室蘭の地球岬から森の松屋崎までの太平洋、丁度海岸線がC字状になっている辺りに、内浦湾という名称がある。地図などにも大体はこの名が記されているので、おそらく正式なのだろうが、道内ではどちらかといえば「噴火湾」と呼ばれることのほうが多い。
真冬も好期、50㎝クラスも出るアブラコ、カジカ釣り
小林 亮◎レポート
この記事は『つり人』2017年2月号に掲載したものを再編集しています。室蘭の地球岬から森の松屋崎までの太平洋、丁度海岸線がC字状になっている辺りに、内浦湾という名称がある。地図などにも大体はこの名が記されているので、おそらく正式なのだろうが、道内ではどちらかといえば「噴火湾」と呼ばれることのほうが多い。これは海の背後に有珠山、駒ヶ岳などの火山がずらりと立ち並ぶ景観に由来しており、そんな土地柄ゆえ温泉があちこちにある。寒さが厳しい北海道の冬の釣りに温泉は欠かせないので、この時期に訪れるエリアとしては絶好だ。
噴火湾のなかでも注目したいのは、道内の町の名前がつく地方自治体で唯一「まち」と読む森町の港。アイナメ、カジカ、ソイ、エゾメバルなどの魚影がすこぶる多く、真冬も期待できる。特にアイナメは良型がよく釣れ、50㎝クラスも珍しくない。噴火湾に面する町はどこもホタテの養殖が盛んで、同町も多くの水揚げ量を誇る。噴火湾は周囲を自然豊かな山々に囲まれていて、その栄養分をたっぷりと含んだ川水が湾内に流れ込んでいる。湾内の海底はそれらが流れ出しにくいすり鉢状になっていて、貝類が成長するのに最高の条件が揃っているのだ。そんな環境だからアイナメもすくすくと育つのだろう。とてもグラマラスな個体をよく見る。
釣り方はワームが手軽だ。魚の活性が全体的に低い時期だけにライトリグでスローに誘う釣りが主体になるが、噴火湾のフィールドは総じて冬の季節風である北西風に強く、繊細なメソッドを実践しやすいのがうれしい。ポピュラーなのはテキサスリグでボトムを探る、またはジグヘッドリグのスイミングだ。タックルはそれぞれに適した2セット用意するのが理想的。スピニングかベイトかは好みでいい。
テキサスリグ用のロッドは7フィート程度、ミディアムヘビーからヘビーアクションのロックフィッシュ専用、バスロッドなど。ラインはベイトならフロロカーボン10~16ポンド、スピニングなら8ポンド程度。PEもよいが、厳寒期はリーダーから切れた際、ラインシステムを組み直すのが厳しい。シンカーは5~14g。ワームは2~3インチの甲殻類系、ピンテール系、カーリーテール系など。潮が澄むこの時期、カラーはウオーターメロン系の実績が高い。
ジグヘッドリグ用のロッドは7フィート程度、ウルトラライト~ライトアクションのロックフィッシュ専用など。メバリング用も流用できる。スピニングリールは2000~2500番。ベイトならベイトフィネス用が好ましい。ラインはフロロカーボン4~6ポンド。ジグヘッドは3・5g程度。ワームは2インチ程度のシャッド系。カラーはカタクチイワシを模したシルバー&ブラックが人気。操作は底付近のレンジをスローにトレースすることが重要だ。
おすすめの釣り場は蛯谷漁港。中規模の港だが、変化に富んでいて探りがいがある。有望なのは船揚場周辺のシャロー、新北防波堤港内側の底にあるケーソンの穴。岸壁際、飛び根周りなど。チカが捕食されていたらスイミングパターンを積極的に試したい。ビッグワンが期待できるのは前述のとおり。玉網とドラグ調整はお忘れなく!
船揚場周辺の浅場がねらいめ。テキサスリグの場合はワームを底で跳ねさせる感じで誘いたい
カジカも釣れる。こちらを本命にするなら、匂い付きで大きめのワームを使うのも手
元湯神泉館にこりの湯
℡01374・7・3311
道内でも古くから湯治場として利用されている濁川温泉。1798年に湯客が奉納した薬師如来像が残っているが、歴史はそれよりも長いらしい。あの間宮林蔵も浸かった源泉掛け流しの湯は、茶褐色で見た目にも効能がたくさんありそうな感じで、身体がよく温まる。内湯は40~45℃で3種あり、好みの温度を選べるのがうれしい。
住所●森町字濁川85-1
営業時間●午前10時~午後10時
料金●大人500円
交通●札幌方面からの場合、道央自動車道の落部ICで下り、R5を約13㎞南東に走る℡01374・7・3311
道内でも古くから湯治場として利用されている濁川温泉。1798年に湯客が奉納した薬師如来像が残っているが、歴史はそれよりも長いらしい。あの間宮林蔵も浸かった源泉掛け流しの湯は、茶褐色で見た目にも効能がたくさんありそうな感じで、身体がよく温まる。内湯は40~45℃で3種あり、好みの温度を選べるのがうれしい。
住所●森町字濁川85-1
営業時間●午前10時~午後10時
料金●大人500円
===
2017/12/25