ワームを用いるのなら、ジグヘッドリグなどが定番のヒラメ釣り。そんななかで、ダウンショットリグを用いて釣果を上げている釣具屋店員さんに話を聞いた。
スイベル一体型シャフトが採用されたクレビスタイプのスピナー
写真=齋藤義典 解説=嶋田 淳一(石狩市)
いつもクマとの遭遇にビビりながらも、渓流釣りは楽しくて止められず、7~8月はヤマメとニジマスを追いかけている。トラウトを初めてヒットさせたのがスピナーというのもあり、使用機会は年々少なくなりつつも、ココゾという場面では手が伸びる。本音をいうとスピナーは「エサ」と思うほどよく釣れる。回転時の波動の強さとブレードの輝きは、数あるルアーのなかでも抜群のアピール度。あの小さなシルエットながら、水中での存在感はかなりのものだろう。
そんな特性からヤル気のある魚に効くのは間違いないが、何といってもネックになるのはイトヨレだ。今でこそスイベルを装着したスピナーが主流になり、多少は抑えられるものの完全になくなるわけではない。だからこそ、ココゾの場面でしか手が伸びないのだ。
いろいろ使ったが、多用するのはボディーの重いタイプ。私の場合、スピナーは数釣りのルアーと思っていない。ミノーに反応しない大ものにねらいを定めて使用する。早瀬のなかで浮き上がりにくく、ピンスポットで沈められる。昔なら『パンサー』などが該当するが、国産では少なかった。そんななか登場したのが『シルバークリークスピナー』。ナス型オモリのようなボディーを備え、現代ふうのローリングスイベル一体型シャフトを採用し、最初見たとき「コレだ!」と手に取った。さらに6gまであるのもよかった。たった1gの違いでも流れが複雑な渓流だと差が出る。中規模河川を釣り歩くときは6gを必ず携帯している。
意外かもしれないが、着水時から勝負は始まっている。なぜならブレードをキラキラさせながら落ちていくと、魚からすると相当インパクトがあると感じるため。線の釣りだと思われがちだが、ねらったスポットに正確に落とすのが大切。そして速やかに立ち上げてブレードを回すことで魚が食いついてくる。
もう一つスピナーの利点は、小さいためフッキングがよいこと。ポイントによっては一発で決めないといけない場面があるが、そんなシーンでは頼りになる。
※このページは『North Angler's(ノースアングラーズ) 2024年8月号』を再編集したものです。
- 『North Angler's(ノースアングラーズ) 2024年8月号』
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