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編集部2023年10月16日

2種類のタックルで楽しむハゼクラ

ハゼ 魚種別釣りガイド

ひと癖ある独特の釣趣があることから、夏になると無性にやりたくなる釣りがハゼクラだ。今回は個人的なタックルシステムなども紹介しよう。

ひと癖ある独特の釣趣があることから、無性にやりたくなる

文◎林悠一 写真◎編集部

食性よりも興味と威嚇?

今回は非常に手軽で身近なターゲット「ハゼ」をルアーでねらうハゼクラゲームに挑戦してきた。

ハゼは例年7月から10月頃まで手軽にねらうことができ、特に初夏から夏にかけては浅場に数多くのハゼが群れるので絶好のハイシーズン。水深30cmあるかないかの場所でハゼのチェイスを見ながら、あるいはちょっと深場をブラインドでも楽しめる。

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使用するルアーは根掛かりを回避するため基本はフローティングタイプの小型クランクベイト。ハゼクラ専用モデルのほか、マスの管理釣り場等で使われる小型のクランクベイトも流用可能だ。

ではなぜ、エサ釣りではおもにイソメなどをエサにして釣るハゼがクランクベイトにヒットするのだろうか。個人的には威嚇や興味でルアーにアタックしてくるものが多いと考えている。フックが口は入っているから捕食で、外掛かりしているから威嚇という単純なものではなく、口で噛みつくのも威嚇、あるいは食べられるかどうかの興味ではないかと思う。

しかしその一方で、食べに来たと思えるヒットもあるので一概に威嚇行為とも言えないのも確か。そのあたりは今も謎のままだが、釣れるときには短時間でふた桁釣果も楽勝なので、何かがバイトトリガーになっているのは間違いない。

クランクベイトのタイプは大きく分けて3タイプ。水深1m程度まで潜るMR(ミディアムランナー)モデル、2m程度まで潜るDR(ディープランナー)モデル、根掛かりが少ないような場所でじっくり誘えるシンキングタイプ。これら3タイプを行くポイントの水深や海底の状況によって使い分けている。

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左からディープクラピーSFT(ラッキークラフト)+アシストフック、ディープクラピーBELL(ラッキークラフト×ジャストエース)、ディープクラピーSFT(ラッキークラフト)アシストフックなし。ディープクラピーBELL はハゼクラ専用で最初からハゼクラ専用アシストフックがセットされたラトルインタイプ

 

クランクベイトにセットするフックは、シングルフックのみでも構わないが、活性が低い時や追いが悪い時はアシストフックを使うとフッキング率がアップする。アシストフックはハゼクラ専用の物があるほか、アジングでジグヘッドに装着するタイプのアシストフックでも応用できる。シングルフックをアシストフックに交換する場合と、シングルフックにアシストフックを装着するケースがある。

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林さんが用意したアシストフック各種。左のハゼクラ専用はシングルフックを外してこちらを単体で使う。右のアジ・メバル用アシストフックはシングルフックのフトコロにセットして使う

 

 

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ボトム感度はベイトフィネスに軍配

使用するタックルは5〜7ftくらいのスピニングタックルやベイトフィネスタックル。メバル等のライトゲームロッドやトラウトロッド、軟らかめのバスロッドでも代用できる。ただし底をノックしてくる感覚が鈍るのでグニャグニャなロッドはあまり適していない。クランクベイトが2〜4gのものが多いので、その重さが扱いやすいロッドがベストだ。

なかでもオススメしたいのは私も愛用しているベイトフィネスタックル。スピニングタックルと比べてリール自体の感度が明らかに高く、クランクベイトが底を小突いている感覚や岩に当たった感覚がダイレクトに手元に伝わってくるので地形の変化の把握が非常にしやすく、スピニングタックルとはまた違った感度が味わえる。

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いずれのタックルにせよ、何より大事なのは同じ場所で粘らず、アタリがなかったらどんどん移動すること。

ハゼは5m移動すれば釣果が違う魚なので積極的にルアーを追いかけるハゼを探していきたい。また、今年に限って言えば水温の関係なのか昨日まで釣れていた場所が今日から釣れなくなるという状況が各地で続いているため、アタリが遠いと感じたら、大きく釣り場を変えてみることも必要だ。

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粘らず移動して活性の高いハゼを探そう

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今回の取材は、私、林悠一と一緒にサンスイ渋谷店ソルトコーナーで勤務する佐藤とハゼクラ釣行へ行ってきた。佐藤は海のライトゲームを楽しんでいるが、ハゼクラは今回が初挑戦。向かったのは東京大田区の多摩川と海老取川の合流点付近。メインの時合と考えていたのは上げ潮だが、まだ下げ潮の朝から釣りを開始すると幸先よくヒット。1週間ほど前も海老取川河口で潮の低い下げ潮時にバンバン当たったので期待したが、その後はハゼがクランクを追いかけてはくるが最後まで追い切らずフッキングまでいかない状況が続く。

その後、多摩川本流に出るも潮位が下がり、一段下の深みにハゼが落ちているようで、フローティングのクランクベイトのスピードでは追いきれないようす。ここは砂泥底で根掛かりの心配が少ない場所だったのでシンキングのクランクで海底をゆっくりズル引きしてくるとパターンにハマりポツポツと釣れ続く。

そしていよいよ待望の上げ5分を過ぎ、浅場にやる気のあるハゼが差してくるものと思いきや、常連のエサ釣りファンたちも首を傾げるほどアタリが少ない。

これは小移動ではダメと一気にエリアを変えて大移動。到着したのは旧中川。ここは岸から2mほど先に杭が並び、杭と杭の間にロープが張られ、その先は一気に深くなっている。

ロープから手前は水深40cm程度のゴロタと砂地が混ざった緩やかなカケアガリになっている地形で、オープンな砂泥底だった羽田界隈とは大きく異なるロケーション。午後から南の強風だったことからロープ内側の狭い範囲にキャストを決めるのはかなり難しかったため、佐藤は風上に立ち、オーバーヘッドやサイドキャストではなく、左手で持ったルアーを振り子の要領で正確に送り込めるピッチングを選択することでロープに絡ませることなくテンポよくキャスト。カケアガリ沿いを障害物回避能力の高いフローティングのクランクベイトで横切らせてくると羽田よりもひと回り以上大きな良型ハゼがヒットしてくる。先ほどまで苦戦していたのが嘘のような釣れっぷりだったことから、場所を大きく変えたのが吉と出た。

やる気のあるハゼは一投で反応してくるので、アタリがなかったらすぐ移動して打ち進んでいくと、次々にヒットしてくるので上機嫌の佐藤。釣れるサイズの平均も大きく、このハゼクラゲームの魅力にすっかりハマってしまったようだ。

釣れ方はアシストフックをしっかり口の中に入れた掛かりが半分、威嚇と思しきボディーへの掛かりが半分といったところだった。

晩夏ともなればハゼのサイズもどんどん大きくなるので、各地のハゼ釣り場で試してみるといいだろう。

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※このページは『つり人2023年10月号』を再編集したものです。

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