ビギナー・ファミリーも楽しめる釣りレジャー番組「J:COM釣りたいっ!」のロケの模様も交えて、船でねらうマダイ釣りの魅力をご紹介。 よろしくお願いいたします!
おすすめ時期:12~1月
山口 充 レポート
ビギナー・ファミリーも楽しめる釣りレジャー番組「J:COM釣りたいっ!」のロケの模様も交えて、船でねらうマダイ釣りの魅力をご紹介。
よろしくお願いいたします!
この記事は『つり人』2016年2月号に掲載したものを再編集しています。
ライトタックルとは?
釣り道具の軽量化・繊細化が進んで、レジャーフィッシングファンにもさまざまな魚種がねらえるようになってきた。元々東京湾の釣りは、シロギス、イシモチ(シログチ)、メバル、カサゴ、カワハギなど、使うオモリが15号から30号くらいまでの物が多く「軽い道具」であったが、一方でマアジをねらう「ビシアジ」が130号前後、イサキが60~80号、タチウオが80~100号等々、重めのコマセカゴやオモリを使う釣りも人気だった。
近年、このような釣りものも道具が進化し、なかでもミチイトであるPEラインの飛躍的な強度アップはキーワードとなっている。オモリ40号前後の軽い道具で、さまざまな海釣りが楽しめるようになったのだ。
昔は「細い=切れやすい」という定義があったが、現在は「細い=ねらえるポイントが増えた」という感じ。タックル全体のバランスがよいので「どこかが強過ぎる」こともなく、細く操作性のよいライトタックルは、「手軽」以外にもさまざまな効能がある。
たとえば、浅い所に重いオモリを勢いよく、ドスンと落してしまえば魚は散ってしまうこともある。軽く小さい仕掛け類は魚がスレづらい。そして、今回のターゲットである「マダイ」もそうした魚のひとつ。40号のコマセビシを使ってねらう。
ロケ当日は時期的にオキアミのコマセ(寄せエサ)が使われたが、エリアによっては一日の使用量が決められている。コマセマダイの釣りは撒き過ぎが釣果ダウンに繋がるが、小さいライトのビシではそもそも使用量が少なく、使い切れないことがほとんど。また、軽いので仕掛けの再投入が頻繁になり、付けエサのチェックも行なえる。スレた大型にも効く可能性があるだろう。そのライトマダイのパイオニアが、今回お世話になる松輪港(神奈川県三浦半島)の棒面丸。船長の鈴木俊一さんも「軽いということは、さまざまな人に釣りを楽しんでもらえるということです」と言う。軽くても釣りやすいポイントも開拓され、既存の釣りと上手く棲み分けができている。
エサはオキアミ。カゴに入れた寄せエサ(コマセ)を、サオを振って海中に撒き、その中に付けエサを紛れ込ませてマダイに食わせる。写真中の紫色のものはクッションゴム
船釣り人気13魚種を徹底解説!
男女を通じて人気・実力ともにトップクラスと誰もが認める〝忍ねえさん〟の船釣りノウハウや考え方を、初めて1冊に収録しています。理論を分かりやすくする、仕掛け図や釣り方イラストも豊富に掲載。東京湾、相模湾、千葉外房、駿河湾での四季折々の掲載魚種は、タチウオ、カワハギ、ヒラメ、マダイ、アジ、イシモチ、メバル、マゴチ、アマダイ、アオリイカ、マダコ、ショウサイフグ、キンメダイの13種。ビギナーには分かりやすく、ベテランにも目からウロコの上達のヒント満載で、海釣りの楽しさを知りたい、深めたいすべての人に見逃せない1冊です。
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サオは少し長めがおすすめ
サオは基本的に近年普及しているライトタックルザオだが、個人的には少し長めのほうが船の揺れなどに対応できるのでおすすめで、2.1m前後が合う。その辺りがライトアジと違ってくる。ライトアジの場合は1m前後のピンポイントの幅に「イワシミンチの煙幕」を作るイメージなので先調子のほうがコマセワークをしやすいが、マダイはこの幅を5メートルくらい大きく撒き、さらに船の揺れでコマセが出ないように揺れを吸収させたいねらいがある。そのため、調子は6:4~5:5で曲り込むタイプがよい。ちなみに軟らかめの「アマダイ」用の2.4mザオを使っているメンバーもいる。
リールは両軸受けタイプ
リールは小型電動、または小型手巻き両軸受けリールで、肝心なのはミチイトになるPEの号数。ビシが40号基準なので太いと潮に乗りタナが取れないことやオマツリ、さらに向こうアワセなのでイトフケが出るとフッキングのロスに繋がってしまう。1.5号前後がおすすめだ。
仕掛けは6~7mの1~2本バリ。ハリスは3号前後。ハリはPEマダイ、閂マダイの8号前後。今回は10mの仕掛けをアレンジして7m仕様にした。仕掛けを片テンビンにセットするが、ゴムクッションは1.5㎜の1m。オーバーパワーにならず、タックルを使い切る感じでねらうことになる。
これで名人!ライトタックルマダイ編
カンドコロ
● まず押さえたいのが船長の指示ダナに合わせること。海面からなのか、底からなのか違う場合がある。今回は海面からのタナ取りなので、キーパーにサオを掛けた時にコマセカゴが海面から40mの位置に来るのが基本。ハリスが6~7mなので指示された水深より5 mくらい沈め、サオを大きく海面から真上まで上げてコマセを撒く。これを2回くらい行なってからキーパーにセット。サオ先を見ていると外道が突つくのも分かるので、回収してエサを付け直すことが大切。エサがないのに気が付かないと当然釣果に繋がらない。
● ハリのサイズは前後したサイズを用意したい。今回は8 号を基準にしたので7 号、9 号を用意した。これはマダイのサイズに合わせるほか、食いが渋い時にハリのサイズを下げる、細いハリスを使う等、仕掛け全体の調整に幅が出てくる。また、イナダ、ワラサもヒットしてくる時期なので用意しておきたい。もう一つはハリの形状。バラシが多い場合は見直してみるとよい。使うサオの種類によって効果がある場面もある。この釣りはタックルバランスの調整が手軽に行なえるのでデータが揃うところも楽しい部分だ。
● 軽いライトタックルなので活性のよい場合は誘いを入れることも容易。ただし、サオが仕掛けの長さに対して短いので、サオを上げて行く時も2 回に分けて誘いあげる。たとえばサオ先を海面近くまで下げ、そこから真上まで上げ、安定したら指示ダナまでゆっくりと戻す。ポロポロと撒かれたコマセの中にゆっくりと動くオキアミを演出するイメージ。ロケ当日はこの誘いが上手く当たった釣り方だった。
指示ダナをしっかり守るのが釣果の第一歩
カンドコロ
● まず押さえたいのが船長の指示ダナに合わせること。海面からなのか、底からなのか違う場合がある。今回は海面からのタナ取りなので、キーパーにサオを掛けた時にコマセカゴが海面から40mの位置に来るのが基本。ハリスが6~7mなので指示された水深より5 mくらい沈め、サオを大きく海面から真上まで上げてコマセを撒く。これを2回くらい行なってからキーパーにセット。サオ先を見ていると外道が突つくのも分かるので、回収してエサを付け直すことが大切。エサがないのに気が付かないと当然釣果に繋がらない。
● ハリのサイズは前後したサイズを用意したい。今回は8 号を基準にしたので7 号、9 号を用意した。これはマダイのサイズに合わせるほか、食いが渋い時にハリのサイズを下げる、細いハリスを使う等、仕掛け全体の調整に幅が出てくる。また、イナダ、ワラサもヒットしてくる時期なので用意しておきたい。もう一つはハリの形状。バラシが多い場合は見直してみるとよい。使うサオの種類によって効果がある場面もある。この釣りはタックルバランスの調整が手軽に行なえるのでデータが揃うところも楽しい部分だ。
● 軽いライトタックルなので活性のよい場合は誘いを入れることも容易。ただし、サオが仕掛けの長さに対して短いので、サオを上げて行く時も2 回に分けて誘いあげる。たとえばサオ先を海面近くまで下げ、そこから真上まで上げ、安定したら指示ダナまでゆっくりと戻す。ポロポロと撒かれたコマセの中にゆっくりと動くオキアミを演出するイメージ。ロケ当日はこの誘いが上手く当たった釣り方だった。
指示ダナをしっかり守るのが釣果の第一歩
ケーススタディー 2015年12月上旬、ロケ当日のようすは?
今回の取材では、少し早めに宿に着いて受付を済ませ港に移動。まもなく5年目を迎えるこの番組で一番長くご一緒しており、数ヵ国語をしゃべれる“のーでぃ”さんと、テレビCMなどで活躍している石塚かえでさん、釣魚家庭料理研究家の石井ちか江さん等、友人たちと乗船した。午前7時に松輪港を出船。かえでさんはマダイの経験もあり、長いハリスの扱いやエサ付けも完璧。のーでぃさんもさまざまな釣りを経験していて釣りの勘所を素早く掴んでくれる。ポイントは下浦沖の水深約60m。海面からのタナ取りで「上から40mです」とのことで、5m前後タナを下げて45mから2回に分けて大きくコマセを出す。ロッドキーパーにセットした時点で40mになればOK。朝マヅメはマダイの活性が高く石井さんにヒット。1㎏クラスが上がる。写真撮影をしていると自分のサオ先も海面へ。慌てて戻りロッドを握る。しっかりとサオが曲がった。長めのライトタックルザオは不意な魚の突っ込みもかわすことが容易で、小型リールなのでドラッグの対応が間に合わなければ簡単にクラッチを切ってサミングし、自らラインの出を調節することもできる。上がったのは小型だったが引き味は充分。石井さんはマダイを連続ヒットした。友人たちも次々にマダイを上げる。
どちらも釣り好きな石塚かえでさん(左)とのーでぃさん(右)が挑戦
番組の案内人で本稿の執筆も担当する山口充さん。日本釣振興会・神奈川県支部長を務め、地元はもとより全国で船釣りを楽しんでいる
マダイは元気いっぱい。活性が高いと判断し「落とし込み」で探ることにした。普通にコマセワークを行ない、今度は指示ダナよりも6m上げて34m付近からゆっくりと指示ダナに戻していく。すると数秒後にサオが絞り込まれる。このパターンがはまり連続ヒットすることができた。のーでぃさんも楽しそうにマダイをヒットさせる。かえでさんにもマダイがヒット。軽い道具なら積極的にコントロールできて、女性でも釣ったという感覚が味わえるのがよい所。また、ライトタックルの進化を感じたのが、2人がホシザメをしっかりと釣りあげたこと。無理せずドラッグを使いながら、50m以上の水深から上げてきた。
小柄なかえでさんも楽に釣れる。表情は真剣だ
道具の進化。これなら大マダイをねらえる道具としても充分可能性がある。その後、潮が緩くなり沈黙したが、早々に皆さん型を見ていたので笑顔。仕掛けやヒット時の話を聞き昼食タイム。しばらくすると左舷でワラサがヒット。すぐ右舷側でもワラサで船上は盛り上がり、ハナダイ、イナダ、カイワリ等々がヒットして賑やかになった。そのまま午後2時30分に沖上がりとなった。
マダイのトップは石井さんで1㎏前後を主体に7尾。今後も期待できる松輪のライトタックルマダイ。ポイントもさまざまで、これからは少し深い場所もあるがほぼ周年楽しむことができる。
石井ちか江さんのおすすめ料理「マダイの和風グラタン」はこちらをご覧ください。
後半に釣れたワラサも人気のターゲット
マダイのアタリは明確。海面に上がる姿はとても美しい
同船した仲間もツヤツヤのマダイをヒット
今回の釣り場は観光地でもある「剱埼灯台」の近く。「けんざき」なのか「つるきさき」なのか、はたまた「つるぎさき」と濁るのか? 「釣りたいっ!」では釣りはもちろん、お馴染みの地元散策やグルメ店もレポート。今回のロケ動画は、動画サイトユーチューブ内「J:COMチャンネル」で、「釣りたいっ!#89ライト真鯛」として配信中!
神奈川県三浦市南下浦町松輪1182
問合先●℡0468・86・0202
船長●鈴木俊一
出船●午前7時(季節により出船時間変更あり)
料金●ライトマダイ船8500円(40号ビシ。コマセ・付けエサ・氷別)
レンタル●貸しザオ・貸しビシあり
2016/12/9