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編集部2025年2月10日

ファインテールビギンズのインプレ│実釣を通して解説します

ニジマス 釣りの仕掛け集 NorthAnglers

メジャークラフトの『ファインテール ビギンズ』は、入門機種の域を超えた性能と、すぐれたデザイン性を誇る。同シリーズを手がける石塚恒さんが十勝川水系を訪れ、秋らしいグッドコンディションのニジマスをキャッチ。そのクオリティーの高さが、遺憾なく発揮された。

同シリーズを手がける石塚恒さんが十勝川水系を訪れ、秋らしいグッドコンディションのニジマスをキャッチ。

協力=メジャークラフト株式会社

所有欲を満たす入門機種

入門機種は手に取りやすい反面、性能がイマイチというのは過去の話。メジャークラフトの『ファインテールビギンズ』は普及価格帯のロッドでありながら、「キャストのしやすさ」、「ルアーの操作性」、「魚をしっかり掛けること」を追求している。つくりに一切の妥協がなく、最初の一本に選べば、永く信頼できる相棒になってくれるはず。

快適な使用感を実現させるべく、ブランクスのメイン素材に採用したのは中弾性カーボン。マイルドかつスムーズな曲がりをめざした結果、キャストフィールが爽快で、魚の引きに追従する使いやすいロッドに仕上がっている。また、ガイド設定にも注目したい。富士工業製のステンレスKフレームを搭載し、セッティングは上位モデル同様のオリジナル多点ガイド。これらが感度向上およびライントラブルの軽減に貢献している。

スペックだけでなく、ロッド選びの際には見た目(デザイン)も大切な要素だ。本体そのものは使っているうちに身体になじんでくるものだが、デザインに関しては購入時から変わらない。そこで『ファインテールビギンズ』は、ロッドの〝顔〞ともいえるグリップ周りにこだわり、天然木のリールシートが高級感を演出。さらに、ジョイント部やガイドスレッドに施したワインレッドのカラーリングも実にシブい。デザイン性の高さはハイエンドモデルと比べても遜色なく、所有欲を満たしてくれるだろう。

『ファインテールビギンズ』は、豊富なラインナップも魅力。小渓流から本流、湖にいたるまで、さまざまフィールドに対応したレングスとパワーのなかから自分に最適な一本を選択できる。あるいは手持ちのロッドで補いきれない部分を埋める〝サブ機〞としても、大いに活躍してくれそうだ。

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FFB-B4102ULだ

 

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グリップ周りはとくにこだわった部分。リールシートに天然木を採用し、デザイン性を高めている

 

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ジョイントやガイドスレッドに施されたワインレッドのカラーリングが高級感を醸し出す。普及価格帯でありながら、性能、見た目ともに一切の妥協はない

 

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バット部は同社『トラウティーノ ストリーム』に近いオリーブ色。“Finetail”のロゴが映え、まさにネイティブトラウト用ロッドにふさわしい外観

 

 

秋の良型ニジマスをいなす

10月中旬、『ファインテール』シリーズを手がけるメジャークラフトの石塚恒さんと、十勝川水系を訪れた。午前6時の気温はわずか2℃。かなり冷え込む朝だったが、河原の木々は紅葉が始まったばかりで、橋の上から見る限り落葉の流下は少ない。この状況ならシンキングミノーを使った釣りも充分に楽しめそうだ。先行者の姿は見当たらなかったため、ゆっくりと準備を整え、午前6時半に入渓した。

石塚さんが手にするロッドは『ファインテールビギンズFFB-B4102UL』。渓流域における近距離のタイトなキャストから中距離まで対応できる、ちょうどよい長さのベイトモデルだ。「ルアーの重さをしっかりと感じながらキャストできるレギュラーテーパーのブランクスで、4〜6㎝のミノーを意のままにアクションさせられます。また、バットパワーがあるので、不意の大型魚がヒットしても安心です」と石塚さんは話す。

しばらく雨が降っていなかった影響で、この日の川は渇水気味。おそらく魚が瀬に付くような時季でもないので、少しでも深いポイントを探しながら遡行する。その途中、石塚さんに晩秋のねらい方についてうかがった。「積極的にベイトを追うというよりも、むしろ流れてくる陸生昆虫などを深場で待ち受けて捕食している印象です。ルアーを素早く動かすのではなく、確実に見つけてもらえるようスローに、じっくり誘うことを意識しています」

重要なのは魚の目の前にルアーを通し、リアクションバイトを促すイメージ。その点、水平姿勢のシミーフォールが十八番で、〝食わせの間〞がつくれる『エデン50S』は適役である。案の定、結果が出るまでにさほど時間はかからなかった。

ヒットしたのは岩盤のえぐれが形成する深み。いわば教科書どおりのポイントだが、丁寧なアプローチが実を結んだ。アップに投げた『エデン50S』をボトムバンプさせながら、最深部で2度、3度と跳ね上げたときだった。

「いいサイズ!」

石塚さんの声が弾む。掛かった瞬間の重量感から、大ものであることは明白であった。ところが、鮮やかなレッドバンドが水中に映るやいなや、そのニジマスは猛烈なダッシュを見せる。それでも『ファインテールビギンズ』は、決して主導権を渡さない。魚の急な走りに追従し、柔軟に曲がり込んで抵抗をいなす。そしてネットに収まったのは、50㎝クラスの見事なニジマス。ひし形で幅広な体躯が、コンディションの素晴らしさを物語っていた。

あえて繰り返し強調するが、『ファインテールビギンズ』は入門機種である。しかし、石塚さんが良型のニジマスを釣りあげたことからも分かるように、充分なパワーを兼ね備えている。性能、デザインともにエントリークラスの域を超えたロッドといってよいだろう。

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秋のニジマスは逞しく美しい。赤く染まった頬が紅葉を彷彿とさせる

 

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良型とのファイトでも主導権を渡さない。急な走りに追従し、柔軟に曲がり込む

 

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10月中旬、朝のようす。河原の木々は色づき始めたばかりで、落葉の流下は少なく、シンキングミノーでも快適に釣りができた

 

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※このページは『North Angler's』を再編集したものです。

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