本書は、従来図鑑の「知る」機能に加えて、「釣る」「食べる」「楽しむ(自然、釣り文化等)」情報をふんだんに盛り込んだ、ウルトラ図鑑です。 ・「釣り場で釣りたて」の生きている魚の写真をそのまま掲載!
古今東西の「水辺の哲学」を読み解く
つり人オンライン=まとめ
1969年刊行の『私の釣魚大全』に始まり、『フィッシュ・オン』、『オーパ!』、『河は呼んでいる』など、開高健は世界の魚を求めて地球各地を踏破し、おびただしい数の釣りルポルタージュを矢継ぎ早に発表した。これほどまでに壮絶に、徹底的に世界を釣り歩いた人間はほかにいないであろう。なぜ、文豪は突然釣りに魅入られ、没入していったのか?文庫『戦場の博物誌』にその答えがある。(釣りの名著50冊より)幸田露伴に井伏鱒二、ウオルトンにヘミングウエイといわゆる釣り文学の古典はもちろん、伊集院静、桂歌丸、團伊玖磨、畑正憲など、釣りを愛した小説家、詩人、俳人、落語家、学者、政治家、俳優、音楽家……実に多彩な著名人が書いた古今東西の「釣りの名著50冊」を読み解いた著者の世良康さんはこう語る。
「人生の喜怒哀楽は1本のサオにも及ばない。釣り人が味わう一投一打の悲喜劇は、それほど激しく強烈であると、私は思う」
これほどまでに熱く深く行間を読んだ、釣りの名著の書評はいまだかつてあったのか? 釣り人ならば絶対耽読したくなる1冊が本書にはある。
定価:本体1,600円+税
著者:世良 康
四六版・並製368ページ
目次
006 まえがき
010 『幻談』 幸田露伴
017 『老人と海』 アーネスト・へミングウエイ
024 『魚の泪』 大庭みな子
031 『二人の友』 モーパッサン
039 『ブラックバス』 神吉拓郎
046 『突堤にて』 梅崎春生
053 『完訳 釣魚大全Ⅰ』 アイザック・ウォルトン
060 『魔味談』 佐藤垢石
074 『川釣り』 井伏鱒二
081 『令嬢アユ』 太宰 治
088 『粗朶の海』 永井龍男
095 『わが釣魚伝』 福田蘭童
102 『イワナとヤマメ 渓魚の生態と釣り』 今西錦司
116 『アユの話』 宮地伝三郎
123 『春鮒日記』 英 美子
133 『釣りひとり』 山村 聰
140 『釣するこゝろ』 佐藤惣之助
147 『魚になった興義』 室生犀星
153 『釣りのうたげ』 室生朝子
160 『釣師気質』 石井研堂
166 『釣の楽しみ』 滝井孝作
173 『氷雨』 葉山嘉樹
181 『思い浮ぶこと』 飯田龍太
188 『石鯛釣り』 團伊玖磨
195 『江戸前の釣り』 三代目三遊亭金馬
202 『わたしの隅田川』 鈴木鱸生
209 『戦場の博物誌』 開高 健
217 『釣人物語―緑の水平線』 林 房雄
224 『秘伝』 高橋 治
230 『八畳の滝』 森下雨村
236 『魚影の群れ』 吉村 昭
243 『帝王』 F・フォーサイス
250 『三月の鮠』 藤沢周平
256 『鎌いたち(「顎十郎捕物帳」より)』 久生十蘭
262 『奥日光の鱒釣り—名人勘蔵の思い出』 西園寺公一
269 『生ぐさ太公望』児玉誉士夫
275 『鮎釣り海釣り』 稲葉 修
281 『鱸』 幸田 文
288 『鮎つりの思ひ出(歌集「黒松」より)』 若山牧水
294 『ハヤ』 坪田譲治
300 『つり人生』 土師清二
306 『利根の鱸釣り』 朝倉文夫
312 『チヌの月』 伊集院 静
318 『アメリカの鱒釣り』 リチャード・ブローティガン
324 『岩魚の休日~ちょっとうるさい釣り行脚』 桂 歌丸
331 『日田の鯉』 畑 正憲
337 『マクリーンの川』 ノーマン・マクリーン
343 『大江戸釣客伝』 夢枕 獏
354 『松方弘樹の世界を釣った日』 松方弘樹
360 『夜釣』 泉 鏡花
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