ブランク、ガイド、グリップを組み合わせこだわりの自作ロッドを仕立てるロッドビルディングの世界。まずは愛竿のガイドを新しくしてみることから始めてみては?

写真と文◎月刊つり人編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
目次
ガイド交換の意義
既製品にないこだわりのロッドが欲しいとなると、ブランク、ガイド、グリップをパーツから揃え、自分で組み上げるロッドビルディングの世界の門をたたくことになる。
筆者(つり人編集部・アライ)は、高校生のころからこの世界に手を出しており、ガイドの取り付けなどひと通りはできる。その話を聞きつけた副編集長のナガシマがロッドを改造してほしいと言ってきた。なんでも愛用のロッドに不満があり、ガイドを付け替えたいのだとか。よい機会なのでそのようすを紹介しよう。必要な道具とパーツ類さえ揃えれば意外と簡単にできることを知ってもらえると思う。経験で学んだコツなども参考にしていただければ幸いだ。
ロッドの進歩とともにガイドセッティングもまた進歩してきた。それはより軽量であったりライントラブルの少ない形状であったりするガイドが登場したからでもあるし、ラインの主流がモノフィラからPEに移り変わってきたのもその理由だ。旧式になったロッドでもガイドを交換することで、今どきの釣り方に合った使用感にブラッシュアップすることもできるのだ。
たとえば今回のナガシマのロッドは、ソルト用の6フィート5インチでMLパワーのスピニングロッド。遠征に便利な3ピースのモデルで、いろいろなターゲットをこの一本で楽しめるように、というコンセプトのモデルだ。ナガシマはボートシーバスで使用しているのだが、比較的大きめなリング径ガイドでガイド同士の間隔も広いためか、横風のなかPEラインでキャストしているとガイド間でラインが膨らみ絡むトラブルが多いという。
そこで、ガイドをオリジナルよりも小口径化しつつ数も増やして、ガイド間の弛みを少なくしたい。さらにオリジナルではステンレスフレームのガイドだったところ、せっかくなのでチタン製に替えて軽快な振り感にもしたいという要望だ。
それでは作業のようすを順に紹介しよう。
ガイド交換に必要な道具
②スレッド
③ 2液性エポキシコーティング剤
④ 2液性エポキシ接着剤
⑤ PEライン(1号前後)
⑥デザインナイフ
⑦カッター
⑧筆(使い捨て)
⑨プラスチックカップ(なるべく小さいもの)
⑩燃料用アルコール
⑪アルコールランプ
⑫ティッシュ
⑬フィニッシングモーター
⑭油性サインペン
⑮マスキングテープ
⑯瞬間接着剤
⑰定規
⑱プライヤー
⑲耐水ペーパー(# 400 〜800 前後)
このほか敷き紙(チラシ、メモ用紙など)と、雑誌も数冊あると便利
釣り竿のガイド交換・修理の手順
1.古いガイドを外す。スレッドをカッターで削る

2.ブランクに残ったエポキシをきれいに除去する
3.トップガイドの外し方。熱を加えて引き抜く
4.新しいガイドの向きと位置を決める
5.トップガイドを2液性エポキシ接着剤で取り付ける



6.スレッドを巻く。抜き輪を使った端の処理


7.エポキシコーティングで仕上げる
ガイドとスレッドについて
ガイドはスレッドと呼ばれるイトでブランクに巻きつけられたところにエポキシ樹脂のコーティングで固められて取り付けられている。スレッドはさまざまなカラーのものが販売されており、エポキシをしみ込ませると透けてガイドの足が見えるもの、透けずにそのままの色が発色するものがあるので好みで選べばよい。
ガイドの種類、サイズ、数を決めるには、富士工業が公開しているカタログの参考ガイドスペックを参照してみよう。対象魚種とロッドの長さごとに標準的なガイドの取り付け位置、サイズ、型番がわかる。はじめのうちはそれをもとに必要な個数とサイズを決めるのがよい。あるいは手持ちの既製品で似たパワーと調子のものがあるならそれも大いに参考になる。
一般に発売されている富士工業のガイドのフレーム素材はチタンとステンレスから選べる。軽量化を求めるならチタンだが価格が割高だ。ステンレスは安価だが重い。ただし、重いのが必ずしも悪いわけではなく、ロッドの反発スピードを抑えキャスト時のリリースタイミングをつかみやすくするためにあえてステンレスガイドを乗せて組むこともある。
ガイドリングの素材は、チタンフレームではSiCとトルザイトがある(ステンレスはSiCのみ)。どちらも宝石のように表面が滑らかでラインに優しく、石英やステンレスよりも硬いのでフックや砂粒がこすれても削れることのない優秀な素材だ。より高級なロッドに使われることが多いのはトルザイトで、そのメリットはSiCより厚みが薄く、ラインが通る内径が同じならガイド全体がより小さく、その分軽快なロッドに仕上がるため。一方、SiCは放熱性に優れているので、摩擦熱によるラインのダメージを抑えられる。ラインテンションが常にかかり続ける釣りで選ぶとその恩恵が大きい。



