宮崎県在住のブルーカレント使いとして知られる郡司和福さんにブルーカレントⅢの魅力を聞いた
宮崎県在住のブルーカレント使いとして知られる郡司和福さんにブルーカレントⅢの魅力を聞いた
写真と文◎藤原武史
郡司さんが語るブルーカレントⅢシリーズ
82はシリーズ最長で一番重いルアー(MAX20g)が使える。サーフやエギング(3.5 号まで)、チニングにも使える。
711は軽量ジグヘッドを遠くへ飛ばすことができ、なおかつ繊細な操作感を持つ。フロートリグなどで使用するのにも適している。少しスローなテーパー。
76はシリーズ中で最もパワーのあるロッド。チヌのトップゲームやライトロックフィッシュゲームに最適。
74はこのシリーズの主軸を担うロッド。オールマイティーな作りになっており、どのような釣りにも使いやすく対応が効く。
69は今回実釣でも使ったロッド。シリーズ中で最も繊細なティップを搭載しジグヘッドのテクニカルな操作にも対応していながら、プラグにもマッチ。
63はよく曲がり軽量のジグヘッドも遠くに飛ばすことができ、適度な張りがあることで着底や潮の流れも感じやすい。
510は張りがありジグ単をメインにした近距離のアジングに最適なロッド。
53はショートレングスのため取り回しがよく510 と同じくアジングに最適なほか渓流ミノーイング、エリアトラウトでも活躍する。
Bは(ベイトリール)タイプ。同じ長さのスピニングとブランクスは同じ。違いはガイドの設定。ブランクスに近い場所からラインが放出されることにより張りとパワーがあるように感じる。
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT
魚種を限定しないスタイルのブルーカレントⅢ
メイド・イン・九州の誇りとして、特に九州のアングラーにおけるヤマガブランクスへの信頼感は揺るぎがない。
青物やGTといったビッグゲームはもちろんのこと、アジングにおいてもファンの心をつかんで離さない
同社のブルーカレントはその時々のライトゲームマニアから支持され、現在は三代目のⅢとしてシリーズ展開がされている。
現在の市場では対象魚も細分化が進んでアジングロッド、メバリングロッド、チニングロッドなど特化したロッドが多いなか、ブルーカレントは特に魚種を限定しないスタイルを貫いて、アジングマニアに愛され続けている稀有な存在だ。
そもそも、こうした専用ロッドが求められる背景にあるのは、魚種によって釣り方やリグが変わってくるためでもある。大雑把に言えば、メバルは巻きの釣りでアジは巻かないでアクションを入れて食わせる釣りになる。そのためアジのロッドは張りがあって軽量のジグヘッドに細かいアクションを入れられて、フォール時に軽いジグヘッドの重さを感じられることが重要になってくる。メバルではむしろ巻いてくる時に食ってくるメバルのアタリを弾かないような軟らかさが求められる。「でも、考えてみてください。アジは巻きの釣りで釣れませんか。メバルはアクションを入れると釣れませんか。答えは否です」と郡司さん。つまりロッドに求められるのは、アジングロッドやメバリングロッドという名称やカテゴライズではなく、自分の釣りに合っているアクションのロッドということになる。
そう考えるとブルーカレントⅢは、自分の釣りが分かっている人がそれに合わせて選んでいくロッドと言える。長さの違いは実はテーパーの違いにもなっていて、使えるシンカーの重さも違ってくる。それを参考にして自分の釣りにあったものを選んでいけばいい。
ブルーカレントⅢは専用のアジングロッドのように打てば響くほどの高感度や張りの強さを追求していない。その分、さまざまなシチュエーションに幅広く対応しており、今回の前半戦で行なったサーフアジングなどにもマッチした1本が見つかるし、ジグヘッドの操作では着底やアタリなどの必要な情報はしっかり伝えてくれ、掛けたあとの釣り味にも重きを置いている。
このシチュエーションならこの1本というロッド合わせの妙があり、それが決まれば無上の楽しさが感じられるロッドであり、対応するターゲットの多さも含めて出番の非常に多いロッドである。
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT
九州東岸ランガンで改めてライトゲームの楽しさを痛感
取材も終わってカメラもしまったのち、「もう少し釣っていきましょう」となり、郡司和福さんと二人でアジングを続けていると、いきなり真っ暗闇の中から「アジング、楽しい!」という叫び声が聞こえてきたので、記者は思わず吹き出してしまった。
続けて「いやあ、アジングってこうじゃなくちゃいけませんよね。今日は久しぶりのアジングだったので楽しみたいなと思って、69を持ってきてホント正解でした。あははははぁ」と。
ブルーカレントⅢ 69 の穂先。ソリッドと見まがうほど細くしなやかでありながらしっかりとした張りがありルアーの細かな操作に対応できる
郡司さんは楽しくて仕方がないようす
入れ食いとはいかないが、適度なタイミングで25cmほどのアジが釣れ続く状況では無理もない言葉だが、その言葉には二つの意味合いが入っている。
一つ目は、今日の状況のせいだ。早朝のサーフから始まり、大きく場所を変えながら5、6ヵ所のポイントを回ってみても全くアジの姿が見えず、最後の頼みと選んだポイントでアジが釣れたことの安堵感、そして取材が終わった開放感。
二つ目は、郡司さんの言葉にもあったブルーカレントⅢ69による釣趣のためだ。
記者も郡司さんから69を借りて釣りをしたところ「なるほど、これは楽しい!」と叫んでしまった。
この日のアジはアタリが取りづらく簡単に釣れるような状況ではなく、流れの中で1、2秒だけボトムステイさせるとついばむようなアタリがあり、その中から本アタリを拾っていく感じだった。私が使っているロッドでは3回に2回はミスアワセになってしまう中で、69ではしっかりフックまで口に入ったことを見極めてアワセを入れることができた。フッキングが決まると思わずガッツポーズがしたくなるような展開で、これはかなり嬉しい。
チューブラのティップがしなやかでありながらベリー部分が絶妙な張りがあるので掛けていく楽しみがあり、魚を掛けた後の魚とのやり取りがまた「楽しい!」と思えるロッドなのだ。
ブルーカレントⅢ 69 でキャッチしたヒラスズキはドラグを1mmも動かすことなくあっという間に寄せた。ロッドの曲がりとパワーを信頼しているのだ
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT
郡司式アジング
郡司さんのタックルを借りてわかったのは、ドラグがきっちり締まっていることで、聞けば「ドラグを出されるのは負けですから(笑)」と言う。先ほど50cm弱のヒラスズキを釣った時もこのままだったらしい。ロッドが魚の抵抗を吸収してドラグ並みの仕事をしているためかもしれない。このような釣り方もできるということだろう。
それと郡司さんは、ドラグを出さない釣りをするのだから当然といえば当然なのだがエステルラインを使わない。PEを使ってピンポイントをねらい、反応がなければ移動する。
そのように非常にシンプルな考え方でアジングを楽しんでいる。ジグヘッドは縦にシェイクする時はラウンド系を、横に動かす時にはダート系を使う。それとドラグを出さないという釣り方とも関係するが、ゲイブの開いたタイプのフックはあまり使わない。
「以前、船で釣りをした時に100gのメタルジグに普通にアジが食ってきたことがあったのです。それから、これでしか食わないといったこだわりはなくなりました(笑)」
実際、フックは重さ毎に各メーカーの多彩なジグヘッドがケースに入っているし、ワームもすべてストレート系で色分けはしいるもののメーカーや種類はさまざまだ。唯一こだわっているのがプラグで、これは釣ってみたいと思ったものと実績の高いものを使っているらしい。
釣れない魚を何とかして釣っていくのもアジングの面白いところだが、釣れる魚を探していくランガンスタイルもまたアジングなのだろう。
アジングを含むライトゲーム全般でプラグを多用する郡司さん。特にお気に入りという5 種類。左からザブラ ゾエアリプル45F(ジップベイツ)、ザブラ ラファエル(ジップベイツ)、月下美人 澪示威R45S(ダイワ)、ライジングショットDH46(シマノ)、ライジングミノー43 初期型(タックルハウス)
アジング用のワームケース。カラーによる色分けはされているが中のワームの種類は色々なメーカーが入っていて、釣れて減った分を補充していく感じだ
今回の釣行で使用したタックル
【オープンエリア用】
ロッド●ブルーカレントⅢ 82(ヤマガブランクス)
リール● 14 ステラC2500S(シマノ)
ライン● PE 0.6 号+フロロカーボン8Lb
【堤防用】
ロッド●ブルーカレントⅢ 69(ヤマガブランクス)
リール● 14 ステラC2000HGS(シマノ)
ライン● PE 0.3 号+フロロカーボン1 号
このほか●ブルーカレントⅢの63 と74 をサブロッドとして用意
この日は多彩なロッドのシリーズにマッチするシチュエーションを求めて宮崎から大分までを走り回った。最後は25cmクラスのアジが溜まっているエリアに辿り着いて連発!
※このページは『つり人2024年1月号』を再編集したものです。