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編集部2024年5月23日

愛媛県/由良半島 アジをフロートリグでねらう

全国おすすめ釣り場 愛媛

「フロートリグの扱い方を覚えればアジングやメバリングの攻略の幅がもっと広がります!」こう語るのはライトソルトフリークの脇田政男さん。今回はフロートリグのセッティング方法や基本的な使い方を教えてもらった

「フロートリグの扱い方を覚えればアジングやメバリングの攻略の幅がもっと広がります!」こう語るのはライトソルトフリークの脇田政男さん。今回はフロートリグのセッティング方法や基本的な使い方を教えてもらった

写真と文◎編集部

フロートリグは簡単

フロートリグは簡単

アジングで使うリグはジグ単(ジグヘッド単体)以外にキャロライナリグ、スプリットショットリグ、フロートリグ、ダウンショットリグと多岐に渡り、ジグ単では届かない沖のポイントをねらうために使用されている。

「多くのリグがある中でもフロートリグはジグ単とほとんど同じ使用感で扱えるリグだと考えています。出しどころや使い方は簡単にマスターすることができるので入門者やフロートリグに触れたことがない方でもすぐに攻略の幅を広げられると思います」

こう語るのは愛媛県宇和島市出身の 脇田政男さん。幼いころからエサ釣りやシーバス釣りに触れ、現在はアジやメバル、根魚などを中心に全国各地でソルトルアーの釣りを楽しんでいる。脇田さんが挙げるフロートリグの利点は2つある。

1つ目はジグ単では届かない沖のポイントを探れることだ。沖のポイントとはブレイクや海藻帯、ライズなど。広範囲を探ることができるためエントリーした釣り場にアジがいるかどうかを確かめることができる。

2つ目はジグ単に近い感覚で扱うことができること。トゥイッチやリフトアンドフォール、タダ巻きなどのジグ単の誘いをそのまま使うことができる。さらに、フロートの先に付けるジグヘッドの重さによって表層付近を漂わせるように誘うことやリグを沈めて中層~底でしっかりとルアーを見せながらアプローチすることができるという。

 

 

フロートリグとタックルのセッティング

フロートリグとタックルのセッティング

脇田さんが使用しているフロートはジャングルジムの「飛バッシュ!」。フローティングタイプとダイビングタイプがラインナップされ、サイズはそれぞれM、L の2通りだ。同社からリリースされている「キャロ・フロートスイベル」を使用することでリグの作成が簡単にでき、フロートのタイプやサイズをすぐに変更できるのが魅力だという。使用するタイプは魚のレンジや水深に応じて使い分ける。フローティングタイプは表層~中層をゆっくりと探りたい時に、ダイビングタイプはボトムまで探りたい時に使用するという。サイズは使っているタックルに合わせて投げやすいほうを選べばよい。ジグヘッドのウエイトはフロートの残浮力を参考にして、任意のシンキングスピードやリトリーブスピードに合わせて決める。「飛バッシュ!」の場合、ダイビングタイプは残浮力がマイナスに設定されているため何も付けなくてもゆっくりと沈んでいく。フローティングタイプはM が0.7g、Lが1gに設定されているため、表記以上のウエイトのジグヘッドを付けるとシンキングとなる。

タックルはライトゲーム用ロッドの7~8フィート・M クラスと2000番、ノーマルギヤのスピニングリールを組み合わせたものがマッチするという。ロッドはある程度張りがあるものを選ぶと口内の硬い部分にフッキングがしやすい。エギングロッドなどでも代用は利くが、逆に張りが強すぎるとバイトを弾く原因となるので注意が必要だという。メインラインはPE 0.3 号を使用し、リーダーはフロロカーボン6ポンドをメインラインからフロートまで、フロートからジグヘッドリグまでをそれぞれ1mずつ使用する。

「PEラインをスイベルに直結してはいけないのか、という声を多く聞きますが、個人的にはリーダーを介したほうがフロートとラインが絡みつくなどのトラブルが起こりにくいと考えています。リーダーを組んでおけば途中でプラグやジグ単の釣りに切り替えるのも手早く行なえます」

 

 

重要なのはリグの安定感

脇田さんが訪れたのは愛媛県愛南町の由良半島。宇和島市や愛南町周辺の海岸はいくつものワンドが入り組んだ複雑な海岸線が見られるリアス式海岸として知られ、晴天時には穏やかな海のコバルトブルーの輝きと海岸まで迫る緑のコントラストを楽しむことができる。アジングフィールドとしても有名で30cmを超えるアジをオカッパリでねらえるポイントが数多く存在している魅力的なエリアだが、釣行当日は7mを超える北西の強風によるウネリが湾奥まで入っており、期待していたベイトの群れも視認できない状況だった。

 

重要なのはリグの安定感

宇和島周辺は入り組んだ湾と大小の島々が特徴。穏やかな湾内では真珠やマダイなどの養殖が盛ん

 

「足もとまでベイトが入っている状況ならばジグ単でも釣果が出るポイントですが、今日は沖から足もとまで探れるフロートリグが活躍する状況です」

最初にセットしたのはダイビングタイプのLサイズとスイム系ジグヘッドであるジャコヘッドTG.Mサイズの1g、イージーシェイカー3.5インチ。まずはこの組み合わせを基準として探り、状況に応じてジグへッドやワームサイズを変更するという流れで 釣りを組み立てていくようだ。なお、普段の穏やかな海であればまずはダイビングタイプのLサイズには0.6gのジグヘッドを使用するそうだ。ワームはフォール姿勢がブレにくいストレートタイプがオススメで、ジグ単で使っているサイズと同じものでOKだ。

「セッティングで大切なのはリグの安定感を意識することです。波やウネリ、流れ、風によってリグのレンジやフォール姿勢が乱れてしまうと途端にバイトが遠のきます」

フロートとジグヘッドのウエイトが重いほどリグのアクションは安定する。ジグヘッドのウエイトの下限は決まっていないが、ノーシンカーだとワームが安定しない。波や風によってリグが上下左右に大きく動くなどをティップやリーリングから感じ取った場合はセッティングを変えてみるとよいという。

 

 

フロートリグは「ジグ単の延長」

フロートリグは「ジグ単の延長」

先ほど述べたとおり、脇田さんはフロートリグをジグ単と同様のアクションで使用する。主に使用するアクションはタダ巻き、トゥイッチ、リフトアンドフォールだ。

「フロートがある分ジグヘッドリグの動きが緩慢になるというイメージを持つ方も多いと思いますが、ジグ単を使用している時と大きな変化はなくアクションはしっかりと出ています。ロッドワークやリーリングによるアクション入力を大きくする必要はありません」

 

 

ハムハムバイトを「漂わせ」で攻略

ハムハムバイトを「漂わせ」で攻略

ウネリと風雨にリグの操作を邪魔されて魚の反応も芳しくない中、わずかに風が止んだ下げ止まりのタイミングで脇田さんが鋭いアワセを入れた。

「あー!なかなか乗らないけど、魚からの反応が増えてきました!コツッという金属的なアタリではなく、ワームのテール側をハムハムしているようなアタリが出ていますね」

何度かのハムハムを経て食い上げや 反転するほどアジの活性が高くなく、 後ろからルアーを追いかけてだんだんと口に収めていると判断。

 

ワームが後ろにズレて戻ってきたらハムハムバイトの可能性が高い

ワームが後ろにズレて戻ってきたらハムハムバイトの可能性が高い

 

ジグヘッドのウエイトを1.5gから0.6gに付け替え、吸い込みやすいセッティングに変更した。するとタダ巻きを始めてすぐにドラグ音が響く。慎重なファイトの末、脇田さんは桟橋の上に丁寧に良型アジを抜き上げた。

「安定したセッティングで得たヒントをもとにあえてワームを漂わせてみました。早アワセをせずにじっくりと食い込むのを待つのが正解だったようですね!」

フロートリグを使えば磯場やサーフ、大型漁港などのフィールドでジグ単では届かないポイントが射程範囲内となる。工夫しだいで幅広いレンジをじっくりと探ることもできるため、マスターすればさらなる釣果UPの武器になること間違いなしだ。

 

今回釣りをしたのは「マリンランドひらばえ」の桟橋

今回釣りをしたのは「マリンランドひらばえ」の桟橋

入場料は1 人3000 円(利用の3日前までに予約)

連絡先: 0895・73・7077

住所:愛媛県南宇和郡愛南町平碆184

 

 

 

 

※このページは『つり人 2024年5月号』を再編集したものです。

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