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編集部2023年8月23日

北海道/渚滑川空撮ガイド

NorthAnglers

『増補改訂版 釣り旅北海道』好評発売中です。渚滑川の空撮ガイドなど内容盛りだくさんの1冊です

『増補改訂版 釣り旅北海道』好評発売中です

オホーツクエリアトラウトの名川

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渚滑川は天塩岳の東側を水源に持ち、オホーツク中部の内陸を横断して海へと注ぐ約84kmの中規模河川。安定した釣果が望めるニジマス釣り場だ。中流部から上流のニジマスを釣りやすい区間は、地元の滝上町がキャッチアンドリリース条例を施行している。

上流域は落差のある山岳渓流。中流部は水量豊富な岩盤床と砂利床のフリーストーンの区間。豊かな森林地帯の中を蛇行しながら流れる。なお滝上町市街から下流は、しばらく深い渓谷が続き、その下で一気に河原が広がる区間は魚影が濃い。初心者も含めて気持ちよく釣りに集中できる。

サクルー、オシラネップ、立牛といった支流群は魚影がやや少なくなるが、抜群の渓相が魅力である。源流部にはオショロコマが、そのやや下流部にはアメマス=エゾイワナが生息し、中流部にはニジマスが棲む。

周辺は豊かな森林で、その落葉をエサとする水生昆虫が多い。初夏と晩秋は水生昆虫の羽化が多く、盛夏から秋にかけては陸生昆虫が重要なエサになっている。これはルアー・フライともに攻略のカギになる。

 

 

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魚を守る地元の方々の取り組み

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この川の存在が全国的にも際立っているのが、キャッチアンドリリースルールの導入だ。川の中心にある滝上町が、四半世紀以上前から取り組んでおり、釣り観光の画期的な仕組みを作っている。1995年に始まり、現在は約30kmもの長い距離で魚が守られている。他にもサオは1人1本、シングルフックオンリー、禁漁期間などの規則がある。道内では数少ない「ルールが法制化」された川だ。

渚滑川では春の産卵期の魚を保護するため、解禁は5月1日から11月30日まで。だがシーズン初期は例年、雪解け水による濁りと増水があり、実質的な解禁は6月初旬から。水位が落ち着くのと同時に、水生昆虫や陸生昆虫、特にハルゼミなどの大型昆虫の流下などで魚は活性が高くなり、6〜7月はハイシーズンになる。

7月後半から8月半ばの盛夏も釣りは可能だが、高水温と渇水が重なると厳しくなる。ニジマスは岩場のエグレや川底に張り付き、なかなか表層に出てこようとしない。

例年、8月後半のお盆には朝晩の気温が低くなり、トラウトの釣りは好調を取り戻す。9月から10月にかけては水生昆虫の羽化が多くなり、それらを捕食するライズが増え、エキサイティングな釣りができる。

 

 

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ニジマス以外の魚種もねらえる

主なターゲットはニジマス。毎年、町やNPO法人、その他の釣り団体などから一定量の成魚放流がされているほか、最近では発眼卵による放流も行なわれている。また、自然産卵による個体も増えているようだ。

上流部では、かなり大型のアメマスがヒットする。これは陸封型なので、大型エゾイワナといえる魚。また最上流部や小さな枝沢には小型だがオショロコマが生息し、低番手のショートロッドやテンカラ釣りでもねらえる。初心者も気軽に釣りができるだろう。

ただし、流域はどこもヒグマのテリトリー。特に上流部はヒグマによる事故も起きており、単独行や朝夕のマヅメ時は釣行を控えるべき。鈴や熊スプレーなど、万が一のための装備は忘れてはいけない。また看板が設置された駐車スペース以外、特に農地などの駐車はNGだ。

なお、滝上町では、釣りの体験観光振興と魚の保護のため、キャッチ&リリース条例が施行されている。ここで釣 りをする人は釣った魚を殺さずにリリース(再放流)しなければならない。詳細はホームページを参照してほしい。

 

 

淵や瀬、カケアガリ、水中の障害物……流れのようすをドローンで撮影しました

詳しくは本誌にて確認できます。他にも阿寒湖の空撮ガイドなど内容盛りだくさんの1冊に仕上がっています。

※なお、ドローンを利用した空撮は航空法順守、土地管理者などの許可のもと、撮影しています。

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※このページは『増補改訂版 釣り旅北海道』を再編集したものです。

 

本

『ザ・ヒストリー・オブ・ルアーフィッシング~ルアー&リール 進化の軌跡』

国内外で広く親しまれている疑似餌釣り=ルアーフィッシング。その起源や発展の歴史を、リールとルアーの登場・進化の過程に軸足を置きながら当時の文献・雑誌記事を掘り起こし解説を試みた本邦初の書。 新しいスタイルのリールは、登場する度にルアーの小型化・軽量化を可能にし、ルアーフィッシングの発展に大きく貢献してきた。英国で古くから発達した片軸受けリールは20世紀に入ると米国式の両軸受けリールに駆逐される運命をたどるが、第二次世界大戦後は逆に英国発祥のスピニングリールが米国へ輸入され未曾有の大流行を巻き起こしていく…。 また一方、新勢力の台頭が旧勢力から反発を買うのは世の習いで、中世より西洋釣魚界に君臨するライフィッシング愛好家は、自分たちの聖域に土足で踏み込む兄弟を軽蔑し、公然と敵視した。 歴代の釣り人たちが遺したそれぞれの主張を織り交ぜながら、英国・米国のリール史と時代を彩ったルアー、それらに熱中し時には翻弄されていく当時の釣り人模様までを、著者が時の彼方から召喚し、鮮やかに浮かび上がらせる。 『ザ・ヒストリー・オブ・バンブーフライロッド』『ザ・ヒストリー・オブ・トラウトフライズ』に続く待望の三部作、全ルアー・フライアングラー必読の書。

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