2先日公開した「プリスポーンのバスをねらうには? 沼篇」では、マッディーシャローと呼ばれる沼系フィールドでの春バスの動きを解説しています。 今回の記事では、牛久沼を例に挙げ、このフィールドに精通する西村嘉高さんに具体的な春の釣り方を教えてもらっています。
牛久沼での春バスの釣り方を西村嘉高さんが解説【3~4月】
Basser編集部=写真と文
先日公開した「プリスポーンのバスをねらうには? 沼篇」では、マッディーシャローと呼ばれる沼系フィールドでの春バスの動きを解説しています。今回の記事では、牛久沼を例に挙げ、このフィールドに精通する西村嘉高さんに具体的な春の釣り方を教えてもらっています。
この記事はBasser2013年4月号に掲載されたものを再編集しています。
解説=西村嘉高(にしむら・よしたか)
ニッチベイト代表としてスイムジグ「クランキンジグ」を手掛ける。W.B.S.に参戦していた経歴も持ち、グランドスラム達成(AOY、クラシック、スーパースリーデイズ)のほか同団体のレギュラー戦で優勝・入賞多数。
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牛久沼の越冬地は?
「春バスの行動学」を解説するには、まずは冬バスのポジションから辿っていくことが必要だ。
のっぺりと浅い牛久沼のどこでバスは越冬するのか……。私の考えでは2パターンが考えられる。
ひとつは、東谷田川や西谷田川、稲荷川のリバーチャネルだ。チャネルは水深が1.5~2m強と牛久沼ではディープと呼んでいいエリアで、結氷することが多いショアライン沿いのシャローと比べて水温が安定している。このチャネルにハードボトムやオダが絡む場所がA級の越冬地だ。
ほぼ全域が2mより浅い泥底のマッディーシャローで、東谷田川と西谷田川、稲荷川、本湖から成る。ガマやアシ、ハスなどの水生植物の豊富さは関東平野随一。バスの生息密度は低いとされるが、コンディションは素晴らしく、早春に釣れる太バスは「ブタバス」と称賛される。ハードボトムが多いのは、雨が降ると流れが出る各河川。とくに川幅の変化がある橋の周辺はハードボトムが多い。また細見橋や茎崎橋の上流にはワカサギが溜まりやすいフラットもあり、好条件が複合している。本湖はハードボトムが少ないが、水の動きが出にくいため濁りやすくワカサギがショアライン沿いに寄りやすい
ちなみに牛久沼のハードボトムの多くは、各河川で雨天時に発生する流れによってボトムが削られることで形成されている。ゆえに東谷田川でいうと茎崎橋、西谷田川でいうと細見橋周辺と、川幅に変化が出るエリアに多いのが特徴だ。
もうひとつは、水深を問わず「シェルター」に隠れているパターン。シェルターとは、枯れハスの根(ボトム上でクモの巣状に伸びている)やオダの隙間などで、流れが出たときに冷たい水からバスをブロックしてくれる。アシやガマの隙間も居心地はよさそうに思えるが、基本的に水深50cm前後と浅すぎるため結氷してしまい、また鳥にもねらわれやすいため、厳寒期に多くのバスが生活圏にする理由はないように思える。
バスがシャローに差すタイミング
1月、2月は結氷することが多い牛久沼の春、すなわちバスがシャローを目指すタイミングはいつ訪れるのか。
それは「バスのメインベイトが動き始めるとき」だ。
牛久沼の早春のメインベイトはワカサギとフナ。アメリカザリガニが本格的に現われるのは4月以降だろう(動き始めている個体もいるが)。
それぞれの動きを見ていこう。ワカサギが動き始めるのは2月中旬以降から。3月いっぱいにかけて、大潮前の若潮や暖かい日の雨による水温上昇時のタイミングで大挙して浅場へ押し寄せる。とくに本湖のシャローフラットや河川の上流部に差すことが多い。ワカサギは「濁り」もしくは「流れ」に向かう習性があるので、水の動きが少なく(川と違い流れがない)濁りやすい本湖、または流れがある河川上流部が人気なのだ。
フナはバスと同じく深場で越冬しているが、3月以降に大群でシャローに移動する。水温上昇によって浅いレンジに増えるプランクトンを食べるためだ。
この2種類のベイトフィッシュが群れでシャローを目指す際、バスの越冬場の近くを通ることで、バスもつられてシャローに差すのではないかと考えている。というのも、シャローでワカサギやフナを目視できるタイミングと、バスが差してくるタイミングがピタリと一致しているからだ。例年で言うと……、確定申告が終わったくらいのタイミングだから……、だいたい3月15日ごろかな。
このタイミングは釣ったバスの腹がやけにゴツゴツしてたり、フナの尻尾が出ていたりしたことが多々ある。
Basser4月号では、三寒四温と言われる悩ましい早春を釣るヒントを数多く紹介。実釣記事では、川島勉さんと田辺哲男さんが亀山湖で、並木敏成さんが相模湖でいち早く春を捉え、それぞれテキサスリグ、ジャークベイト、パワーフィネスという異なるスタイルで50cmクラスを手にしています。
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2017/03/06