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編集部2018年4月27日

メバル&シロギス釣り/愛知県南知多町/豊浜港

メバル シロギス 全国おすすめ釣り場 愛知

愛知県と三重県に面する伊勢湾は、国内最大の水域面積を誇る内湾だ。木曽川や長良川といった大規模河川が流れ込んでいるので、3月の湾奥は5℃近くまで水温が低下する。

GWの家族釣行にサビキ釣り&チョイ投げ

レポート◎伊藤 巧

豊浜港の釣り桟橋。春休み中とあって、家族連れやカップルで朝から賑わっていた。週末は混み合うので早めの釣行が賢明だ


この記事は『つり人』2017年6月号に掲載したものを再編集しています。

レポート◎伊藤 巧

昭和44年生まれ。愛知県在住。美味い魚を求めて東奔西走。クロダイかかり釣りとアオリイカのヤエン釣り、ビワマスのレイクトロウリングが大好き。今年はサーフの尺アジ釣りに燃える予定。下手釣り集団チーム白馬車&江戸前なめろう隊所属

知多半島に春が訪れ人気の小ものが活気づく


 愛知県と三重県に面する伊勢湾は、国内最大の水域面積を誇る内湾だ。木曽川や長良川といった大規模河川が流れ込んでいるので、3月の湾奥は5℃近くまで水温が低下する。しかも渥美半島がフタをするように湾口を狭くしているだけに潮の入れ替わりが鈍く、大きく開けた湾に比べるとどうしても水温の上昇が遅れてしまう。それゆえに伊勢湾の早春は釣りものが少なく、ファミリーで楽しむには少々厳しい時期といえる。

 そんな渋い伊勢湾だが、春真っ盛りともなればにわかに騒がしくなってくる。鈴鹿山脈から吹き降ろす冷たい北西風も弱まり、柔らかい日差しが心地よい日が増えてきた。このまま天候が大きく崩れることもなく順調に推移すれば、ゴールデンウイークに突入するころには日中の気温も20℃を超え、夏の気配すら感じさせる陽気の日も出てくる。待ちに待った釣りシーズンの幕開けだ。

 この時期、伊勢湾の主役は春を告げるメバル。食欲旺盛なので、釣行のタイミングさえ誤まらなければ、もれなくサビキ釣りで連掛けを堪能できる。誰にでも簡単に釣れるのでゴールデンウイークの家族サービスにおすすめ。そんなうれしいメバルのホットスポットが、愛知県西部の知多半島には点在している。

 知多半島は、伊勢湾と三河湾を隔てるように南北に伸びた半島。西岸が伊勢湾に面しており、小さな漁港が連続する。名古屋からのアクセスがよく、半島の先端まで市街地から車で1時間ほどという手軽さから、どの釣り場もシーズン中は大勢の釣り人で賑わう。観光地として楽しめる施設も多く、家族で出かけるのにもってこいのエリアである。特に南部は美浜町の冨具崎漁港、南知多町の中州漁港、豊浜港、小佐漁港、師崎港など有望フィールドが多い。釣果が上がらない時は1つの釣り場で粘らず移動しよう。

朝マヅメの1時間に春告魚が宙を舞う


 好天に恵まれた2017年4月5日の早朝、知多半島の釣りに精通するイシグロ半田店の小島絵里香さんと上村麻緒さんが豊浜港に出かけ、釣り桟橋からサビキ釣りとチョイ投げを楽しんだ。豊浜港は知多半島を代表するメジャースポットで、春から夏にかけてはクロダイやアオリイカといった大ものから、小アジにいたるまで豊富な対象魚が出迎えてくれる。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (68) 入れ替わり立ち替わり釣り人が入る豊浜港は場荒れしているイメージが強いものの、メバルの魚影は濃い。「大切なのは時合を外さない釣行のタイミングですよ!」と2人は口を揃えた

 メインの釣り場は埋立地から延びる釣り桟橋。夜はアジングやエギングを楽しむアングラーがズラリと並び、日中はサビキ釣りやチョイ投げを楽しむファミリーやカップルで賑わう。基部は埋立地の敷石を跨いでいるので底は起伏に富んでおり、メバルをはじめ、セイゴやクロダイが顔を出す。アジングの実績ポイントでもある。先端に向かうと砂地が広がっており、捨て石などが所々に転がっている。カラスガイが桟橋の柱に着く時期になると、足もとでクロダイがヒラを打っている光景を目にする。チョイ投げは中ほどから先端にかけての沖向きが有望。アオリイカも中ほどが実績場だ。

 2人はさっそく釣り桟橋の基部に釣り座を構えて、サビキ釣りの準備に取りかかった。メバルといえばドウヅキ仕掛けを用いるミャク釣りが一般的だが、下カゴ式のサビキ釣りで寄せエサを効かせると、メバルから群がってくるので楽チンとのこと。5月には他魚の活性も上がってくるので、メバルの他にアジやメジナ、カワハギなども食ってくる。サビキ釣りは万能だ。ちなみに2人はすべてのハリにシラウオをセットした。これでメバルの食いがよくなるそうだ。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (67) チューブタイプの寄せエサを使えば手を汚さずにカゴに詰められる

「サビキ釣りはアミエビさえあれば事足りると思っている人が多いようですが、ちょっとしたアレンジで釣果が飛躍的に伸びます。シラウオはメバルに効果抜群なので必携ですよ」と小島さん。

「ドウヅキ仕掛けの探り釣りだとイシゴカイが定番ですが、触れない女性の方も多いかと思います。サビキ仕掛けにシラウオの組み合わせなら大丈夫ですから女性におすすめしたいです」と上村さんが続けた。

 こうしてコマセカゴにアミエビを詰めて、ハリにシラウオをセットしたところで仕掛けをサオ下に投入。寄せエサが海中に広がると同時に下から無数のメバルが群がった。そして、次々とシラウオの付いたハリに食らいついた。小島さんのトリプルをはじめ、サビキ仕掛けで一荷を連発。朝マヅメに小気味よいメバルの引き味を堪能した2人だった。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (63) 朝マヅメはメバルの食いが活発。入れ食いに近い状況が1時間ほど続いた

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (70) この日、メバルを狂わせた「しらうお」。生きたシラウオでもなくても遜色なく釣れる

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (6) 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (69) 面倒がらず1つずつ丁寧にシラウオをハリにセットしていくことが好釣果につながる

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (65) 上村さんにメバルの一荷。小アジ用のサビキ仕掛けだけに小バリと細号柄のハリスが威力を発揮した

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (66) 小島さんが3連掛け。アミエビの寄せエサとシラウオの相乗効果なのか、どんどん食ってくる

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (71) わずか1時間の打ち返しで20尾を超えるメバルをキャッチ。サビキ釣りも侮れない

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (72) 桟橋の基部はメバルの激アツポイント。大きな穴の開いたブロックが敷き詰められており、無数のメバルがエサを待っている

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (73) 長屋空君と翼君がサビキ釣りでウミタナゴをキャッチ。メバルと入れ替わるように基部で食いが立った

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (75) 安藤悠人君が頑張った末にブラクリ仕掛けでソイをキャッチ。小さくても嬉しい釣果だ。お父さんの寛人さんも一安心といったところ

軽く投げてサビくと激しく穂先を叩く魚信


 太陽が顔を出して周囲が明るくなると、メバルは海底に散っていき、寄せエサを効かせても反応が薄くなった。メバルの時合は朝マヅメの1時間だ。アジやサバが回ってくるなら、引き続きサビキ釣りでも構わないが、今春はまだ姿を見せていないとのこと。これらは5月の連休前後の回遊に期待したい。

 そこで2人は速やかにチョイ投げに切り替えてシロギスねらいに転進。こちらも晩春からビギナーを楽しませてくれる好ターゲットである。4月初旬とあって時期的に少々早かったが、ハシリが釣れないかと釣り桟橋の中ほどに移動して沖向きにフルキャストした。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (76) 軽いテンビンを用いるチョイ投げとはいえ、なるべく遠くへ仕掛けを届けたい。スナップを効かせるのではなく、腕全体と腰を使って大きくキャストする

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (74) 和田和人さん&瑛理さんはチョイ投げでマコガレイをキャッチ。朝方の干潮からの上げはじめの時合にチャンスをモノにした

 使用したエサはイシゴカイ。「イシゴカイには専用のピンセットが便利ですよ。最近はファミリー向けのタックルやアイテムが充実しています。パワーイソメやガルプといった人工イソメなども活用して、ストレスなく釣りを楽しんでほしいですね」と小島さん。普段から女性も楽しめるようアイデアを練っているそうだ。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (77) チョイ投げは何が食ってくるか分からないところがクジ引きっぽくておもしろい。この日はサビハゼとおぼしきハゼが顔を出した。夏にはキュウセンも釣れる

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (78) 仕掛けが着底したら、ゆっくりサオで仕掛けをサビいて誘う。まだ水温の高い時期ではないので、アリが歩く程度の速度で引くといい

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (80) 待望のシロギスが顔を出した。5月になるころには水温も上昇して、そこそこ数も釣れるはず。20㎝級の良型を交えながらツ抜けを達成したいところだ

 チョイ投げで気を吐いたのは上村さん。サビハゼを連続でキャッチして、さらに穂先を激しく叩くシロギスらしい魚信が伝わってきた。バラさないよう慎重かつ手早く巻き上げると、海面に待望のシロギスが顔を出した。この日は時期的に早かったので連続ヒットとはいかなかったものの、今日のもう1つの主役であるシロギスの姿も無事に拝むことができた。例年より推移が早そうなだけに、今後の展開に大いに期待できそうだ。

 知多半島の5月はメバルとシロギスの他にどの魚が姿を見せてくれるのか。今から実に楽しみだ。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (79) 潮の動きが弛んでアタリが遠のいたところでスマホのアプリを使ってタイドテーブルを調べる。的確な判断を下して貴重な休みを無駄なく過ごす

イチオシギア
ハヤブサ『ライトショット キスハゼ』、『ライトショット 立つ天秤スマッシュ』 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (81) 『ライトショットキスハゼ』は短いサオでも投げやすい全長60cmのショート設計。『立つ天秤スマッシュ』は海底で立つから仕掛けが漂い、底から浮いた大型キスなどがねらえる。浮き上がりが早く、底切れがよいので根掛かりが少ない。

ショップガイド
イシグロ半田店 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (82) 営業時間=10~21時
住所=愛知県半田市有楽町6-191-4
問合先=℡0569・26・1496

おすすめのお立ち寄り処
魚太郎 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (84)  南知多の海岸沿いには水産物を売りにした食堂や土産屋が軒を連ねる。中でもお土産なら美浜町の「魚太郎」が抜群の人気を誇る。豊浜港や片名港で水揚げされたばかりの魚介類が所狭しと並ぶ。自家製のトロアジやトロサバの干物は絶品。高級食材を扱う食堂や貝焼きが魅力の屋台、浜焼きが楽しめるバーベキューなど、食事施設もバリエーションに富んでいる。釣りの帰りに立ち寄れば子どもも大喜びだ。
住所=愛知県知多郡美浜町豊丘字原子32-1
問合先=℡0569・82・6188

交通●南知多道路・豊丘ICを出て右折。県道280号を南下すると豊浜港

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