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編集部2023年11月16日

【北海道】サンマの釣り方│釣果を伸ばすコツなど解説

釣りの仕掛け集

PEをうまく巻けていないとラインが切れてしまうことがあります。切れてしまわぬよう、正しく巻くコツをソルトルアー専門店スタッフに聞きました。

豊漁から得た「釣果を伸ばすコツ」

写真と文◎佐藤博之

「高級魚」が大量接岸!?

庶民の味方

サンマの来遊量(漁獲高)は今年も低水準が予想されている。となると、気になってくるのはその価格だ。8月に札幌中央卸売市場で行なわれた初セリでは、根室産の新物に1kg23万円(昨年の4倍以上)の値が付いたという。1尾あたりに換算すると2万8000円……。かつて「庶民の味方」として親しまれていたサンマは、もはや高級魚と化してしまったようだ。

このように不漁と価格高騰が嘆かれる近年のサンマだが、昨年の11月、オホーツク海沿岸に大量の群れが押し寄せる異変(?)が起こった。ニュースや新聞でも取り上げられていたほどなので、記憶に残っている人は多いのではないだろうか。かくいう私も、実際に網走港でかなりの好釣果を得た。

同地域では昔から10月下旬〜11月になるとサンマが釣れることは知っていたが、3桁超えの釣果は聞いたためしがない。もしかしたら昨年だけ特別だった可能性はあるものの、やはり今年も期待してしまう。そこで今回はサンマ接岸の準備として、昨年のようすと、豊漁から得た「釣果を伸ばすコツ」を紹介したい。

 

 

基本はジグサビキ

港内にも入ったが2日ほどでいなくなってしまった

昨年11月上旬、羅臼の知人から羅臼沖で豊漁の知らせが届いた。しかし「港内にも入ったが2日ほどでいなくなってしまった」と言う。その数日後、今度は網走でサンマが釣れているとの情報が入った。接岸しても長くはとどまらないイメージがある魚だけに、すぐに準備してその日のうちに出発した。

翌早朝の5時頃に到着すると、網走港はサンマねらいの釣り人でびっしり……。しかも釣れている! 一眠りしてから釣りを始めようと思っていたが、これは寝ている場合ではない。さっそくサオをだすことにした。

 

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昨年1 1 月上旬の釣行時、網走港はサンマねらいの釣り人で大いに賑わっていた

 

サンマの群れはどうやら手前よりも少し沖めを回遊している。よく釣っている人はサビキ仕掛けにジグを付けてねらっていた。この釣り方であれば、サビキ釣り用の磯ザオよりもルアーロッドのほうが扱いやすい。たまたま持ち合わせていたライトエギングタックルで釣りを開始した。

20mほどキャストし、ゆっくり巻いてくるとアタリが連発! 鈴なりに掛かるので、群れはかなり多いように思われた。

サンマは口が柔らかく、釣りあげるときに数尾は落ちてしまうのだが、それでも一度に4〜5尾は釣れる。こうやって数を伸ばしていくのがサビキ釣りの醍醐味だ。アタリが少なくなれば仕掛けをフォールさせてみたり、チョンチョンとアクションを付けたりするとヒットする。

海面でサンマがざわついているときは、着水後に1〜2秒沈めてからロッドを立てながら巻き始めるだけで食ってくることが多い。反応に乏しい場合はロッドを大きく縦にあおり、戻しつつリールを巻いてイトフケを取る「ロングジャーク」を繰り返す。またはロッドを小刻みに振りながら仕掛けを揺らす感じで誘うと効果的。

同行した伊藤麻衣さんはサンマ釣りが初めてだったが、「サンマがこんなに引くとは思っていなかった!」と興奮気味。そして「アタリがたくさんある釣りはやっぱり楽しい」と、キャストを繰り返していた。

普段はルアーフィッシングを楽しむ私だが、実際のところサビキ釣りは非常に面白く、好きな釣りの一つでもある。

 

 

最適な仕掛けは?

サビキ仕掛けはスキンやサバ皮など、おそらくどんな種類でも釣れる。ただ、いろいろと試してみた限りではキラキラと光る派手なものに反応がよかった。サイズが小さい場合や食いが悪いときは、ハリが小さく吸い込みやすいチカ専用仕掛け(フックサイズは5号以上)を使うのもアリ。一方で大型が多いときはニシンやシシャモ、キュウリウオ専用仕掛けが最適だ。

サンマは魚体が細長く、ファイトの際にイトが絡みやすい。ゆえに枝スの間隔が広い(目安は25cm前後)仕掛けを選んだほうが、トラブルも少なく安心。いずれにせよ、高活性時や大型が連発する場合は消耗が激しいので、予備の仕掛けは多めに用意しておきたい。

食いが渋いときやサンマが小さい場合は、チカ専用仕掛け(写真左)を選択。大型が多ければニシンやシシャモ、キュウリウオ専用仕掛け(写真右)が最適だ

食いが渋いときやサンマが小さい場合は、チカ専用仕掛け(写真左)を選択。大型が多ければニシンやシシャモ、キュウリウオ専用仕掛け(写真右)が最適だ。なお、枝スの間隔が広い(目安は25㎝前後)仕掛けを選んだほうがトラブルは少ない。オモリには20g前後の小型ジグを使用する。いずれにせよ高活性時や大型が連発する場合は消耗が激しいので、予備の仕掛けは多めに用意しておくと安心

 

多点掛けを待ちたい気持ちも分かるが、暴れさせると尾ビレにラインが巻き付き、ほどくのに時間がかかってしまう。無理せず都度釣りあげたほうが手返しはよくなり、結果的に釣果は伸びるはずだ。絡みの防止策としては、やや重めのオモリ(ジグ)を選ぶとよい。私のおすすめは、20g前後の小型ジグ。通常のサビキ釣りに使われるナス型オモリでは実現できないアクションが、仕掛けに躍動感を持たせる。これもまたジグサビキのメリットといえるだろう。

 

 

ルアーにも好反応

『月下美人』シリーズ

その日は魚影がすこぶる多く、釣れる時間がえんえんと続いた。いくらサビキ釣りが楽しいと言っても、さすがに気分転換が必要……。ダイワ『月下美人』シリーズのルアーも持って来ていたので、アジングロッドに持ち替えてねらってみることにした。

 

月下美人

ロッド:月下美人 AJING 68L-S
リール:月下美人X LT2000S
ライン:UVF月下美人デュラセンサー+Si² 0.3号
リーダー:月下美人フロロリーダー 3lb
※すべてダイワ

 

依然として見える範囲にサンマが回遊しており、『月下美人 豆タン』の1.5gを中層までフォールさせてスローに巻いてくる。すると、ルアーにガンガンとアタックしてくる感覚が手もとに伝わり、たまらなく面白い。『月下美人 豆タン』はアジ用なので付属するアシストフックのサイズが小さく、ハリ掛かりがよい。さらに、細い魚体からは想像できないほどの強い引きは、アジングロッドだと大いにスリリング! 

ルアー

 

口切れを防ぐためにドラグを緩めに設定していることも相まって、なおさらファイトが楽しい。足もとに群れが見えなくなっても、少し沖でライズが見られた。次は『月下美人 プリズナー』の5gに替えてキャスト。ちなみに、このルアーはフロントにティンセル付きかつサクサス加工のアシストフックが搭載されている。『月下美人 豆タン』で釣っているときにフォールでもアタリがあったことから「フロントフックにも食ってくるのでは?」と思い、リフト&フォールで誘ってみる。するとフォール中にひったくるようなアタリがあり、フロントフックをくわえたサンマがあがってきた。

サンマはプランクトンやアミ類を主に捕食しているからか、小型のジグに反応がよい気がする。小型のジグでこれらを演出するには、ゆっくりとフォールさせることが肝心。フリーフォールよりもむしろラインテンションを張ったカーブフォールのほうが、スローな釣りを展開できる。

巻きの釣りもよいが、こちらのほうが難しい反面「食わせた感」があって楽しい。フォールで食わせたときのサンマはサイズが大きかったので、上よりも下の層に良型がいる傾向があるのかもしれない。

沖で掛けると、釣れているサンマの後ろを何十尾、いや何百尾と付いて来て、最終的に隣のサビキ釣りの人にもヒット。釣れなくなると「またサンマを連れてきて!」と言われるようなパターンにすらなっていた(笑)。

ちなみに、この釣りは基本的に隣の人との間隔が狭い。オマツリを避けるためにも、できるだけ真っすぐにキャストしたい。サンマが沖にいるときは、ジグ単体のほうが飛距離とコントロール性が上がる。

また前述のように、沖から寄せてきたサンマは数百尾の群れになっている場合がある。ゆえに、撒きエサで大群を集めておきたい。撒きエサがない場合は、足もとにサビキ仕掛けを落としておくだけでもサンマはその場にとどまる。さらに、複数人での釣行なら各々異なる釣り方でねらうと効率的。あるいはルアー(仕掛け)を時間差で投入すれば、群れを散らすリスクを減らせるだろう。

いずれにせよ、これだけルアーに好反応を示してくれるのだからゲーム性は高い。群れの来遊状況にもよるが、サンマはライトゲームの対象(アジングならぬ「サンマング」?)としても非常に魅力的な魚だ。

 

 

 

 

 

 

※このページは『North Angler’s2023年12月号』を再編集したものです。

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