専用ロッドの開発に携わった経験からロックフィッシュ用ロッドの過去、現在、未来について、道内屈指のトーナメンターが解説。ロック用ロッドの移り変わりには魚影や環境が大いに関係していた!?

写真と文◎三上顕太
専用ロッドの開発に携わった経験を持つ、道内屈指のトーナメンター。2014年以降はノリーズ・エコギアのプロスタッフとして活動し、自身がプロデュースしたロックフィッシュ専用ロッドも展開している。
目次
ロックフィッシュロッドは"距離"で選ぶ

現代の港のロックフィッシュ(以下、港ロック)は、
1.壁際や足もとをねらうショートディスタンスのハードルアー巻き物釣りと
2.ミドル(40〜80m)・ロン(80〜120m)ディスタンスでフリーリグやビフテキリグを操る釣り
が主流。この2パターンに対応するロッドの幅は広く、ロックフィッシュ専用ロッドはバスフィッシング顔負けの数が各メーカーからリリースされている。
スペックを見ると、ショートディスタンスはスピニング・ベイトとも全長7フィート〜7フィート6インチが定番。パワーアクションはスピニングがL〜M、ベイトがM〜Hクラスで、ルアーは5〜35gを使い分けるのが基本だ。
ミドルディスタンスはスピニングが主体で、全長7フィート3インチ〜8フィート、M〜XHクラス、ルアーウエイトは17.5〜35gが多用される(ベイトタックルにPEラインを入れてねらうのもアリ)。
ロングディスタンスは全長8〜10フィート、MH〜XHクラスのスピニングが主流で、ルアーウエイトは24〜56gの使用頻度が高い。
テーパー選びのコツ
テーパーは、撃ち物系(ビフテキ、テキサス、フリーリグなど)ならエキストラファーストやファーストが扱いやすい。ただし曲がる範囲が狭いためキャストにクセがあり、バラシもレギュラーより起きやすいことを理解したうえで選びたい。

一方、巻き物系(スピナーベイト、チャターベイトなど)はレギュラー寄りのテーパーが理想的。ロッド全体が曲がることでキャストしやすく、ナチュラルなルアー演出とバラシ軽減にもつながる、レギュラーは巻き物に特化したテーパーだ。

グリップは2タイプ|セパレート/ストレートの使い分け
グリップはショート・ミドルディスタンス向けにセパレートタイプが多い。リールの軽量化に伴う取り回しのよさや感度向上をふまえた形状だ。一方ロングディスタンス向けは、キャスティング時の持ち手位置の自由度やリールとのバランス(手もとに重心がくるのが理想)を考慮し、ストレートタイプが採用されることが多い。「選択できる時代」の今、用途に合わせることでロッド本来の性能を最大限に引き出せる。
ロックフィッシュロッドの進化史|魚影・環境の変化とタックルの変遷
草創期のタックル|2000年代の港ロックはこんな仕様だった

「ロックフィッシュ」という言葉が浸透し始めたのは2000年前半。当時学生だった私が本格的にロックフィッシュを始めたのもこの頃で、振り返れば25年近くロックフィッシュとともに歩んできた。
釣り方は「磯ロック」「ボートロック(船から堤防や磯周りをねらう)」「港ロック」と細分化されるが、今回のテーマである港ロックは私自身最も思い入れのあるジャンルだ。当時はロックフィッシュ専用ロッドを出すメーカーが限られ、バスフィッシング用を流用するアングラーが多く、私自身も当初は6フィートのバスロッドを使用していた。
草創期は魚影が数・サイズともに近年より豊富で、足もとの釣りだけでも充分成立した。定番スペックはスピニング・ベイトとも6フィート〜長くても7フィートクラス、メインラインはフロロカーボン、ルアーウエイトはスピニングが5〜10g、ベイトが10〜28gだった。
撃ち物系はテキサスリグがほぼ一択、巻き物系はジグヘッドリグのスイミングが一般的で、パワーアクションはスピニングがUL〜M、ベイトがMH〜HまたはEXHクラスが主流だった。
沖をねらう必然性|アングラー増加と温暖化が生んだ"遠投スタイル"
時代とともにロックフィッシュアングラーが増え、レベルも向上。連日のプレッシャーを受けた魚は学習能力が高まり、一筋縄では釣れなくなっていった。
フィールド環境も変化し、地球温暖化による海水温上昇で港周りの釣りは厳しさを増した。とくに足もとの釣りが影響を受け、2010年前後に釣り方は変革期を迎える。よりフレッシュな魚を求め、足もとから100m前後の沖まで視野に入れた「遠投スタイル」がブームとなり、港ロックでも遠投でねらう人が急増した。
遠投にはフロロカーボンラインだと限界がある。今でこそPEラインが当たり前になったが、遠投スタイルの台頭とともにPEの進化が進み、各メーカーから実践的なアイテムが続々投入されたことが遠投スタイルを後押しした。
転機はベイトフィネス|ショートディスタンスの釣りに再び光が
一方でショートディスタンスの釣りはすたれていったが、ベイトリールの進化により転機を迎える。
従来のベイトリールは10g以下のウエイトを扱いにくく、軽量リグを使う際はスピニングに頼るアングラーが多かった。繊細さは今もスピニングに分があるが、ラインを細くせざるを得ないぶん、根周りの大型ロックフィッシュとの駆け引きではラインブレイクのリスクが高まる。
太いラインでもトラブルが起きにくいのがベイトの利点で、それが軽量リグも扱えるようになればキャッチ率は必然的に上がる。ベイトフィネス対応リールの普及は、ショートディスタンスの釣りに再び光を当てる起爆剤になった。
ハードルアーの有効性|魚影減少が生んだ新たな攻略パターン
ショートディスタンスが釣りにくくなりロングディスタンスへシフトするアングラーが増えたが、悪いことばかりではなかった。魚影が多い時代は強いルアー(アピール度・サイズが大きいタイプ)を使っても活性の高い個体が先にバイトし、大ものに絞りにくかった。魚影が減った分、魚の特性を捉えられればより高いレベルでの釣り分けが可能になった。
だからこそソフトルアー中心だった港ロックに、スピナーベイトやチャターベイト、クランクベイトなどハードルアーの攻略パターンが確立した。ソフトルアー・遠投・ハードルアーとジャンルごとに求められる要素を含め、専用ロッドはこの10年で劇的に変わったと感じる。
道内屈指のトーナメンターが今使うロックフィッシュロッド3選
初めて手にした専用ロッドはベイトのノリーズ『ロックフィッシュボトムTR78MHC』。ソフトルアーの足もとの釣りに加え、ファースト〜レギュラー寄りの特性を活かしチャターベイトなど巻き物系の使用頻度も高くなった。それまで流用していたバスロッドの大半はエキストラファーストテーパーで、撃ち物系の操作性は抜群でも巻き物系ではアタリを弾いてしまうケースが多かった。
2014年〜現在のメインタックル
2014年以降はノリーズ・エコギアのプロスタッフとして専用ロッドを使用。メインロッドは自身がプロデュースしたベイトモデル『ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO72MHC2』で、この1本で7〜14gのビフテキやフリーリグから巻き物系ルアーまでカバーできる。
より繊細な釣りにはスピニングの出番だ。フロロカーボンライン使用時は『ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO610MS2』が相棒で、ショートディスタンスでは5〜7gを多用する。ミドルディスタンスでPEラインをセットする際は『ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO86XHS2』に持ち替え、17.5〜28gを状況により使い分けている。
私自身、以前からショートディスタンスの釣りが得意で、昨今のロングディスタンス全盛の流れには反しているかもしれないが、上記3タックルをメインに釣りを組み立てている。
今後は数多くのアイテムを選べる時代だからこそ、時代に逆行しても感度や軽さの追求だけでなく、トータルバランスも含めアングラーが納得できるモノ作りが大事になると思う。

※このページは『North Angler's 2024年1・2月合併号』を再編集したものです。

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