相模湾の夏といえば、オフショアのルアーゲームが熱い! なかでもシイラはこれからオフショアデビューする人におすすめのターゲット。 果敢にルアーにアタックしてくるので、群れにさえ当たれば高確率で手にできるはず。 ヒット後はドラグを鳴らして疾走し、スリリングなファイトが楽しめる。食べても美味しい魚で、文句なし! 上州屋都筑インター店店長の高野浩二さんにレクチャーしていただいた。

写真と文◎つり人編集部
1946年創刊の日本最古の総合釣り雑誌。海・淡水問わず、四季折々の多彩な釣り物を紹介し、初心者からベテランまで幅広い読者に愛読されています。確かな情報と美しい写真で、釣りの奥深さを伝え続けています。
目次
シイラ釣りが熱い! 真夏の相模湾
「群れに当たれば、高確率で手にできるのがシイラ。ルアーを見切られた時は、やきもきしますが、それもまた面白いです。ドラグを鳴らして疾走するビッグファイトは何度味わってもいいものですね。こんな楽しい釣りが出船してすぐの海域でも楽しめるなんて、素晴らしいと思いませんか? シイラをねらっていてマグロのトリヤマに遭遇することもあります。そんなビッグドリームの可能性を秘めているのがシイラ釣りです。
また、最近ですと、マグロを始めるお客さんが増えています。ですが、いきなりマグロが掛かっても釣りあげるのはなかなか難しいと思います。ステップアップする意味でもシイラはいいターゲットだと思います。食べても美味しいですしね」
とは上州屋・都筑インター店店長の高野浩二さん。海、湖を問わずカヤックフィッシングやバスフィッシングなどルアーフィッシング全般が得意。ここ数年はこの時期になるとマグロねらいのオフショアゲーム熱にうなされている。
シイラは黒潮に乗って相模湾に入ってくる相模湾の風物詩。水温20~25℃になるとベストシーズンを迎える。オフショアのシイラ釣りは例年10月ぐらいまで楽しめる。シーズン序盤は大型ねらいが有望で、今のシーズンは小型~中型の数釣りが楽しめ、入門にはうってつけだ。7月中旬、高野さんと一緒に平塚港から庄三郎丸に乗船し、シイラをねらった。
シイラ釣りビギナーにおすすめのタックル
オフショアのシイラ釣りではメーターオーバーの10kgクラスが掛かることは珍しくなく、140~150cmの超特大サイズが釣れることもある。ヘビータックルにすれば、それだけ大ものが掛かっても安心だが、1日中キャストすることを考えるとヘビータックルはふさわしくない。ビギナーには扱いやすい標準的なタックルを紹介したい。
ロッドの長さは7フィート前後。硬さの表記はメーカーによって異なるため、1つの目安としてルアー負荷が60gほどのもの。船上ではアンダーハンドキャストを多用するため、長すぎるロッドだと、水面や船体を叩いてしまう。短めのほうがビギナーは扱いやすいだろう。
使用するリールはスピニングリール。PEライン1~2号が200m巻ける5000番以上がおすすめ。大型魚を相手にするため、ボディー剛性、ドラグの滑り出しに優れた中・上位機種が理想だ。また、船を流しながらキャストするため、イトフケを素早く取ったり、次のポイントへ向かうため、ルアーをすぐに回収しなければならない場面も多い。そのため、ハイギアタイプがおすすめ。また、乗り合い船では掛けた魚を走らせると周りの釣り人に迷惑が掛かる。ファイトを素早く終えるためにもハイギアタイプは有利だ。PEライン1~2号にリーダーにはナイロンライン30~40ポンドをFGノットなどの摩擦系ノットで接続する。リーダーはナイロンのほうが、しなやかでキャストしやすくルアーの動きもよい。
ルアーは10~15cm。接続はスナップで素早く交換
ルアーは10~15cmものが基本。水面ねらいのペンシルベイトとポッパー、水面直下から表層を引けるジャークベイト、ジグミノーをまずは抑えておきたい。ルアーの接続はスナップを使うとルアーチェンジが素早く行なえてよい。
グローブ・プライヤーを用意し、フックはバーブレスに
そのほか、ライフジャケット、グローブ、プライヤー、偏光グラス、キャップを用意。1日中キャストを繰り返すので、グローブがあると手に優しい。プライヤーは魚からルアーを外す時や、ルアーのバーブを潰す時に使用する。船上で船長からも指示はあるが、安全面を考えて、ルアーはバーブレスにしておくこと。
シイラ釣りのポイントはパヤオや鳥山
期待を胸に6時に平塚港を出船した。シイラは障害物に付く習性があるため、基本的にパヤオと呼ばれる浮き漁礁や漂流物をねらって釣っていく。そのほか、航行中にシイラの群れを見つけた時は、船を止めてねらったり、トリヤマが立っているのを見つけた時には全速力で駆けつけて、トリヤマ周辺を釣って行く。
船は群れを捜しながら、パヤオへ向かった。1ヵ所目のパヤオに到着し、いっせいにキャスト。だが、シイラの姿は見えない。その後も何ヵ所かパヤオを回ったが、魚の反応は得られなかった。
ファーストヒットは125cm・7.5kgの大型
出船してから約1時間後に到着したパヤオで、ルアーを数投すると、「いる! いる!」という声。高野さんのルアーにも反応があり、乗ったと思ったその刹那、フックアウト。その直後に再び、ルアーにアタックがあり、今度は確実にフッキングに持ち込めた。ヒット後はダイナミックなジャンプを見せた。周りの釣り人からは「デカイよ!」との声。力強く疾走するシイラは右舷へいったり、左舷へいったり高野さんを翻弄する。船べりまで寄せたが、シイラは最後にひと勝負仕掛けてくるので油断はできない。船長のランディングネットに導かれ、無事取り込みに成功した。検量すると125cm、7.5kg。
トップに固執せず、ルアーを替えて反応を見る
「ファーストヒットがビッグワン。準備運動する暇もありませんでしたよ(笑)群れの先頭にいる個体をねらいました。先頭の個体は大型のことがよくあるのですが、まさにそれが的中しましたね」
と破顔一笑の高野さん。また、活性が少し低く、トップは難しそうと判断し、表層直下を引けるジグミノーをセレクトしたのもよかったようだ。
「トップウオータープラグを使い、魚が追って来るのを見ながら、派手に魚を出すのはスリリングで面白いですが、それに固執せずにルアーチェンジして魚の反応を見て行くことが大事です。トップでダメならジャークベイトなど少し潜るタイプのルアーを使ってみましょう。ベイトフィッシュの大きさに合わせるのも、変更基準ですね」
「ただし、魚がいる状況で周りがトップウオータープラグを使っているのにジグを使うのはルール違反。せっかく浮いた魚が沈んでしまいます。乗り合い船では群れを見つけたら、大きな声で『いたぞ!』と船長に合図するなど、みんなで協力して釣っていくのが大事です。ビギナーの方は隣りの釣り人に素直に『今日初めてです』と声をかけておくと安心です」
1尾ヒットすると群れが寄る。マグロに出会えることも
高野さんのヒットを皮切りに船上はお祭り状態。シイラは魚に寄る習性があるので、1尾ヒットすると、魚が集まってくる。これがこの日最大のお祭りであり、この後はポツポツと釣れるだけであった。
終了までに数回、キハダマグロらしきナブラが立ち、そのたびに船は全速力でナブラに向かったが、間に合わず。シイラねらいでもマグロに巡り合えるチャンスもあるのがこの釣りの魅力だ。
庄三郎丸では、帰船後に魚を無料でさばいてくれるうれしいサービスがある。高野さんもこのサービスを使い、125cmのシイラは特大の柵になった。さばいてもらった魚は空揚げにしてタルタルソースで美味しくいただいたそうだ。
釣って楽しいビッグゲーム、食べて美味しいシイラ。この夏はシイラに挑戦してみてはいかがだろうか。
お世話になった船宿
庄三郎丸(℡ 0463・21・1012)
住所:〒254-0803 神奈川県平塚市千石河岸57-17
ルアーシイラ船 料金:1万円 出船:6時 沖上がり:13時

※このページは『つり人 2016年9月号』に掲載した記事を再編集したものです。












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