冬の日本海で釣れるソウハチは比較的サイズがよく、30㎝オーバーも珍しくない。釣ってすぐに締め、低温下で干すと臭みの少ない上品な風味に仕上げることができる。「独特の匂いが苦手で……」と敬遠気味だった家族からも好評だ。
地元アングラーが旬の釣りをリポート。ターゲットの横顔、適合タックル、実績メソッド、そして有望ポイントを紹介していただく。さぁ、初冬のフィールドに飛び出し、最高の一尾をゲットしよう!
師走は日本海へGO
12月は日本海へソウハチをねらいにいくのが例年の楽しみ。この時季は日没が一年で最も早いが、それも好都合。なぜならソウハチは夜釣りで釣果が上がるからだ。忘年会などがあった翌日、ゆっくり起きて昼過ぎに出発しても充分間に合う(笑)。
冬の日本海で釣れるソウハチは比較的サイズがよく、30㎝オーバーも珍しくない。釣ってすぐに締め、低温下で干すと臭みの少ない上品な風味に仕上げることができる。「独特の匂いが苦手で……」と敬遠気味だった家族からも好評だ。
今回は昨年末に好釣果を得られた寿都漁港のソウハチ釣りを紹介。同港は初冬の西風に強く、積丹の磯がウネリで釣りにならないときでも楽しめる。
タックル&タクティクス
投げザオは4.05m、オモリ負荷23~30号が無難。リールは投げ専用の大型スピニング。ミチイトはPE0.8~1.2号。ちなみに私は、海サクラやロックフィッシュで使っていたラインを投げ用のリールに巻き直し、裏返して使うことが多い。チカライトはPE1→6号、ナイロン2~3→8号。
仕掛けはドウヅキ2本バリ。私は自作しているが、市販のカレイ用12~14号でもOK。自作するならハリは丸セイゴ13~15号、カレイ14号、ムツ16号、チヌ5~6号など。エサは塩イソメ、イカの短冊など。後者は赤く染めるのが一般的だが、そのままでも釣れる。オモリは23~30号。
釣り方は次のとおり。遠投して着底後、イトフケを回収したらズル引き。リールを巻く手が少し重くなる場所に仕掛けを置く。魚がいれば反応が来るのは比較的早い。アタリがなければ近くにいないと判断し、積極的に仕掛けを動かしたい。そのほうが身体も温まるだろう。
フィールド&アドバイス
最も期待できるのは北外防波堤の先端。基部から先端まで距離があるが、その労力に見合う釣果は期待できるはず。正面に投げるとソウハチの他、ツマグロカジカ、マガレイ、ホッケも掛かる。
なお、黄色と黒のコントラストが鮮やかなツマグロカジカは、釣れても歓迎しない方が多いとはいえ、決して不味い魚ではない。弾力ある身質で鍋、唐揚げにするとイケる。ただ、他のカジカ類と同様、三枚おろしに適さない骨の入り方。サイズが小さいと可食部は少ない。キープするなら35㎝以上の良型がベター。
投げのカレイ釣りでは、アタリがあったら食い込むまで少し待つのが定石とはいえ、小さいアタリを放置すると、小型のカジカが掛かりやすく、ソウハチのヒットチャンスを潰してしまいがち。反応があったらその都度仕掛けを確認したい。
この記事は『North Angler's』2022年1・2月合併号に掲載されているものを再編集して公開しています。