編集部2019年11月11日

クマの被害が増加中! つり人として必要な心構えは?

月刊つり人ブログ PICKUP

今年度はクマに襲われる被害にあった人数がすでに昨年度の2.5倍に上っているとのニュースがありました。

死んだフリは有効だった!?

つり人オンライン=まとめ



今年度はクマに襲われる被害にあった人数がすでに昨年度の2.5倍に上っているとのニュースがありました。

NHK福井 NEWS WEB クマ被害 全国で急増の実態

全国的にクマのエサとなる植物が凶作になっており、エサを求めて山から下りてくるケースが増えているとのことですが、つり人として怖いのは渓流釣りなど釣行時の遭遇です。

弊社から発売中の書籍『熊が人を襲うとき』は、NPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長・クマ研究者の米田一彦さんが、過去の報道や記録から1993件の人身事故例を徹底的に分析した内容をまとめた1冊です。

そのなかでつり人が襲われたケースは70件。月別に集計すると、6月と8、9月が多いのがわかります。

事故発生を月別にみると、6月にピークがある。これはクマの交尾期(繁殖期)による攻撃性の高まりからきていると考えられる。秋の事故も多いのは、「水流の淀みにドングリ類が集まっているのをクマが採食に来るから」と発言する釣り人もいる

img07558

※p108~109から引用


本書では、ツキノワグマの1年を通した生態と行動パターンも解説されているので、これから渓流釣りを始めたいという人には目を通しておいてもらって損のない内容です。

クマから被害を受けない・クマを加害者にしないために「大前提は出会わない努力をする」ことだと米田さんは言います。

ですが、実際に遭遇してしまったらどう対処するべきでしょうか?

それをひと言で説明できる言葉は無いように思えます。

クマが若いのか成熟しているのか子供を連れているのかなど、状態によって習性が変わってくるうえ、人間側の行動によってもその後の反応が変わるといいます。

第4章では、次の見出しの内容のように、40ページにわたって人間の取った行動とそのあとのクマの行動を分析。各対処法の有効性を考察しています。

第4章の見出し一覧
・ナタ、カマ、得物で反撃する
・ピッケル、ストック、ステッキの利用法
・爆竹は安価で使い道がある
・物を振り回せ
・ヘルメットで頭、頚部を守れ
・木に登るのはどうか
・バカヤロウと叫んでみろ
・ザックを置いて逃げる、は不可
・ラジオは役に立たない
・死んだ振りは有効だ
・徒手空拳で闘えるか
・クマの目を見ながら後ずさりする・背負った荷で背中を守れ
・クマ撃退スプレーは最強の武器だ
・犬を連れていると重傷か軽傷の両極端


意外だったのは、うつぶせになっての“死んだフリ”が役に立つと結論付けられていること。

頭頚部を守るために死んだ振りをするのは、現代のクマ研究者が勧めている「うつぶせ首ガード法」と同義なのだ。
 人間の体の前面は加害に弱く、攻撃は背で受けて凌ぐべきだ。我々も怖く感じる大グマほど攻撃は短時間で終わり、悠々と森に隠れる。闘うよりも現代の高度医療に頼るべきだ。

 img07559

※P154~155より引用


迷信と思われがちな “死んだフリ”ですが、人体の弱点を晒さない、クマを刺激しにくい、足場の悪い山の中で転倒して無防備になるリスクが減るなど、結果的に生存率を上げることにつながるようです。

ただし、まず心がけるべきことはクマとの接近を許さないことです。さらに、川に立ちこんで釣りをしているときに襲われたらうつぶせになることはできないですし、クマによっては死んだフリをしている横を離れず長時間様子をうかがっていることもあるということなので、ケースバイケースの心構えをしておくことが重要です。

本書はKindle版もありますので、クマのニュースが気になるという方はぜひこれを読んでクマのことを知ってください。

※Kindle版は、Kindleアプリを使えばスマホでも読むことができます

熊が人を襲うとき

Kindle版あります!
001_cover

定価:本体1800円+税
著者:米田 一彦
四六判並製224P

熊を追いかけて46年になるツキノワグマ研究家が、長年のフィールドワークで培った圧倒的な知見をもとに過去の事故例を独自に分析、解説。 人はいつ、どこで、どのようにして熊に襲われてきたのか。熊から逃れる術はあるのか。被害を最小限に抑える方策は!? 過去1993件/2255人の人身事故例から「熊が人を襲うとき」の核心に迫る。 また平成28年5~6月に秋田県鹿角市で起きた重大事故(タケノコ採り4人が死亡、4人が重軽傷を負った国内第3規模の獣害事件)にも言及。 熊の分布域がかつてないほど広がりを見せる昨今、人と熊の遭遇はもはや山奥だけではなくなった。登山者、釣り人、山菜・キノコ取り、すべてのアウトドア・ファン必携の書。



ほかにもあります。つり人社のクマ関連本

人狩り熊 十和利山熊襲撃事件

Kindle版あります!
001_cover

定価:本体1,600円+税
著者:米田 一彦
四六判上製272P

2016年5~6月、秋田県鹿角市郊外でツキノワグマに襲われ4人が死亡・4人が負傷する本州未曾有の事件が起きた。 襲われて絶命した犠牲者は体を食害されたことも判明し、その衝撃は日本列島を駆け抜け市民を震え上がらせた。
青森・秋田県境に近い北東北の辺境の森でいったい何が起きたのか?
かつては秋田県庁職員、現在はフリー研究者であるクマの第一人者・米田一彦は事件の真相を解明すべく、現場に足を運んだ。
危険な笹薮に入り、遺族や関係者の証言を集め、現地のタケノコ採りに話を聞き、現地の特異な農業形態を調べ…散らばったパズルのピースを1つずつ集めて見えてきたものは。
クマ追い歴47年の著者が、事件の真相を後世に残すべく己のすべてを懸けて実像に迫った渾身のドキュメント!



熊!に出会った 襲われた

Kindle版あります!
001_cover

定価:本体1,111円+税
著者:つり人社書籍編集部・編
B6判並製160P

専門家によるツキノワグマ解説のほか、登山家、山岳ガイド、クマの生息地に暮らす方の視点、そして「クマに出会った」16人・「襲われた」4人の実体験を収載。 本書を読み込むことで、「現代のツキノワグマ」に対する知識や、どうすれば出会わずに済むのか? 出会ったときにはどう対処すべきか? 等のヒントがきっと得られるはず。 また国内最大の野生獣・北海道のヒグマ目撃体験談も収載。 釣り人や登山をはじめとするアウトドアファン、山菜取り、クマ出没地に暮らす人たちのサバイバル必読の書!



熊!に出会った 襲われた2

Kindle版あります!
001_cover

定価:本体1,111円+税
著者:つり人社書籍編集部・編
B6判並製160P

数メートル先に出てきたクマに肝を冷やした人、追いかけられた人、襲われた人、撃った人、戦った人…本州のツキノワグマから北海道のヒグマ、さらには海外での体験談も加え、前作をはるかにしのぐリアリティーでお届けする「クマ・サバイバル」第2弾。 釣り、山菜取り、登山、山スキー、狩猟、クマ研究家、さまざまな目的で山に入る人たちの視点と出会いの体験が、現代のツキノワグマとヒグマの実像を照らし出す!



おすすめ記事

記事検索

    月刊つり人 最新号

    月刊つり人 10月号

    特集は『ラストスパート! 渓流&アユ』。
    この夏も本当に暑かった。でも、ほっとひと息つく前に、ゼッタイ出かけたい釣りがある。秋の産卵を前に、エサを積極的に追いかける山の大イワナ。ずっしりとした体躯に育ち、強烈なアタリで目印を吹き飛ばすアユ。どちらも今シーズンのフィナーレを飾るには、まだもう少し猶予がある。 涼しくて魚が大きい今の季節は、誰もが思わぬ良型と出会えるチャンス。経験豊富な釣り人も、あるいはビギナーも、今こそ川をめざそう!