編集部2021年1月28日

ネオニコチノイド系殺虫剤に頼らない稲作、兵庫県豊岡市「コウノトリ育む農法」を取材しました

環境レポート 月刊つり人ブログ

「ネオニコが環境によくないのはわかるけど、では実際問題として農薬を使わずにお米を作ることなど可能なのか? どのくらい現実的なのか?」。『つり人』2021年3月号では、減農薬・無農薬での水稲栽培を確立した兵庫県豊岡市の「コウノトリ育む農法」の事例を取材させていただきました。

農薬を使わずにお米を作るのはどのくらい現実的なのか?

取材協力◎兵庫県但馬県民局、豊岡市コウノトリ共生部

 月刊『つり人』編集部では2020年から「魚はなぜ減った? 見えない真犯人を追う」と題して、水田で使われる農薬の一種であるネオニコチノイド系殺虫剤が、水辺の環境に与える影響を問題提起する連載記事を掲載してきました。

 この連載では、島根県・宍道湖の魚類の減少とこの農薬の関係を明らかにした論文を『Science』誌で発表した東京大学の山室真澄教授に執筆を依頼。ヒトをはじめとする脊椎動物には安全性が高いとされ農業の現場で重宝されているこの殺虫剤が、どのように生態系へ影響を与えるに至ったのかを、水中の食物連鎖の構造から解説をしていただきました。

◆山室教授らの研究の概要は産業技術総合研究所のリリースで読むことができます
ウナギやワカサギの減少の一因として殺虫剤が浮上(産総研プレスリリース)

 しかし、そうは言っても、ネオニコチノイド系殺虫剤をはじめとする化学農薬の恩恵を受けているからこそ、農家の皆さんは安心して作物を作り続けることができ、我々消費者もいまの値段で高品質なお米を食べられることも事実です。

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写真はイメージ

 「ネオニコが環境によくないのはわかるけど、では実際問題として農薬を使わずにお米を作ることなど可能なのか? どのくらい現実的なのか?」という疑問は、連載をお読みいただいた多くの読者が感じていたことと思います。

 そこで現在発売中の『つり人』2021年3月号では、この連載を引き継ぐ形で、ネオニコチノイド系殺虫剤に頼らない減農薬・無農薬での水稲栽培を確立した兵庫県豊岡市の「コウノトリ育む農法」の事例を取材させていただきました。

 コウノトリも住める環境の保全に力を入れている兵庫県豊岡市では、水田にコウノトリのエサ場としての役割が期待されています。その水田に生き物を増やすことを目的に確立されたこの農法は、いまでは豊岡市を中心に自治体・農家・JAが一体となって尽力する取り組みとなっています。

 この事例から、減農薬・無農薬栽培を実現するにはいかなる努力が必要になるのか、農薬を減らしたことで水田を中心とした生態系にどんな変化が起きたのか、そして釣り人の立場からはどんな提案ができるのかを考えていきたいと思います。

 記事は前後編を予定。今号の前編では「育む農法」が確立されるに至った背景や、水田の生き物の変化、一般的な栽培方法とこの農法の違いなどをレポートしています。次回後編では、減農薬・無農薬栽培の課題を整理して、釣り人はどんな形でこういった取り組みをサポートしていけるかを考えます。

■兵庫県が定める「コウノトリ育む農法」で栽培されたお米のうち、JAたじまが集荷販売しているのが「コウノトリ育むお米」です。「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で特別優秀賞を受賞。豊岡市の小・中学校給食では毎食このお米が使われているほか、銀座三越のお米屋さん・米屋彦太郎などでも人気商品として販売されています。こちらのJAたじまの販売ページからも購入できます。

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●一連の連載についてのご意見・ご感想・異論等大歓迎です。また、「ほかにはこんな取り組みがある」などの情報提供も大変ありがたいです。可能でしたら参照できる文献名を添えていただき、担当編集(新井)までメールをお送りください。個別に返信を差し上げるのは難しいですが、今後の参考にさせていただきます。

記事掲載の『つり人』2021年3号はこちら!
4910063030318
定価:本体1,000円+税
B5判180ページ
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