青物がベイトフィッシュを追い回している状況なら、潮通しのいい堤防先端部ではなく内向きの影、藻場やゴロタのボトム付近をじっくり探ってみると、身を隠していたアオリイカがたまらず姿を現わして捕食をするかもしれない。
釣れなときの考え方
写真◎松本賢治、形田淳、藤原武史、編集部 文◎編集部
待望の秋がやって来た。いつもの秋より盛り上がるためにはやっぱりアオリイカの力が必要だ。さあ、この秋は本気でエギングに挑む!
この記事は月刊『つり人』2021年10月号に掲載したものを再編集しています
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「アオリイカが見えない=いない」ではない
エギを追尾するイカの姿が見えないとき、考えられるのは届く範囲にイカがいないのか、それとも何かの理由で見える範囲まで浮いてこないのかだ。
つい先日まで釣れていた堤防で、数日後にイカの気配が消えたというときに疑ってほしいのが青物の存在だ。
秋の高水温期はアオリイカの生息環境に青物がやって来るタイミングが非常に増える。アオリイカの大好物であるカタクチイワシやキビナゴや小アジといったベイトフィッシュは、ブリやカンパチ、あるいはトレバリーの若魚にとっても大好物。さらにこうした青物は小型のイカも大好物なので、ベイトフィッシュを追い回すイカも食べてしまう。そのためおいそれとはエギを追って浮いて来ないということが考えられる。
青物がベイトフィッシュを追い回している状況なら、潮通しのいい堤防先端部ではなく内向きの影、藻場やゴロタのボトム付近をじっくり探ってみると、身を隠していたアオリイカがたまらず姿を現わして捕食をするかもしれない。
時間帯によっても釣れるアオリイカのサイズは変わる。日中はほとんど良型が期待できなかった港内にも夕方になると良型が群れで狩りにやってくることがある。
日中は沖の深みでエサを追い、夕方になると岸寄りの浅場でエサを追うグループは成長が非常に早く、活性も高いことから群れが接岸したら次々にエギを抱いてくる。
遠征組ではなく地元組の多くがエギングは夕方の短時間だけ遊んで晩飯のおかずに数ハイ釣るというスタンスなのはそのためで、日中にやる気もないようすで浮いている小型は相手にせず、日没前後の1時間だけを集中してねらい、やる気のある良型をサクッと釣っていく。こうしたマヅメのタイミングに潮がよく動けば入れ乗りになることも多いのが秋という季節だ。
秋晴れの空のもとで美しいアオリイカをキャッチしたい!
日中にはあまり期待できない港内最奥部でも常夜灯があれば釣り場の価値は大きく変わる。アジ、イワシ、キビナゴ、メバルなどの小魚が群れるところはアオリイカの捕食ルートになっていることが多く、夕マヅメから夜にかけてアオリイカが集まりやすい。
こう考えるとアオリイカは夜釣りが有利に思えるが、太陽が沈んでしまえばラインもエギもティップも見えにくくなる。次のシャクリを入れたら乗っていたという状態になりやすい。乗った瞬間を察知してスピーディーに掛けていくのは日中ならではのメリットであり釣趣だ。
つまり、明るい時間帯もそうではない時間帯も、それぞれにメリットがあって楽しめるのがアオリイカのエギングで、その面白さを一番体感できるのがこれからの2ヵ月間である。
すべての足を使って抱き着いてきた活性の高いアオリイカ。目立つエギを使うと遠くからでもすっ飛んでく
心地よいジェット噴射の抵抗を味わいながら寄せてくると沖でアオリイカが浮上する
夕マヅメから夜は見える要素が少なくなるものの圧倒的な食い気と群れの濃さで濃密な入れ乗りタイムになることが多い
冬になるとツツイカ(ケンサキイカ、ヤリイカ、ヒイカなど)のライトゲームも楽しくなる
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