この記事では、穴釣りの仕掛けや釣り方のコツ、時期ごとに釣れる魚やおすすめタックルについて解説します。
消波ブロックや岩の隙間に潜んでいる魚を狙う穴釣りは、日中や低活性時にも比較的釣れやすいことから多くの釣り人に親しまれています。
この記事では、これから穴釣りに挑戦してみたい方が参考になる内容を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
穴釣りとは?
穴釣りとは、消波ブロックや岩の隙間(穴)に餌を付けた仕掛けを投入し、そこに潜んでいる魚を狙う釣りです。
穴釣りで釣れる魚は、カサゴやアイナメ、クロソイといった、いわゆる根魚が主流。
穴釣りでは岩や消波ブロックに引っ掛かりにくい形状の仕掛けを使用し、如何に穴の奥深くへと餌を届けられるかが釣果を左右します。
隠れている魚を狙う釣りであることから、日中や低活性時でも比較的釣れやすく、ルアーフィッシングの時合待ち時間に楽しむのもおすすめです。
穴釣りで釣れる場所・ポイント
穴釣りで釣れる場所・ポイントは、消波ブロックと岩の2つに大きく分けることができます。
消波ブロックは堤防の際に積まれているブロックのことであり、水中には魚が隠れるのにピッタリな穴がたくさん存在しています。
一方、自然の岩によって作られた穴も格好の穴釣りスポットとなり、防波堤の足元の捨て石などは要チェックです。
このように、消波ブロックや岩の穴がある釣り場ではどこでも穴釣りを楽しむことができます。
そして、穴釣りで「釣れる穴」を見分ける際のポイントとなるのが、穴の深さです。深い穴は外敵から身を隠しやすく、ターゲットとなる魚が好んで潜んでいます。
穴釣りでより効率良く数を釣りたいのであれば、できるだけ深い穴を探してみるのがおすすめです。
穴釣りで釣れる魚の種類
穴釣りでは、さまざまな魚を釣ることができます。ここでは、どんな魚がどんな時期に釣れるのか、その種類を詳しくご紹介します。
カサゴ・アイナメが釣れる時期(10〜6月)
穴釣りでは主流のターゲットとなるカサゴやアイナメは、10月から6月頃によく釣れるようになります。
カサゴに関しては一年中狙うことができるのですが、10月から6月は一年の中でも比較的釣れやすく、大型サイズも狙いやすいでしょう。
この時期であればカサゴやアイナメを日中でも狙うことができ、ルアーフィッシングで釣れない時間帯の釣りとして楽しむのもおすすめ。カサゴやアイナメは食べても美味しく、嬉しいお土産になります。
穴釣りで使う餌・道具・仕掛け
ここからは、穴釣りで使う餌や道具、仕掛けについて解説。穴釣りはさまざまな餌とシンプルな道具・仕掛けで楽しむことができ、釣りを始めたばかりの初心者にもおすすめしたい釣りです。
穴釣りで使う餌の種類
穴釣りでは、ゴカイや青イソメなどの虫エサから、イカやサバの切り身まで幅広い餌を使用することができます。
というのも、穴釣りで狙うことの多い根魚は雑食性であり、強い臭いを発するものであれば何でも食いついてくれるからです。
太刀魚釣りで残ったキビナゴやイワシなどでも狙うことができるので、餌の余りを利用するのも良いかもしれません。
また、虫エサや生エサが苦手な方はワームで狙うのもおすすめ。餌に比べて食いは落ちてしまいますが、時合であるなど活性が高い時には充分に狙うことができるでしょう。
穴釣りで使う道具・仕掛け
穴釣りではさまざまな道具や仕掛けを使用します。以下にリスト形式でまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
- ロッド:150cm前後の短いロッドがおすすめ
- リール:2500番前後のスピニングリールや両軸・ベイトリール
- ライン:根擦れに強いフロロカーボン3号前後がおすすめ
- ブラクリ:市販のブラクリ仕掛けや自作も可能
- クーラーボックス:釣った魚を冷やして持ち帰るために必須
穴釣りでは、ブラクリと呼ばれる仕掛けを主に使用します。
ブラクリとは穴の奥深くまで転がり込みやすく、根掛かりしにくい形状のオモリに、針が取り付けられた仕掛けです。ブラクリを使用すれば根掛かりを減少させることができ、穴釣りを快適に楽しめるようになります。
ブラクリは各社からたくさんの種類が販売されているので、初心者はそれらを使えば問題ありません。
穴釣りの釣り方・誘い方のコツ
穴釣りは釣り方や誘い方を工夫することによって、釣果を伸ばすことができます。
ここでは基本の釣り方から、誘い方のコツまでご紹介していますので、釣りに出掛ける前にぜひご覧ください。
- 穴釣りの基本の釣り方
- 穴釣りの誘い方のコツ
- 穴釣りの根掛かり対策
穴釣りの基本の釣り方
穴釣りの基本の釣り方は、消波ブロックや岩の隙間を見つけて、そこに仕掛けを落とし込むといったシンプルなもの。根魚がいれば落としてすぐにアタリが出ることも多く、初心者でも楽しみやすい釣りであると言えるでしょう。
穴を探す時には、できるだけ深そうな穴を狙って探すのがおすすめ。消波ブロックであればブロックの積み重なりによって穴ができているので、深い穴は格好のポイントとなります。
また、目に見えていなくても、海底には岩によってできた穴がいくつも存在しています。仕掛けを落として、底をトントンと叩きながら探っていくことで、目に見えない穴を見つけることも可能。他よりも仕掛けが深く落ちていく場所が穴なので、それらを探しながら堤防を歩いてみてください。
穴釣りの誘い方のコツ
穴釣りの誘い方のコツとして、ユラユラと餌を動かした後に、しっかりと長めの食わせの間を置いてあげることが挙げられます。
餌を動かすことによって臭い成分が拡散し、それによって魚がおびき寄せられてきます。そんな時に、餌を動かさずにジッと待っていると、コツンとしたアタリとともに口を使ってくれるでしょう。
また、全く動かさずに待つのではなく、定期的に誘いをかけることも必須。釣れなさそうな穴であっても、長時間粘っていると急に大きな魚が口を使ってくることもあります。特に深い穴の場合であれば、長時間誘いをかけながら待つ価値があるでしょう。
穴釣りの根掛かり対策
穴釣りは常に根掛かりと隣り合わせの釣り。根掛かりをすることはつまり、しっかりと魚の隠れ家を狙えている証拠でもあります。
根掛かりは避けられない釣りとはいえ、ちょっとした仕掛けの動かし方によって根掛かりを少なくすることは可能です。
仕掛けは常に糸を張った状態にしておき、緩んだ状態を長時間作らないようにしましょう。緩んだ状態では波にもまれて、穴や岩の隙間に仕掛けが挟まってしまったり、針が引っ掛かったりする場合があります。
また、根掛かりしてしまった時には無理やり外そうとするのではなく、まずは軽く色んな方向へと引っ張ってみるのがおすすめ。ガッツリと引っ掛かっていなければ、それだけで取れてくれる場合が多くあります。
穴釣りのおすすめタックル(ロッドやリールなど)
ここからは、穴釣りにおすすめのロッドやリールなどのタックルをご紹介。実際に販売されている製品に関しても詳しくご紹介していますので、これからタックルを揃える方はぜひこの中から選んでみてください。
- 穴釣りにおすすめのロッド(竿)
- 穴釣りにおすすめのリール
- 穴釣りにおすすめの仕掛け
- 穴釣りにおすすめのライン(釣り糸)
穴釣りにおすすめのロッド(竿)
穴釣りでは、150cm前後の短めのリール竿で、20gくらいまでのオモリを操作できるものがおすすめ。
消波ブロックの穴を狙う際には短いロッドである方が取り回しが良く、より奥深くの穴を狙うことができます。
そこまで高価なロッドである必要はなく、安いロッドでも問題なく楽しめます。
ダイワ 穴釣り専科
スピニングリールと両軸・ベイトリールのどちらでも使うことのできる、穴釣り専用に開発されたロッド。
ティップはグラスソリッドが採用されており、穴釣りにおける小さなアタリもしっかりと確認できるでしょう。
長さは110cm、130cm、150cmの3種類から選ぶことができます。
ジャッカル EGG ARM
ワクワクするようなカラフルな配色が特徴的なロッド。
全長55cmと120cmの2種類から選ぶことができ、55cmモデルは消波ブロックの上からの穴釣りにピッタリです。
同じくジャッカルのEGGシリーズから販売されているブラクリ、エッグショットと合わせて使ってみてください。
シマノ ブエナビスタコンボ S60ML
ロッドとナイロンライン付きのリールがセットになった、そのまま釣りへと出掛けられるタックルセット。
ロッドは穴釣りもしやすい約180cmの長さとなっており、穴釣りだけではなく、その他さまざまなエサ釣りやルアーフィッシングも楽しめます。
これから釣りを始める初心者にこそおすすめしたい1本です。
がまかつ うきまろッド&リール ブラクリ UK8017
がまかつのフィッシングキャラクター「うきまろ」のデザインがされた、ロッドとリールのセット。
110cmの全長は、消波ブロックからの穴釣りはもちろん、堤防の捨て石狙いでも使いやすい万能な長さです。
うきまろシリーズにはブラクリもラインナップされているので、そちらと合わせて使ってみてください。
穴釣りにおすすめのリール
穴釣りでは、2号から3号のナイロンラインやフロロカーボンラインを30m以上巻くことができれば、どんなリールでも使用することができます。
しかし、耐久性や他の釣りへの汎用性を考えると、1万円前後以上の価格帯のものを選ぶのがおすすめ。
これから釣りを始める、といった方であれば、他の釣りにも対応したスピニングリールを選ぶのが良いでしょう。
ダイワ レガリス 1000~2500サイズ
実売価格1万円前後と初心者でもお求めやすく、なおかつさまざまな釣りに使える汎用性の高さが魅力的なスピニングリール。
ギア部分には耐久性に優れた「タフデジギア」が採用されているので、長期間使用しても使用感が落ちにくくなっています。
穴釣りに使用するのであれば1000番から2500番サイズがおすすめです。
シマノ サハラ 500~2500サイズ
シマノの中でも1万円程度の価格帯に位置し、初心者の入門リールとしてピッタリな製品。
この価格帯ながら「サイレントドライブ」と呼ばれる構造技術を搭載しており、ルアーフィッシングで使っても違和感のない巻き心地の良さが特徴です。(500番を除く)
穴釣りでは500番から2500番サイズが使用できますが、他の釣りにも流用するのであれば2500番サイズを選ぶと良いでしょう。
穴釣りにおすすめの仕掛け
穴釣りでは、ブラクリと呼ばれるオモリと針が一体化した仕掛けやそれに準じるものを使用します。
ブラクリの重さは、5gから20gくらいが扱いやすく、深い釣り場であるほど重たいものを使用してください。
ブラクリは自作することも可能ですが、初心者は市販品を使うのが安心です。
ジャッカル EGG エッグショット
5種類もの可愛いカラーがラインナップされた、EGG ARMにピッタリなブラクリ。
ビーズの位置を変えることで、状況に合わせて根掛かりのしにくさや誘いのかけやすさを調整することができます。
糸に結ぶだけで簡単に使えるので、初心者でも扱いやすいでしょう。
がまかつ うきまろ ブラクリ
オモリにうきまろの顔がデザインされた、見た目も可愛らしいブラクリ。
球体のオモリを採用しており、コロコロと穴の奥深くまで餌を届けてくれることが特徴です。
使用されているビーズは夜光タイプなので、夜釣りであってもしっかりと存在をアピールしてくれます。
穴釣りにおすすめのライン(釣り糸)
穴釣りにおすすめのライン(釣り糸)は、ナイロンまたはフロロカーボンの2号から3号です。
価格が安いのはナイロンラインですが、フロロカーボンラインはナイロンラインよりも根擦れに強いことが特徴。
予算や状況に合わせてこの2種類のラインを使い分けてみてください。
ダイワ ジャストロンフロロ
汎用性が高い300mの大容量ボビン巻きのフロロカーボンライン。
300mあることから2500番サイズのスピニングリールであっても2回程度巻き替えることができます。
糸グセがつきにくいしなやかなフロロカーボンラインなので、初心者でもライントラブルを発生させることなく釣りを楽しめるでしょう。
ダイワ ジャストロン
平行巻きと呼ばれる、ラインの品質を保ったまま保管しておけるボビン巻きが採用された500mのナイロンライン。
さまざまなカラーがラインナップされており、自分の好みに合わせて選ぶことができます。
ナイロンラインはフロロカーボンラインと比較するとしなやかで扱いやすく、他の釣りにも流用しやすいことが特徴です。
【Q&A】穴釣りについて多い質問
以下では、穴釣りについて多い質問・疑問に回答します。
- 穴釣りの餌はワームでも代用できる?
- 穴釣りでよく釣れる時間帯はある?
- コンビニやスーパーで買える穴釣りの餌の代用品は?
Q. 穴釣りの餌はワームでも代用できる?
穴釣りの餌は生エサでなくても、ワームで代用することが可能です。生きている餌や臭いのきつい餌が苦手な方は、あえてワームで穴釣りを楽しむのも良いでしょう。
しかし、生エサと比較すると魚の食いは落ちてしまうことも事実なので、特に問題のない方は生エサを使うのが良いかもしれません。
Q. 穴釣りでよく釣れる時間帯はある?
穴釣りでよく釣れる時間帯は他の釣りと同様、朝夕マズメと呼ばれる薄暗い時間帯です。この時間帯になると多くの魚は餌を積極的に捕食するようになり、穴釣りにおいてもアタリが集中します。
しかし、穴釣りはルアーフィッシングなどと比べると日中でも釣れやすい釣りなので、そこまで時間帯にシビアになる必要はありません。
Q. コンビニやスーパーで買える穴釣りの餌の代用品は?
コンビニやスーパーで売っている食品の中にも、穴釣りの餌に使えるものがたくさんあります。
その代表格とも言えるのが、サバの切り身です。サバの切り身は強い臭いを発し、広範囲から魚をおびき寄せることが可能。
また、バナメイエビなどのエビも小さく切ることで穴釣りの餌として大活躍します。
穴釣りに関するまとめ
穴釣りは日本全国のどんな釣り場でも楽しむことができ、なおかつ釣れる確率も高い釣りです。
日中や時合ではない時間帯にも釣ることができるので、ルアーフィッシングや他の餌釣りの合間に楽しむのも良いでしょう。
当記事では穴釣りに必要な道具のご紹介や、釣り方のコツを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。