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編集部2025年3月26日

釣り場が消える時代に〜漁港を開放する『海釣りGO』の挑戦〜

月刊つり人ブログ PICKUP NEWS

釣り人と地域をつなぐ新たな仕組み——漁港開放を進める『海釣りGO』の今

写真◎ウミゴー 文◎編集部

釣り場の未来を変える—「海釣りGO」の挑戦と広がる影響

堤防釣り

近年、全国的に釣り場の閉鎖が進む中、新たな釣り場の提供を目指すユニークな取り組みが注目を集めている。静岡県西伊豆町を拠点とする「海釣りGO」は、日本で初めて漁港の釣り場予約を可能にしたサービスだ。2024年度下期には、新たな釣り場の開放や地域社会との連携を進め、さらにはビジネスコンテストでの受賞を果たすなど、多方面でその価値が認められつつある。また、現在進行中のクラウドファンディング「釣り人が地域を支える!釣り場開放プロジェクト」は、釣り文化の未来を大きく左右する試みとして注目を集めている。

 

全国で減少する釣り場、新たな解決策とは?

堤防釣り

近年、環境保護やマナー問題を理由に、漁港や海辺の釣り場が次々と閉鎖されている。しかし、それと同時に、釣り人口は増加傾向にあり、特にコロナ禍以降、アウトドアレジャーとしての人気が高まっている。こうした状況の中、「海釣りGO」は釣り場を守りながら地域と釣り人が共存できる仕組みを提供している。この取り組みの一環として、2024年8月には静岡県西伊豆町の仁科漁港が「海釣りGO」の2つ目の拠点としてオープンした。2023年に開放された田子漁港とは異なる地形や魚種が特徴で、釣りの幅がさらに広がることとなった。また、釣り場の魅力向上と環境保全を両立する施策として、「食害魚ハンティング企画」を開始。指定された魚種を釣ると地域通貨と交換できる仕組みを導入し、駆除が必要な魚を有効活用する試みが進められている。このプロジェクトは地域メディアにも取り上げられ、関心を集めている。

 

ビジネスモデルとしての成功—各種アワードで評価

堤防釣り堤防釣り

このような取り組みは、ビジネスの視点からも高く評価されている。

・静岡県SDGsビジネスアワード2024 優秀賞受賞
持続可能な社会を目指す企業を表彰するこのアワードにおいて、「海釣りGO」の事業は「海業の社会実装」というテーマで発表され、高い評価を受けた。

・静岡市 BRIDGE 2024 優秀賞受賞
地域とスタートアップ企業の協力による共創コンテストにおいて、海洋環境再生を目指す企業MarineSweeperとの共同提案が受賞。釣り場の活用と海洋保全を組み合わせたアイデアが評価された。

これらの受賞を通じて、「海釣りGO」の事業が単なる釣りサービスにとどまらず、地域社会や環境保護にも貢献するビジネスモデルであることが証明された。

 

未来の釣り場を守るために—クラウドファンディングの展開

堤防釣り

現在、「海釣りGO」はさらなる釣り場開放を目指し、クラウドファンディング「釣り人が地域を支える!釣り場開放プロジェクト」を実施している。釣り場を新たに開放するには、地域の漁業関係者や住民との調整が不可欠である。しかし、その過程で地域と釣り人との距離が縮まり、単なるレジャーとしての釣りを超えた関係が築かれていくことも分かってきた。本プロジェクトを通じて支援した人々には、特別な釣り体験や地域交流の機会が提供される予定だ。釣りをしながら、地域を知り、環境保全に貢献する——そんな新しい釣り文化を支える取り組みとなっている。

 

釣り文化の新たな可能性

「海釣りGO」の取り組みは、釣り場の減少という全国的な課題に対し、地域と連携することで解決策を提示するというユニークなアプローチを取っている。2024年度下期には、新たな釣り場開放やアカデミックな評価、ビジネスモデルとしての成功など、多方面で成果を上げた。2025年度には、さらに多くの釣り場開放が予定されており、釣りと地域を結びつける新たな動きが加速することが予想される。釣り場の未来に興味がある人、地域とつながる釣りを体験したい人にとって、今がその変化に関わるチャンスかもしれない。

 

 

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