オールラウンドなルアーロッドである「ブルーカレントⅢ」ならさまざまな釣りをワンタックルで楽しむことができる。今回はカマスの好釣果を聞き、外房エリアを探検した。
オールラウンドなルアーロッドである「ブルーカレントⅢ」ならさまざまな釣りをワンタックルで楽しむことができる。今回はカマスの好釣果を聞き、外房エリアを探検した。
写真と文◎編集部
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カマスの大群が襲来している!?
3月某日のつり人編集部。4月号が無事校了となり、「釣りに行きたいなー」とムズムズしていた編集部員トガワのもとに「外房エリアのカマスの釣れ具合が凄いらしい」という風の便りが届いた。今号の「イカ釣り場ガイド」でも外房エリアの釣り場を紹介してくれている「ソルトマン」の店主古山和彦さんに詳細を聞くと、御宿エリアから南房総エリアにかけてと広範囲でカマスの釣果が出ているとのこと。自然相手ゆえにいつまで釣れ続けるかは分からないとも教えてくれた。
編集長お墨付きの「釣った魚はなんでも食べてみたいマン」であるトガワだが、実はカマスは食べたことがない。「膳は急げだ!」ということで副編集長のナガシマに同行をお願いしてさっそく外房エリアへに車を走らせた。
ライトソルトを楽しむ一本
今回はカマスの情報を聞いて現地へ向かったが、外房エリアのライトゲームで釣れる魚はもちろんカマスばかりではない。季節に応じてアジやメバル、カサゴ、セイゴ、サバなどの幅広いターゲットをねらうことができる。今回もアジやメバルの釣果が出ているとのことだったため、タックルは専用よりも多彩なルアーを使える汎用性が高いものを選ぶことにした。
二人が使用したのはヤマガブランクスから発売されている「ブルーカレントⅢ」シリーズ。同メーカーがロッドにおける基礎性能として定めた「軽い」、「よく飛ぶ」、「強い」という3つの要素を追求し開発されたソルトルアー用ロッドシリーズだ。レングスごとに得意な釣法はあれど、ルアーや釣法を選ばずに使うことができるのが特徴。強い張りがない分、ジグ単もプラグも使いやすく幅広いシチュエーションに対応できるバランスがよい設計となっている。
ナガシマが選んだのは74。10gまでのウエイトをキャストできるモデルで、1.6~7.8gのプラグや0.3~7gのジグ単、1~10gのフロートリグやキャロライナリグ、ダウンショットリグなどが扱いやすい。リールは「12ヴァンキッシュC2500S」(シマノ)、メインラインはPE0.3号、リーダーはフロロカーボン6ポンドを使用。メバル用プラグや3~10gの軽量メタルジグをメインに使用する作戦によるタックルセッティングだ。
トガワが使用したのは63。5gまでのウエイトをキャストすることができるモデルだ。もちろんプラグにも使用できるが、短めのレングスからくる操作感は特にジグ単の使用に長け、リフトアンドフォールやシェイキングなどのアクションを付けやすい。リールは「月下美人LT2000S」(ダイワ)、メインラインはエステルライン0.25号、リーダーはフロロカーボン3ポンドを使用。0.5~5gのジグ単を使用する作戦でタックルを組んだ。
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ご機嫌ナナメの太平洋
最初に訪れたのは南房総市の和田漁港。サイズは小さいがカマスの釣果がコンスタントに出ていると教えてもらったポイントだ。車のドアを開けると爽やかな潮風が出迎えてくれた。日差しも柔らかい小春日和で、釣りをするには最高の気候だ。が、海を見て僕たちは唖然とした。
「めちゃくちゃ荒れてますね……」
めちゃくちゃ荒れている
前日まで吹いていた強風で外洋側の堤防には高い波が打ち付けている。港内には強いウネリが入り込み、水は水深50cmほどまでしか視認できないほど濁っていた。周囲では3人の釣り人がメタルジグなどをキャストしていたがサオは曲がらず、すぐに帰ってしまった。二人ともスピンテールジグなどで一通り反応を探り、早々に切り上げて移動することにした。
ナガシマはヒラスズキのワンチャンスを期待して外海に向けてルアーをキャストしたが、残念ながらノーバイト
その後、岩和田漁港や実入の磯などのいくつかのポイントを巡ってみたが強いウネリによって底荒れしている状況はどこも変わらない。
最初に訪れた南房総市の和田漁港のようす。外房エリア全体が前日までの強風を引きずっているようだった
ようやく魚の顔が見られたのはすっかり日が沈んでからだった。ポイントは勝浦エリアの川津港。幸い、漁港の入り口から200mほど離れている最奥部のスロープ周辺はウネリの影響があまり入っておらず、明暗部で30cmほどのセイゴが入れ掛かりとなった。ヒットルアーは0.8~1gのジグヘッドとクリア系カラーのピンテールワーム2インチを組み合わせたジグ単で、アクションは表層を漂わせるようなタダ巻きだった。
「ようやく魚の顔が見られたね~(笑)」
とナガシマも嬉しそう。互いに2~3尾ずつ交代で釣って満足したが、カマスの姿は見えなかった。
無事セイゴを釣ったトガワ
嬉しそうなナガシマ
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パラダイスとなったのは大型漁港
最後に訪れたのは川津港から車で5分ほどの勝浦港。水深が深い大型漁港であるため濁りやウネリが幾分かマシだろうと踏んでの判断だ。到着すると再び唖然。今まで巡ってきたポイントにはほとんど釣り人の姿がなかったが、3~5m間隔で釣り人が並んでいる。ようすを見て回っている最中もそこかしこでドラグ音が響き、次々とカマスが抜き上げられていた。僕たちもさっそくタックルを準備し、堤防の端に釣り座を構えた。
ナガシマが最初に結んだのは5cm前後のハイアピールなプラグ。トガワは2.5gのダート系ジグヘッドとチャート系カラーのピンテールワーム2インチを組み合わせたジグ単で中層~ボトムを探ることにした
「毎投釣れちゃうんじゃない?」
とワクワクしていたトガワだったが、現実はそう甘くない。カマスは見えるところまで追尾してくるものの、バイトの直前で踵を返してしまう。
常夜灯の明かりで魚体が見えたがバイト直前で見切られてしまう
「結構見切るね~」
ナガシマも苦戦気味。連日さまざまなルアーを見ているカマスたちはスレ気味のようす。トガワはラウンド型ジグヘッド1gとクリア系カラーのリブが深いピンテールワーム2インチを組み合わせたジグ単に、ナガシマはスローシンキングのリップレスミノーに変更した。フワフワとルアーを漂わせていると二人のロッドが満月にしなる。上がってきたのは20cmほどのアカカマスだ。
その後、同じコースでアクションを変えずに通しているとしだいに反応は遠のくが、トゥイッチや早巻きを織り交ぜると再びカマスがルアーにアタックしてくる。しばしの入れ掛かりを楽しんだ後、食べる分だけをキープして納竿。ジグ単やノーシンカー、プラグなどの多彩なルアーを使って、昼と夜をワンタックルで楽しむことができた。
「いやー、無事カマスをゲットできてよかったねぇ」
とナガシマとトガワは安堵。ようやく手にした10尾のアカカマスは塩焼きにしていただいた。クセがない淡泊な味わいの身と皮の風味のバランスが非常に美味だと感じた。一夜干しや刺身なども美味しいと聞いたので、次回釣れた時は他の料理も試してみたい。
大切に持ち帰って塩焼きでいただいた
※このページは『つり人 2024年5月号』を再編集したものです。