羽根系ノイジーの何がバスを誘うのか。 長い間この釣りを続けてきても本当のところはわからないのであるが、明らかに、ほかのタイプのプラグとは一線を画しているように思う。 そう断言するのは、これまでに何度も、何をやってもダメな日にデカダンスに助けられてきたからである。
何をやってもダメな日にデカダンスに助けられてきた
久保田健二=文
編集部=写真
あらゆるブラックバス用ルアーのなかで、形状がもっともバラエティーに富んでいるジャンルと言えばトップウォータープラグであろう。日々、新たな工夫や機能が凝らされたパーツや形状の製品が考案され、津々浦々のバスの本能を刺激している。この記事では、オリジナリティー溢れるトップウォータールアーの開発者に、機能に込めたねらいや開発秘話を明かしてもらった。今回はquiet funk craft worksの久保田さんによるパーツ進化論です。
この記事はBasser2016年10月号に掲載したものを再編集しています。
久保田健二(くぼた・けんじ)
1963年生まれ。高知県在住。14歳で初めてバスを釣る。 当時からサーフェスゲームに憧れ、17歳で自作トップウォータープラグで釣果をあげる。 クレイジークローラー
(オールド/ヘドン)
quiet funk craft works
1995年創業。 代表作は、デカダンストーイ、オリジナルフィー。意欲的に新作をリリースし続けている。
オールドルアーに学んだウイングシステム
セミのプラグが作りたくて、羽根のついたプラグで真っ先に思いついたのが、ヘドンのクレイジークローラー。
動きのイメージはジッターバグに近かったので、1993年当時のデカダンスのプロトタイプには固定式の羽根を装着していたが、キャスティングに難があり、試行錯誤の末、古いクレイジークローラーのウイングシステムを採用した。
シンプルかつ機能的で実によくできた羽根だ( 後に調べてみると、オリジナルはヘドンではなくジムドナリーのWOWというプラグであったが……)。
クレイジークローラー(オールド/ヘドン)
クワイエットファンクがウイングシステムの参考としたルアー
ふたつのアクションパターンとふたつの使い方
羽根系ノイジーの何がバスを誘うのか。
長い間この釣りを続けてきても本当のところはわからないのであるが、明らかに、ほかのタイプのプラグとは一線を画しているように思う。
そう断言するのは、これまでに何度も、何をやってもダメな日にデカダンスに助けられてきたからである。
羽根系ノイジーのアクションパターンは大きく分けて2通り。
リトリーブによるクロールアクションと、ピンスポットでのステディーアクション。
クロールアクションには、ゆっくり大きくボディーを反転させるような動きから、小刻みにボディーを震わせるピッチの速いものまでさまざまな動きがある。
クレイジークローラーを筆頭に、主流はゆっくり大きくローリングするタイプ。
大きなバスが釣れることが多いように思う。
ミンミンゼミ( クワイエットファンク)もこのタイプ。
逆に、小刻みでピッチが速いものは市場に少なく、デカダンストーイはこのタイプである。
幅広いコンディションに対応して、スレにくいのが特徴である。
一方、オーバーハングでの釣りに多用されるステディーアクションは、移動距離が短く虫の波紋を再現させやすい羽根系ノイジーの得意とするところ。
アクションのつけ方にもよるが、ローリングの大小には影響されにくい。
晩夏から初秋にかけて、落ちてくる虫を意識したバスに圧倒的に効くことが多い。
DE-CA-DANCE TOY 2-1/2in / 5/8oz
強い浮力を備えた高密度発泡無垢素材を使用。
ウッドやプラスチック製プラグとはひと味違う軽やかな動きが持ち味
次回は羽根の核心に迫ります!
- 1
- 2