フックは魚との唯一の接点。ルアー、状況、バイトの仕方にマッチする最適なセッティングが必ずある。和田浩輝さんの場合はどんな組み合わせだろう?
フックは魚との唯一の接点。ルアー、状況、バイトの仕方にマッチする最適なセッティングが必ずある。和田浩輝さんの場合はどんな組み合わせだろう?
写真と文◎編集部
フック選びの基準
和田さんはヴァンフックのエキスパートフックを愛用している。種類やサイズの表記はメーカーによってさまざまだが、ヴァンフックは頭文字が「S」ならスプーン、「C」はクランク、「M」はミノー、「B」はボトムという表記で分類される。スプーンはゲイプ幅とポイント形状の異なる「SP」、「SW」の2タイプがあり、2ケタの数字の10ケタは「軸強度」を表わし、1ケタはスプーン=1、プラグ=3と「基本用途」を表わす。表記の意味を理解すれば選択もしやすいので下の図を参照にしてほしい。またフックの大きさは#で表記される。ごく基本的なことだがルアーフックは数字が小さくなるほどサイズは大きくなっていく。
和田さんはトーナメント参戦時に「3 尾掛ければフック交換」と言うくらい鋭利なフックにこだわる
スプーン
和田さんのスプーン使いは吸い込みやすいナローゲイプの「SP」を主軸にしている。スプーンの重量(シルエット)に合わせてサイズだけでなく軸の太さも変えていく。
「1.5gまでのスプーンなら細軸の〝SP -21F〟を使えば間違いありません。フックサイズはマイクロに分類される0.9gまでが#8、1~1.2gが#7、1.3~1.5gが#6というバランスで私は選んでいます。1.6g以上の重さになると中軸の〝SP -31F〟を使います。1.6~1.9gが#6、2g以上は#5をセットします」
SP-21F #8は0.9gまでのマイクロスプーンで使用
SP-21F # 7 は1 ~ 1.2gまでのスプーンで使用
SP-21F # 6 は1.3 ~ 1.5gのスプーンに使用
使い分けは朝イチなどのサーチには1.3~1.6g。放流したての高活性な魚をねらう場合2g以上の出番も多い。放流直後は連発ヒットが望めるのでフックが鈍るのも早い。スレていない魚を手返しよく釣るために軸の強度を上げておく。
「魚がじゃれ付いているのに掛からない時にはワイドゲイプ〝SW〟も使います。たとえばムーバー(ダイワ)1.8g、2.4gといった重いスプーンはSW -31 Fの#5や#6に替えます。小型スプーンを使って魚が反転せずフッキングしにくいと感じればSW -21F の#8に替えてハリ先を立ちやすくします。マイクロルミオン(ダイワ)のような0.6g程度の軽量スプーンにはSW -21Fの#9のサイズがマッチしますよ」
スプーン用では超細軸の「SW -11F」#10がある。
「魚のバイトがあまりにも弱い時は軸を細くします。組み合わせるのは0.6g以下のマイクロスプーンです。掛かりは各段によくなるものの、曲がったり鈍ったりするのが早いので1尾釣りあげたところでフックをチェックします」
ワイドゲイプのSW-31F。和田さんはSP シリーズの使用がメインだが、魚がじゃれつくのに乗らないといった状況ではSW を使用する
魚がじゃれつくバイト時はマイクロスプーンにワイドゲイプも組み合わせる。サイズは#9
どうしても1 尾を掛けたい時に使用する超細軸のSW-11F # 10。ただし掛かりはよくても極細の線径なのでハリ先をまめにチェック
スプーン対応の2 タイプのフック。上がナローゲイプのSP。丸軸で程よくしなるのが特徴。下がワイドゲイプのSW。平打ち加工で硬度を確保し伸びにくい。写真のスプーンはムーバー(ダイワ)2.4g。オレ金、赤金などの派手なカラーで2g 以上の重めのスプーンは放流直後の高活性なマスに効果的
1.6g以上のスプーンには中軸のSP-31F。上はルミオン1.9gに# 6、下はムーバー2.4gに# 5 をセット。ちなみに青銀はクリアウォーター、グリ金はマッディーウォーターで強いカラー
このスプーンを見て違和感を抱ければ、貴方のフックバランスを見る目は正常だろう。上は0.6gのマイクロスプーンにアンマッチな# 5 のフックを組み合わせ、下は1.3gのスプーンにアンマッチな# 6 をセット
プラグ
プラグと一口に言ってもクランクベイト、ミノー、ボトムプラグ、トップウォータープラグと多種多彩だ。和田さんが愛用しているのは「BC -33F」と表記されたボトム用ルアーに特化したフック。特徴はワイドゲイプ、ハリ先ストレート、アップアイ(チモトが外側に開いたアイ)だ。ハリ先が立ちやすいので、クランクやボトムの釣りだけでなくトップウォータールアーとの相性もいい。
和田さんの中でプラグの定番といえるフックがBC-33F。アップアイでワイドゲイプにストレートと非常に掛かりのよい仕様だ
「BC-33F はプラグルアー全般に使えるフックです。サイズの目安として#10は5cm以下のミノーに合います。#8はトップルアー、小型クランク、ボトムプラグにちょうどいい。#7と#6はクランクベイトの各サイズに合います」
BC-33F のプラグの組み合わせ例。#8 はラトリンポッピンバグ、ワブクラJr. 、ステップダート40S にマッチ
ダブルクラッチ60F1、ワブクラJr.、ステップダート40S は大型が多い時、釣れ続く時に前後にSW-31F#8 をセット
フックリングがダブルになったルアーはフロントとリアでフックサイズを変えることもあるという。たとえばワブクラDR(ダイワ)はフロントにダブルリングが採用されている。バイト時の吸い込みがよく、ファイト時もフレキシブルに動いてくれるので、バラシを軽減してくれる意図がある。一方でフロントフックはボディーから離れすぎるとフッキングがしにくくなる恐れがある。このため和田さんはフロント#8、リア#6というぐあいにフックサイズを変えてトラブルを軽減している。
「小型クランクやボトムプラグを使う時に、魚のサイズが大きい時や釣れ続く高活性な時には、リアフックのみワイドゲイプで中軸のSW -31F #8にすることもあります。このフックは60mm以上の大きめのミノーでもセットしています」
和田さんが何かと便利というフックが「SW -21F」の#8である。スプーンにも小型クランクにもマッチして助けられる場面が多いそうだ。
最後にプラグのフックの向きにも言及しておきたい。下写真のダブルクラッチやポッピンバグのようにフロント側はハリ先が後ろを向き、リア側はハリ先が前を向いているセッティングがある。
ダブルクラッチ45F1のフックセッティング。ジャークさせて浮上時に食わせるメソッド「マジックジャーク」ができるこのルアーは、浮上時にフッキングしやすいセッティングとしてハリ先が向き合うような恰好になっている
ラトリンポッピンバグのようなトップルアーもハリ先が向き合うセッティング
「トップルアーのバイトは追尾型ではなく突き上げ型です。動かした後でポーズをする。その食わせの間でヒットします。潜らせて浮上で使うダブルクラッチもグリグリとジャークした後にポーズをして、浮上している時に下からアタックしてきます。フロントとリアのフックが向き合うようにセットしているのは、ルアーの腹部めがけて食い上げてくる魚を意識しています。リアフックのハリ先が後ろを向いているだけで案外乗りにくく、すっぽ抜けしやすいんです」
エリアトラウトはバーブレスのシングルフックを使用するのがルールである。ハリ先の向きがフッキングに影響することは間違いない釣りなのだ。
リアフックがダブルリング仕様になっている鱒ノ小魚。ファイト時はフレキシブルに動くためバラシを軽減し、吸い込みもよい。フロントとリアでフックサイズをあえて替えることもなくこのルアーはSW31-F #8を使用している
フロントフックがダブルリングでセットされたワブクラDR。和田さんはフロントフックがボディーから離れすぎるとフッキングが悪くなりうると考えサイズを# 8 とし、リアはシングルリングなので# 6 にセッティングしてバランスをよくしている
フックを頻繁に交換するこの釣りではフックリングもこだわりたい。エキスパートリング “ グライド”はリングの巻き数を減らして誰もが素早いフック交換を可能にする
※このページは『つり人2024年2月号』を再編集したものです。