(エバーグリーン)
好評発売中のBasser2017年6月号。巻頭記事では、伊豫部健さんが牛久沼に初挑戦! 「バスの個体数は少ないが、出ればデカい」と言われる老舗レイクで、伊豫部さんが春を追い求めます。人気連載「オカッパリで行こう!」、「THE TAKE BACK」のほか、橋本卓哉さんや折金一樹さんによる5月の表層攻略法を紹介。実践すれば釣果に直結するヒントが満載です。特別付録の『fenwick Aces Concept Book』では、フェンウィックの新たなフラッグシップ「Aces(エイシス)」の全モデルをウエイト別のベンディングカーブとともに紹介。お見逃しなく!
2017/05/10