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編集部2025年2月4日

「ロイヤルアングラー賞2025 受賞」芝田浩二ANAホールディングス代表取締役社長インタビュー

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経済・文化・芸能・スポーツ等の各界でご活躍されている方々で、釣りに対して造詣が深く、趣味として愛好されている方を毎年選出する「ロイヤルアングラー賞」。2025年は、芝田浩二ANAホールディングス代表取締役社長が選ばれた。

【画像】美しい鹿児島の離島の海

写真・文◎編集部

 

経済、文化、芸能、スポーツなど各界で活躍し、釣りに造詣が深く、趣味として愛好している方々を対象に、日本釣用品工業会が感謝の意を込めて毎年選出する「ロイヤルアングラー賞」。2025年は、ANAホールディングス代表取締役社長・芝田浩二氏が選ばれた。多忙を極める日々の中でも、釣りをする時間を欠かさない理由とは?

 

●芝田浩二(しばた こうじ)

ANA

1957年生まれ。鹿児島県奄美・加計呂麻島出身。1982年全日本空輸株式会社入社。中国語や英語が堪能な国際派として、欧州やアジア戦略の担当等を歴任して国際化を支えたあと、ANAグループの経営戦略立案を担う。2022年4月1日からANAホールディングス株式会社代表取締役社長

 

 

釣りとの出会いとその魅力

——ロイヤルアングラー賞受賞おめでとうございます。率直なご感想は?

芝田 どうもありがとうございます。全国に数多くの釣り人がいる中で、どうして私がこんな賞をいただけるのか、びっくりしましたし、申し訳ないなという気持ちはあるんですけれど、とても名誉なことですので、ありがたいと思いました。

——釣りはどんなきっかけでされるようになったのでしょうか?

芝田 私が生まれたところは鹿児島県の奄美大島、その中でも離島の加計呂麻島です。そこで小学校4年生まで育ちました。当然、ゲームとかもありませんし、放課後に遊ぶことと言ったらもう釣りしかないんですね。学校が終わったらすぐに竹ザオを持って海に行く。毎日そういう生活をしていますから、生活と釣りというのは、当たり前のように一体のものでした。
そうした中で大きくなるにしたがって、大げさに言うと、釣りがそのまま成長を支えてくれるエネルギーになっていたと思います。
先ほど少し申し上げましたが、小学生の頃の釣りっていうのは、それこそ3〜4mの竹の先に同じ長さの釣りイトをつけて投げる。リールも何もないんですね。それで釣れる範囲というのは限られているんですけれども、当時はクロダイとかブダイとか、それでも本当によく釣れました。ただ、「あそこまで釣りイトが届くと、もう少しいいのが取れるはず」という場所はたくさんあるんですよね。今、やっとその夢が叶う環境になりました(笑)。ありがたい話です。

加計呂麻島

芝田さんが育った加計呂麻島の海

加計呂麻島の小学校

今も残る母校の小学校。こうした環境で子ども時代を過ごした

 

——これまでで特に記憶に残っている釣りはありますか?

芝田 たくさんありますが、子どもの頃に釣っていた30〜40㎝くらいの魚から、一気に18㎏のカンパチに対象魚が変わった瞬間がありましてね。2003年、会社の仲間と八丈島に行って釣りイトを垂らして、その時に上司の釣ったムロアジをかすめ取って釣った魚がカンパチの18㎏でした。この魚は手巻きリールで釣ったのですが、以後、大もの釣りに没入して行くきっかけになりました。これは忘れられないですね。

——釣りから学ばれたのは、どんなことでしょうか?

芝田 そんな大袈裟なものではありませんが、釣りに行くことで(何かに)没頭します。釣りの前夜など、自分で一生懸命に仕掛けを創意工夫しますよね。「これがいけるか」「あれがいけるか」っていう。そういう準備の時というのは、ものすごく頭が活性化しているというのがある。それと釣りに一緒に行く仲間が増えますよね。その新しい仲間と、夜などに反省会で語りあうと、また違う世界が見えてくる。釣りをとおしたコネクティビティというか、コネクションの広がりというのは、とても大事にしています。

——芝田さんのPEラインとリーダーの結束の工夫などもすごいですものね。

芝田 最後に行き着いたのはミッドノットなんです。以前に51㎏のキハダを釣った時も全く同じノットで、当時はまだ慣れていなかったですが、それでもちゃんと取れましたから。今はもっと自信を持って結んでいます。自分の作品がワークするっていうのは、釣り人として一番楽しいところじゃないですかね。ノットの先の仕掛け部分もその都度考えながら持っていきますね。

——芝田さんは海外出張に非常に多く行かれていて、これまでに800回ですか? お聞きしたところによると、その先々で毎回ではないと思いますが、釣りもされてきたと。そうやって世界中のフィールドで釣りをされてきて、日本の釣り場を見た時はどう思われますか?

芝田 一つの国で渓流があり、湖があり、海もショアがあってオフショアがある。そういう国はあまりないんですね。しかも、それぞれの釣りスポットに合わせてハリやサオなど釣りの道具がそろっている国は、世界中どこを探してもないです。エジプトのアスワンハイダムでナイルパーチを釣ってみようとか、それは結局釣れませんでしたが、カナリア諸島でマグロを釣ってみようとか、思いはしますが、やはり日本のようなレパートリーっていうんですかね、奥の深さっていうのはないんですね。財産だと思います。

キハダ

ブリ

トラウト

現在の釣りは船からの大ものねらいがメイン。写真のキハダ(上)は、昨秋の週末に相模湾のコマセ釣りで手にしたもの。釣行の数日前に急きょ時間を確保できることになり、忙しい合間を縫って出かけた釣りで見事に本命を手にした

 

——釣りが地方創生や環境保護意識の向上に繋がることもありますか?

芝田 地方創生のためには、地方への移動、交流人口、関係人口を増やすというのはものすごく大事ですよね。地方に人を呼び寄せる本当に魅力的なコンテンツの一つが釣りだと思います。私も奄美には友人や関係先のお客様をよくご案内します。皆さんにとってはそれまで行ったこともない場所ですね。けれども、そこで一度釣りをすると、ものすごく新鮮な体験なんですね。「もう1回行ってみよう」「友人も連れて行ってみよう」と、そういう動きっていうのは確実に広がるんです。環境という点でいうと、「この海を汚しちゃいかん」「環境を守らねばいかん」と。我々アマチュアの釣り人もマナーをもっともっと向上して、それを世界に流布するように、(釣りのマナーを守り自然環境を考える)リーダーは日本だというところを示していく必要があるだろうなと思います。

——最後に、芝田さんにとって「釣り」とは何でしょうか?

芝田 エネルギーをチャージするパワーですかね。仕事をする中でオフとオンを切り替える。そのオフの時に没頭する。そうすると頭の中が活性化していくのが自分でわかるんですよね。釣りを終えて地方から帰ってくると、だんだん戦闘モードに変わるんですよ。そういう面では会社のためにもなっているのではないか、と自分を納得させているというところですね(笑)。最近空いた時間もあまりないんですよ。ただ、釣りに行ける時は、一生懸命準備をし、一生懸命釣りをして帰ってくる。それが一生懸命の仕事へのエネルギーに変わる。私の体内ではそういう時計が回っています。

——―釣りに関して、これからの夢はありますか?

芝田 やはりマイボートでしょうね。釣り人は誰でもそうだと思いますが、最後はマイボートをどこかで調達して、自分で自分の好きなところに出掛けて、巨大魚をねらうというのが究極の夢ですかね。

——―ぜひその夢を叶えてください。本日はどうもありがとうございました。

 

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