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イワナ・ヤマメ・マス釣り/テンカラザオの選び方

お気に入りの1本を見つけよう!

解説◎吉田 孝
048-051tenkarazao_cs6 (1) 長さや調子が多彩なテンカラザオ。自分のスタイルに合った1本を見つけたい

近年、渓流釣りの入門者に人気のジャンルといえばテンカラ。サオもさまざまな種類が発売されている。吉田毛鉤会代表でビギナーへの手ほどきの機会も多い吉田孝さんがシュチュエーションに応じたテンカラザオの選び方を解説する。

この記事は『つり人』2018年4月号に掲載したものを再編集しています。

どこでどう釣るか?


 サオを選ぶ基準で最も大切なことは、自分自身が「どのような場所で」「どのようなテンカラを行うのか」をよく考えてみることだ。

 たとえば、渓流の中でも源流域の、しかも狭い支流でテンカラザオを使う場合を想像していただきたい。上空に張り出した枝が障害物となるそのような場所で、長いサオを使えば、周囲に毛バリを引っ掛けたり、穂先をぶつけたりする可能性は高くなる。それとは反対に、川幅の広い本流でテンカラを行なう場合、短いサオを使った仕掛けでは、離れたポイントに毛バリが届かない。そのため、自分の周囲しか探ることができなくなってしまうだろう。

048-051tenkarazao_cs6 (2) 源流域や小渓流では小継ぎのサオの出番だ

 短い仕掛けでポイントに正確に毛バリを投射することが必要なのか? ロングラインを使って遠投をすることが必要なのか? それぞれの釣りに適合したサオを選ぶのが賢明だ。

 対象魚のことも考慮したほうがよい。サイズの小さなヤマメやアマゴをねらうのか? 大もののイワナをねらうのか? 管理釣り場に放された大きなニジマスをねらうのか? 魚の大きさも考えないと、サオの思わぬ破損につながることもある。

048-051tenkarazao_cs6 (5) 対象魚によってもサオの選び方は変わってくる

 テンカラザオには「振り込み」「操作」「アワセ」「取り込み」の4つの機能がある。それらのことも踏まえ、何を選択すればよいのかを考えてみよう。

サオの長さ


 一般に市販されているテンカラザオは3.3~3.9m を中心に、2.7~4.5mの長さのものがある。短いサオは、周囲に枝の張り出す小渓流や、階段状の渓相で、魚との距離を短く詰められる場所では効果的だ。キャスティングしやすい重めのラインと組み合わせ、短い距離で正確にポイントに毛バリを振り込むのに適している。さらに先調子のサオであれば、合わせた時も穂先の移動距離が短い分、周囲の障害物にサオ先が当たるようなトラブルを軽減できる。

048-051tenkarazao_cs6 (4) サオの長さによってキャストのしやすさは大きく変わる

 頭上や周囲に障害物がない場所ならば、毛バリを投射する場合、長いサオは有利に働く場合が多い。魚に対し、より遠くからアプローチすることも可能だ。特に自分から見て、手前にあたる川の流れをまたいで対岸のポイントを探る場合などは、長いサオは毛バリをコントロールしやすくて使い勝手がよい。

サオの調子


 調子の基準はメーカーによってじゃっかん違うが、サオ先に負荷をかけた時、そのサオがどこから曲がるかで区別している。サオ全体を10として、5:5つまり中心付近からしなるサオを胴調子、そこから6:4、7:3、8:2というように曲がる場所が先端に近くなるものを先調子のサオと呼んでいる。どちらかといえば、胴調子のサオは全体によくしなり、先調子のサオは胴の部分が硬めのものが多い。

ラインとの組み合わせで考える


 胴調子のサオはキャスティングしたときのサオの振幅(しなり)が大きくなるため、軽量のラインを飛ばしやすい。それと比較し先調子のサオは振り幅が小さいため、軽量のラインだとキャスティングしにくい。そこで胴調子のサオには軽量のフロロカーボンのレベルラインを、先調子のサオにはある程度重さのあるテーパーラインを選ぶとキャスティングしやすくなる。メーカーによってはサオやパッケージに推奨のラインを示してあるものもある。

合わせとやり取り


 軟らかい胴調子のサオの場合、魚の口に毛バリを掛ける〝アワセ”の動作をした時に、サオがその力を吸収してしまう。アワセが弱くなりやすいのでしっかりしたアワセが必要となってくる。硬い先調子のサオは、同じ力で合わせた場合力の伝達が強くなり、アワセが利きやすいが、その半面細いハリスを使用した場合、アワセ切れをおこしやすくなる。

 魚をかけてからも、胴調子のサオはしなりが大きくなるため、魚を取り込むための広いスペースが必要になってくる。先調子のサオは胴の力で手元まで一気に魚を寄せることができるので、取り込むスペースのせまい場所では有利になる。

048-051tenkarazao_cs6 (3) 胴調子気味のサオはしっかりとしたアワセが必要になる。合わせた後はサオの粘りを利かせられるので、大型相手に向く

サオの重量


 設計上、肉厚のサオはどうしても重くなる。ただし頑丈だ。軽量のサオは軽くて振り込みがしやすいが、大アワセをしたり、大きな魚を無理やり引き寄せたりすれば破損のリスクは高くなる。また、表記されている重さよりも、実際にサオを伸ばし、振ってみた時のバランスを重視したほうがよい。よいバランスに設計されているサオならば、スペック上は重量があっても振りやすい。店舗でサオを購入する場合は必ず伸ばして振ってみることだ。

自分にあった1本を捜す


 テンカラザオの機能については、長いサオと短いサオ、軟らかいサオと硬いサオでは、相反する部分が多い。まずは左のまとめを参考にお店のスタッフにも相談して選んでいただくとよいだろう。また、サオは個人の好みによるところも多く、これが絶対ということはない。今回の説明はあくまでも一般的な目安となるが、皆様のサオ選びの参考になれば幸いである。

* ま と め *

小渓流や川幅のせまい源流域や障害物の多い場所……2.7~3.3m の先調子のサオ
一般渓流や開けた源流域。障害物の少ない小渓流……3.3~3.6m の先調子、胴調子のサオ
川幅の広い渓流や本流。大源流と呼ばれる広い源流域……3.6~4.0mの先調子、胴調子のサオ


解説◎吉田 孝
1960 年生まれ。埼玉県所沢市在住。長年、バスフィッシングや渓流のフライフィッシングなどに親しんだのち、テンカラを始めてそのシンプルさと奥深さに入れ込む。以来、釣りはテンカラのみ。現在は「吉田毛鉤会」を主宰し、東京奥多摩の「TOKYOトラウトカントリー」を主な会場にテンカラ教室を開催している

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