釣果はもちろん大事だが、釣果だけがシーバス釣りの魅力ではない。シーバスのルアーフィッシングをトータルで豊かに楽しむ文化が今、育まれているさなかであることを強く感じている。
ビッグベイトがもたらす変革
若林輝=文
シーバスフィッシングは活気づいている。なかでも昨今、勢いのある分野のひとつは小誌でも力を入れて取り上げているビッグベイトだ。16cmを超える大型のルアーを用い、小河川や水路のような小場所でバスフィッシングのストラクチャー撃ちのように楽しむデイゲームのスタイルをはじめ、富山湾などに端を発し東京湾のボートシーバスでも大ブレイクしているビッグペンシルベイトのトップウォーターゲーム、さらに各地ではボラやコノシロ、エツ、ハタハタ、落ちアユなど季節の大型ベイトにマッチさせた釣りも、コア層のみならず広く確立されてきた。今や一過性のブームではなく、シーバス釣りの大きな柱にまで成熟したカテゴリーと言えるだろう。
ビッグベイトはまた、シーバスアングラーにある種の変革をもたらしたと私は考えている。簡単に釣れるわけではない半面、釣れた時の喜びは大きく、魚との出会いや一期一会をアングラーに強烈に印象づける。結果、何cmとか何尾といった「成果」以上に「過程」や「情景」に重きを置くアングラーが増えたのではないだろうか。
特に若い世代にはその傾向を強く感る。SNSの影響もあり魚のカッコいい写真をきれいに残す文化も育まれ、魚の扱いも丁寧な印象が増した。釣果はもちろん大事だが、釣果だけがシーバス釣りの魅力ではない。シーバスのルアーフィッシングをトータルで豊かに楽しむ文化が今、育まれているさなかであることを強く感じている。
2022年も小誌は『SEABASS Life』の名の通り、「シーバス釣りのある生活」を豊かにするために邁進していきたい。
ビッグベイトの釣りはシーバスフィッシングの大きなひとつの柱となった
この銀鱗に魅せられる。シーバスは我々の身近に存在するとても美しい魚だ
ヒットの瞬間。『SEABASS Life』ではこれからもこんなシーンを切り取っていきたい
ビッグベイトのみならず多種多様なルアーで釣れるのがシーバスの大きな魅力のひとつ
日中に楽しむデイゲームも昨今、ファン層を広げている