『つり人』本誌でおなじみのメジナ釣りトーナメンター、友松信彦さんがオキアミの付け方を解説。大会でも誰もが真似できるシンプルなエサ使いで大型メジナを次々に釣りあげる友松さんの技をここに公開!
シマノジャパンカップ3連覇、優勝5回・友松信彦のサシエワーク
文◎友松信彦 写真◎編集部
『つり人』本誌でおなじみのメジナ釣りトーナメンター、友松信彦さんがオキアミの付け方を解説。大会でも誰もが真似できるシンプルなエサ使いで大型メジナを次々に釣りあげる友松さんの技をここに公開!
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オキアミは頭を付けたままセットするのが基本
オキアミの付け方はその時のメジナの活性やエサ取りの有無で変わってくる。通常は頭を残し、尾羽根から刺し通す「腹掛け」にする。この時ハリをできるだけ背中側に通すようにすると外れにくい。ゆっくり落としたい時や遠投する時は腹が外側になるように尾羽根から刺す「背掛け」も多用する。頭は最も取れやすく吸い込みやすい部位である。いずれの付け方もハリを頭で隠すように刺す。特に遠投して潮の中を釣る場合は目立つようになるべく大きなオキアミを選び、頭を付けて使ったほうがよい。
オキアミの付け方:基本の腹掛け
▼尾羽根を取り
▼尾羽根を取った穴にハリ先 尾羽根を取りを入れ
▼通し刺す。なるべく背中側にハリ先を通す
オキアミの付け方:逆刺し(背掛け)
▼腹を外側に向けるようにして刺す。取れにくく沈下が遅い
オキアミの付け方:エサ取りが多い場合
▼フグやカワハギ、サバなどのエサ取りが多い時はできるだけ小さく目立たないように頭を取って刺す。頭側、尾羽根側、どちらから刺してもよい
オキアミの付け方:食い渋り時や高水温時
メジナは厳寒期や活性が極端に悪い時はオキアミの殻を嫌う傾向がある。そんな時は殻を取ってムキ身にする。難点は取れやすいことなのでムキ身の中心をねらってきれいにハリを通す。
ムキ身は高水温期にも効くシチュエーションがある。メジナが水面直下まで食い上がるのにオキアミでは一向に釣れない。そんな時はオキアミより寄せエサの粉(私の寄せエサの場合はパン粉)を好んで食べていることが多い。寄せエサを撒いた瞬間に食い上がるような動きをしていれば、間違いなく配合剤を食べている。オキアミの殻を剥き、なるべく小さく付け、粉の粒子と間違えさせるイメージで使うと、途端に釣れ出すことも珍しくない。
▼オキアミの頭を取り人差し指と親指を軽く擦り付けるようにして身を押し出すと
▼殻が剥ける
▼身の中心にハリを通して付ける
加工オキアミは沈下が速い
マルキユー「くわせオキアミスーパーハード」など、加工されたオキアミは硬く生に比べ重く馴染みやすいため、エサ取りの層も通過しやすい。サイズは大小あるが私の場合はLサイズを選び早く沈下させる。基本的には生オキアミがベースなので使うことは少ない。
解説/オキアミを潰さずに使う理由
オキアミを寄せエサにするウキフカセ釣り。サシエ(付けエサ)の基本はもちろんオキアミである。寄せエサとサシエのオキアミは同じ状態であるほど違和感なくメジナが飛びついてくれる。そのために私は寄せエサのオキアミも決して潰さない。形を崩さず原型のままで撒きたいのでオキアミの半角(3㎏板の半分)を必ずバッカンの脇に置き、常に原型を混ぜながら釣る。オキアミを混ぜればどうしても配合剤に水分を取られ、混ぜている最中にちぎれる。そうすると破片のオキアミを認識した頭のよいスレたメジナは、サシエの原型に近いオキアミを避け、破片が小さく原型をとどめていないオキアミを食うようになってしまう。
オキアミ6㎏とパン粉2㎏に水をたっぷり浸透させ、ヌカを使って締めるのが友松さんがメジナ釣りで使っている寄せエサ。オキアミの粒が必ず入るように混ぜ合わせたエサの上に生の半角を乗せて使う
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著書『日本一グレを釣る男。』を上梓した友松信彦さんがホームグラウンドの東伊豆へ。シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権全国大会で4度の頂点に立っている男は、エサ取りやコッパメジナに包囲された釣り場で、いかにサイズアップを図り、連打へ持ち込むのか。その軌跡をたどります。
★この記事は『つり人』2020年1月号掲載の「シマノジャパンカップV3・友松信彦のサシエワーク」記事から一部を抜粋・再編集して掲載しました