クランクベイトと呼ばれるルアーでハゼをねらう「ハゼクラ」。近年ますます人気が高まるこの釣りの疑問を一問一答形式で解説!
ハゼクラの疑問に一問一答!
写真と文◎編集部
クランクベイトと呼ばれるルアーでハゼをねらう「ハゼクラ」。近年ますます人気が高まるこの釣りの疑問を一問一答形式で解説! 今回はハゼクラ未経験の編集部員が、ハゼクラ歴8年目に突入した上州屋千葉みつわ台店の中村忠司さんに弟子入りして、ハゼクラのコツを教わった。釣り場は千葉県市川市。江戸川放水路の左岸側をメインに探った。この記事は月刊『つり人』2020年10月号に掲載されたものを再編集しています。
目次
Q.5 ハゼクラに適したクランクベイトは?
「基本的にハゼクラに向く釣り場は緩やかな傾斜の遠浅のシャローですから、緩やかな潜行角度のクランクベイトがマッチします。ボトムが完全な砂や泥なら多少潜行角度が急でも根掛かりしにくいですが、それでも所々にカキ殻や流木などの沈み物があるのでボトムにソフトなタッチが行なえるルアーがいいと思います」ただし、水深が1m以上ある釣り場や急深の釣り場では潜行角度が急で深く潜るタイプを使わないとボトムにタッチしない。しかし、そうした釣り場でハゼクラを成立させるのはイージーではない。
どのタイプのクランクベイトがいいのかは一概に言えない。急潜行するタイプはボトムに突き刺さりやすいが、急に深くなる釣り場では重宝する。どの釣り場でも底を舐めるように引けるように数種類のルアーを用意したい
小雨交じりのあいにくの天気のなか、中村さんおすすめの『マイクロクラピーベル』のチ~バくん!カラーでタカギもサクっと1尾
潜りが足りないと感じた際に、より深く潜行するディープタイプに交換するほかシール式のチューニングシンカーをオデコ部分に貼るのも効果的
Q.6 ハゼクラでよく釣れるカラーは? フックは?
「まさにいろいろなカラーのクランクに反応してくれるハゼですが、個人的には赤はテッパンと感じています。手前味噌ですが上州屋オリジナルカラーのチ~バくん!は赤を基調としたもので非常によく釣れます。フックも同様に赤バリタイプは非常によく効きますが、丁度いいサイズのシングルフックは種類が少ないのが難点。色そのものだけではなく捕食する際のバイトマーカーになります」中村さんはバーブレスのシングルフック♯8を使い、フッキングしてこないようならチモトに蛍光カラーやフェザーがあしらわれたアシストフックをセットしてアピール度を高めている。
『ディープクラピーベル』(ファイブコア×ラッキークラフト)の実績カラー。左からチ~バくん!、ほろ酔いピンク、みどりのチ~バくん!。右のギンピカピンククラウンの腹は油性マジックで赤く塗ってある
中村さんが愛用する『マイクロクラピーベル』(ファイブコア×ラッキークラフト)の実績カラー。左からレッドラム、ゴールドハゼドン、チ~バくん!
ハゼクラで重要なリアフックとアシストフック。「左から『ハゼクラフック』(ジャストエース)はリアのみならずフロントにもセットします。赤バリのためフックへのバイトが増えます。『サポートフック鬼爪 豆アジスペシャル』(がまかつ)は魚のサイズを選ばない小バリでフックそのものがバケになっているタイプ。ルアーが浮き上がる時にバイトが多いですね。『スタークロウS サイズ』(ゼスタ)はもともとアジング用のアシストフックですが、これがハゼクラにも最適なんです。フックに輪を通して引っ張れば輪がすぼまるのでセットが容易でよく掛かります」(中村)
替えバリ、スプリットリング、極小スナップ、チューニングシンカーを小物入れに収納。なんとも手軽な釣りだ
Q.7 ハゼクラにマッチするロッドは? ラインは?
「ロッドはハゼ専用のほか流用するならアジ用、メバル用、トラウト用、バス用などが使えます。重いルアーを遠投する釣りではないので長すぎるよりは短いほうがコントロールよくキャストできますし持ち重りもしません。6ft前後が合うと思います。ラインはナイロン、フロロカーボン、PE+フロロリーダー、エステル+フロロリーダーのいずれも使えますが、個人的にはボトムの起伏やハゼのバイトをしっかり感じ取りたいので、ファーストテーパーで高感度モデルのロッドにスピニングリール2000番、ラインはPE0・3号+フロロリーダー1・75号の組み合わせで楽しんでいます」ハゼクラを始めるのにいきなりハゼクラ専用ロッドは敷居が高いだろう。中村さんの好みは感度重視の組み合わせだが、スローテーパー気味のメバル用やトラウト用のロッドに適度な伸びがあるナイロンラインの組み合わせでも、「それはそれで乗りがいいですしトラブルが少ない」と中村さん。つまり間口はかなり広いということ。
中村さんの好みは感度重視のタックル。新人編集部員は乗り重視のタックルをセレクトした。それぞれ一長一短があるので多彩なタックルで挑戦できる
Q.8 数釣りとサイズねらい、それぞれの魅力とは?
「ハゼクラはまずひとりでも楽しめますが、仲間内でワイワイと競い合うとさらに盛り上がります。ハゼといえば数釣りターゲットですが、数を追求するならエサ釣りでいいじゃないという考えもある。だから今は3尾の長寸で競うような大会が盛り上がっています。数ねらいはハゼ密度の高い釣り場に限定されますが、型ねらいならハゼ密度が低いところや多少根掛かりしやすいところのほうが有望だったりします。数なら江戸川や荒川などの大河川には敵いませんが、型なら内房や外房の小河川のほうが期待できます。ハゼクラの15cmはバス釣りで言うところの45cm、20cmともなると50cmを超えるランカーサイズです(笑)。もちろん数釣りもめちゃめちゃ楽しくて、数を競う大会も王道で、猛者ともなると三桁を叩き出す人もいます」もともとハゼクラは仲間のエサを奪い合う習性を利用した釣りなので、とにかくハゼ密度の高い釣り場で食い気を立たせることが肝心。ハゼがルアーにスレたと感じたらどんどん横移動して足で釣果を稼ごう。中村さんが紹介してくれた旧中川のように、ハゼ密度が濃すぎないところは良型ねらいが楽しめる。ゴロタは根掛かりのリスクもあるが、越冬地にもなりやすく大型のヒネハゼ(2年魚)の出現率も高い。
この日の最大は15cm。3尾で45cm超えなら大会でも上位入賞間違いなし。60cmに迫れば優勝間違いなし!?
数ねらいは楽しい。大型ねらいも燃える
当日に入った釣り場は江戸川放水路左岸。地下鉄東西線が走るメトロ第二江戸川橋梁より下流にハゼクラ向きの釣り場が多い。中村さんは駐車スペースもある右岸側に入ることが多いが、雨続きで濁りが心配だったことからワンド状で濁りにくい左岸をチョイス
新人編集部員はハゼクラ初挑戦だったが開始早々にヒットを連発。講師役の中村センセイも「グッドです!」とサムアップ
行徳可動堰の下流側にある江戸川放水路の干潟にはトビハゼも生息。「東京湾奥のトビハゼ」は環境庁のレッドリストにおいて絶滅の恐れのある地域個体群に指定されているが、江戸川放水路ではよく見かける
ハゼクラ歴8年に突入した中村忠司さんは上州屋千葉みつわ台店(tel 043・252・0328)に勤務。「分かったことも増えましたが、釣り場も含めてまだまだ発見の多い釣りです」と楽しそう。この日も大活躍した『マイクロクラピーベル』の上州屋オリジナルカラーのチ~バくん!は中村さんがテストを繰り返した絶対の自信を持つカラーだ
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