産卵床造成のかいあってカジカは年々増えているという 道具立てと釣り方がシンプルなカジカ釣りは、子どもと一緒に楽しむのにぴったり。箱メガネを覗けば、カジカの捕食が一部始終見られる。子どももすっかり夢中だ。
おすすめ時期:8~9月(解禁期間要確認)
井上聡◎レポート
産卵床造成のかいあってカジカは年々増えているという道具立てと釣り方がシンプルなカジカ釣りは、子どもと一緒に楽しむのにぴったり。箱メガネを覗けば、カジカの捕食が一部始終見られる。子どももすっかり夢中だ。
この記事は『つり人』2016年10月号に掲載したものを再編集しています。
親子でチャレンジ
群馬県を流れる渡良瀬川には、たくさんのカジカが生息している。石を剥がして川虫を採取する際、時々一緒に網に入るほどだ。ここ両毛漁協管轄内では、一年を通じてカジカ釣りは許可されているため、いつでも釣ることができる。遊漁券は小学生までは無料。だが、親子でサオを握る場合、親の遊漁券は忘れずに購入してほしい。
両毛漁協組合長・中島さん。この日は錦桜橋で、「魚つかみ取り」のイベントが開催中だった
カジカ釣りにチャレンジしたのは栃木県から来てくれた釣友・大森さん一家
今回は、栃木県から来てくれた釣友、大森さん家族と一緒にカジカ釣りに挑戦。お子様は3人姉妹で、芙莉花ちゃん、心暖花ちゃん、月妃花ちゃん。名前のように可愛らしいお花たちが、川岸に咲き誇っているようだった。
長女の芙莉花ちゃんは8歳で、地元ではアユ釣りも経験している釣りガール。非常に楽しみだと張り切っていた。待ち合わせた錦桜橋では、恒例イベントの「魚つかみ取り」が開催中。組合長の中島さんがいらっしゃったので、お話を聞くと、カジカの増殖は2~3月に産卵床を造成し行なっているとのこと。年々増えているそうだ。
お子さんがいることから、駐車スペースから近く、足場もよい安全なポイントを選んだ。まずは、赤岩橋の上流にある「市民広場前」の分流から釣りを開始した。しかし平水の2倍近い水量。子どもたちを待たせておいて、ご主人と私の2人で探るもののアタリはなかった。支流の桐生川に移動したが、ここも増水。さらに支流に入り、2時間ほど試みたが……。結局、松原橋の下流で釣ることになった。到着した時には、待ちくたびれた姫たちは夢の中。深い眠りから目覚めた頃には、日が傾いていた(笑)
親子で楽しめるのもカジカ釣りの魅力
この日は増水しており、魚の反応はイマイチであった
後日リベンジ釣行へ
カジカ釣りの道具立てはシンプル。サオ、仕掛け、箱メガネ、ハリス付きハリ。専用ザオは、釣具店で1000円前後と安価である。この日は、私の自作ザオ。握り部分は折れて不要になったサオパーツを30㎝ほど切断。両サイドの穴にバルサ材を2㎝ほど押し込み、片側に穂先を取り付け、先端にハリス止メを接着。
ハリは主にオーナー『発光かじか鈎』4.5号を使用。ハリス付きだと子どもでも扱いやすい
エサはイクラを使用
タックルは硬さが異なる1m前後のサオを用意。あとは箱メガネが必須だ
サオは硬さも長さも違うものを持参し、早瀬やトロ場などポイントによってねらい方を変えられるようにした。エサのイクラをハリ先に1つ付け、箱メガネを使って水中を覗く。石組みの隙間へ奥深くエサを送り込むが、「ピクピク」、「プルプル」とした感触が手に伝わらない。本当にいないのか? ゆっくり穴からイクラを引き出すと、なんと3㎝ほどの小さなカジカが現われた。しかし、エサをくわえようとするがハリ掛かりには至らない。そんなポイントが川岸近くに点在していた。おそらく、大きいのは流心なのだろう。
股下まで浸かって頑張る芙莉花ちゃんを見て、「カジカは、後日チャレンジしようね」。安全を優先して、早々に切り上げることにした。
後日、減水したタイミングを見計らって、私が再挑戦したところ、キープサイズが掛かってくれた。親子で簡単に楽しめる釣りなので、ぜひ挑戦していただきたい。
後日の釣行でカジカを手にするワタシ
クロカワムシにヒットした
愛らしい顔つきのカジカ
10 ㎝前後が釣りの対象になる。小さすぎるとうまくハリ掛かりしない。もし、釣れた場合はそっとリリースしてあげたい
交通●北関東自動車道・太田桐生ICを下りてR50で渡良瀬川へ
問合先●両毛漁協(℡ 0277・32・1459)、解禁期間=要確認
2017/8/25