水質のバロメーターといえるカジカ。私のアユ釣りの原点ともいえる道志川にもカジカは棲息している。今年の夏は童心に返ってカジカ釣り!
おすすめ時期:8~9月(解禁期間要確認)
平井幹二◎レポート
水質のバロメーターといえるカジカ。私のアユ釣りの原点ともいえる道志川にもカジカは棲息している。今年の夏は童心に返ってカジカ釣り!この記事は『つり人』2016年10月号に掲載したものを再編集しています。
姿を見せなくなったカジカ
山梨県の道志山塊を水源として神奈川県の津久井湖に注ぐ道志川。ここは私のアユ釣りの原点であり、今でもアユ・渓流の心のホームグラウンド。かつてはどこにでも溢れるように姿を見せていたカジカだが、近年神奈川県内の河川ではあまりその姿を見せなくなってしまった。しかし道志川の清流なら今でもいるだろうとアユ釣り友だちの小泉さんと相談し、8月のある日、道志川・馬場へカジカ釣りに出かけた。道志川は駐車スペースと川が離れているところが多いが、馬場は目の前に川があり、おまけにいかにもカジカの好みそうな穏やかな流れがある。
駐車場と川原が離れている場所が多い道志川だが、馬場地区は駐車場から川原が近く、入川が楽
午前10時頃に到着し、早速釣り開始。イクラエサをハリに付け、箱メガネで水中を覗きながらサオ先を大岩の陰や小石底の石組みの穴へ突っ込む。すぐに岩陰からデカ頭のカジカが飛び出てきてパクリとエサに食いつくようすがはっきり見えた。ブルブルとサオ先を震わして、1尾目の10㎝をゲット。
用意したのは、箱メガネ、エサの冷凍イクラ、キープ用のバケツ、1mほどのサオ。ハリはがまかつ『細地袖』4号を使用した
エサの冷凍イクラはハリにチョン掛け。あとはこれを石と石の隙間に入れて魚を捜していくだけ
今度は小泉さんと選手交代。小泉さんも箱メガネを覗きながら川中をウロウロ。突然「ウワッ」と言いながら体を起こす。サオ先にはカジカが元気に暴れているが、ポトリと落ちて逃げられてしまった。残念、運のいい奴め。しかし気を取り直して、すぐに私より大きめをゲット。
1尾目に釣った10㎝ほどのカジカ
小泉さんも挑戦するとすぐにカジカがエサに食い付いた
奥が深いカジカ釣り
当日は台風5号が房総沖をかすめて北上中で、予報に反して曇り空。そのうえ11時ころからは結構な雨も降り出した。4尾をゲットしたところですぐに雨もやむだろうと早めの昼食にした。昼食後、すっかりピーカンになった空のもと釣りを再開した。ところが全く釣れない。落差の少ない穏やかな流れを選び、水音を出さないようにそっと近づき、丹念に探るがブルブルがない。カジカは大石周りの岩の隙間にいることが多いが、コブシ大から頭大の石組みの隙間や、10㎝四方の小さな石の下でも、穴さえあればそこに棲み着く。
この間、2尾ほどがエサに近づくが、また穴に逃げ込んでしまう。1時間ほどでようやく5尾目をゲットしたところでこの日の釣りを終了した。渓流のカジカ、侮りがたし。カジカもヤマメと同様、ピーカンの日中には警戒心が強くなり、簡単ではないことを学んだ。
中学生の頃、自分で釣ったり獲ったりしたウグイ、オイカワ、カジカを揚げて食べたが、この日釣りあげたカジカたちも夕餉にはビールとともに私のお腹に収まった。「うーん、香ばしくて旨い!」。
漁協の人の話だと年々水質はよくなり、カジカの数は増えているそうだ。道具立ても簡単であり、アユ釣りのついでに楽しむのもよいだろう。
緑が眩しい渓流相で楽しむカジカ釣りは最高だ
馬場は水遊びの人も多く、お子さんを連れてカジカ釣りをするのもよさそうだ
後半食いが渋ってしまったが、短時間でも充分に楽しめた
交通●中央自動車道・相模湖I Cを下りてR20を経由し、県道76号で道志川へ
問合先●道志村漁協(℡0554・52・2966)、解禁期間=要確認
2017/8/25