一時は水揚げが激減していたニシン。乱獲、温暖化、環境悪化など、その要因はいくつか挙げられるが、北海道の歴史を彩った魚だけに、海岸で姿を見られない時期はとても寂しかった。しかし近年、関係者による稚魚の放流などにより資源量が復活傾向。今回は函館港のニシン釣りを紹介したい。
地元アングラーが旬の釣りをリポート。ターゲットの横顔、適合タックル、実績メソッド、そして有望ポイントを紹介していただく。さぁ、早春のフィールドに飛び出し、最高の一尾をゲットしよう!
復活
一時は水揚げが激減していたニシン。乱獲、温暖化、環境悪化など、その要因はいくつか挙げられるが、北海道の歴史を彩った魚だけに、海岸で姿を見られない時期はとても寂しかった。しかし近年、関係者による稚魚の放流などにより資源量が復活傾向。空の雲が落ちたような、海が白一色になる大きな群来もしばしば確認されるようになり、かつてのにぎわいが少しずつ戻ってきているのはうれしい限り。
我々道南の釣り人も、復活したニシンの恩恵にあずかるようになって久しい。気になる今年の動向だが、幸いにも接岸してくれている。今回は函館港のニシン釣りを紹介したい。
タックル&タクティクス
函館港ではジグサビキでねらうのが一般的。私は遠投で広く探るべく、ロッドはサクラマスやヒラメねらいで愛用している9フィート前後、ルアーウエイトMAX30~40gのソルトウオーター用を流用。ティップが硬すぎるロッドだと、ニシンの繊細なアタリをフッキングに持ち込みにくい。
サビキ仕掛けは市販のニシン用9~10号。オモリの代わりにセットするジグは28g程度が無難。これ以上重くすると、テンションフォールでフォールスピードを遅くしてもニシンが追い切れないと感じる。ジグにヒットすることも多々ある。そのときに幸せを感じるのは、ルアーを愛するアングラーの性(笑)。
キャスト後にルアーが着水したら、カウントダウンしながらボトムに到達するまでテンションフォール。アタリは「グン!」とくる。反応があったカウントを覚えておき、次からはそのレンジを重点的にねらう。状況によりショートジャークを入れ、フォールと組み合わせて誘うのも有効だ。
フィールド&アドバイス
◎港町埠頭
函館港屈指の人気釣り場。実績ポイントゆえ、ゲートが開いてからではすでに入る場所がないことも。ここは水深が深く、ヒットレンジを探す過程が面白い。また、向かい風のときによい釣りができる傾向にある。
◎北埠頭
フェリー乗り場右側の角が人気。沖に向かっての遠投が基本だが、ここも岸際まで丁寧に探ると、足もとで釣れる。なお、函館港内のニシンがいる場所には、必ずといってよいほどプレジャーボートがいる。またはトリヤマが立つ。海をよく観察したい。
◎海岸町船溜まり
アルファベットのFの形をした埠頭で、角の先端部が有望。日中は水深の深い船道にアプローチすることを意識したい。この他、海洋センター前の岸壁も面白い。停泊中の船舶の間からキャストするので、大勢が入れる場所ではないが、水深が深く期待できる。
この記事は『North Angler's』2022年3・4月合併号に掲載されているものを再編集して公開しています。