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ブラウントラウト釣り/北海道千歳市/支笏湖 

銀化のグッドコンディションをねらうなら今!

レポート◎小林 亮
078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (8)_1 この記事は『つり人』2017年6月号に掲載したものを再編集しています。

国内屈指のトラウトフィールド


 札幌からクルマで1時間と近く、新千歳空港からのアクセスもいい支笏湖は、道内道外を問わず、一年を通じて多くのアングラーが訪れる釣り場だ。魅力は抜群のロケーションのなかで、強く美しいトラウトがねらえること。この一言に尽きるだろう。ターゲットになるマス類はブラウントラウトとニジマスが双璧。どちらもアベレージサイズは40~50㎝だが、ニジマスは80㎝、ブラウントラウトは90㎝オーバーの超大型も報告されている。国内屈指のトラウトフィールドだ。また、これらの釣果のほか、それなりにキャリアのあるベテランからは「沖に一気に走られて手も足も出ずにフックアウト」のような話もちらほら聞く。一尾に出会うことさえそう簡単ではない湖だが、ロマンという面でも行く価値は充分にある。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (7)_1 ロケーションは最高の一語。こんな場所で強く、美しいトラウトをねらえる

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (11)_1 水色がエメラルドグリーンからブルーに変わる辺りがカケアガリ。ルアーを問わず、ここをねらうのは一般的な戦略だが、手前の浅場に魚がいることも……

「例年、4~5月はブラウントラウトの好期。コンディションのいい銀化の個体が釣れますよ。先週も状況はよかったです」とは千歳市のショップ、清竿堂の二橋翔大さん。

 店内には支笏湖のヒットルアーをはじめ、トラウトルアーがずらり。このほか、道内では入手しにくい大型餌木、特製塩イソメ、ハンドメイドジグなどマニアックな商品も取り揃えている。二橋さんは幼少時から同湖でロッドを振っているエキスパートだ。2017年4月中旬、二橋さんの支笏湖釣行に同行させていただいた。

波が立てばチャンス


 午前9時過ぎ、モーラップの駐車場で合流する。比較的遅い時間帯からのスタートだが、「この時期は水温が低いし、おそらく釣れるのは昼近くなので、のんびりいきましょう」とのこと。まずは各所のポイントの状況を把握すべく、湖岸の周遊道をクルマで走る。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (15) 駐車スペースから道路を歩き、斜面を降りて湖岸に出るポイントも多い。5月はまだ草木が生い茂ってなく、エントリーが比較的楽なのもいい

「〝どこが釣れますか?〟とよく聞かれますが、そうじゃないんですよね。いってしまうなら、どこでも釣れますから。重要なのは適度な波が立っている場所に入ることです」

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (12)_1 適度な波が立つ場所を捜し、湖岸をエネルギッシュに歩くことが釣果への近道。巨大な倒木、面白い形の岩などが所々にあり、歩くのもけっこう楽しい

 しかし、そんなこちらの都合もむなしく無風。どのポイントも湖面は鏡のように静か……。そこで「この時期は西風が吹くことが多いので、南岸は波が比較的立ちやすいです」と、これから風が吹くことを期待して苔の洞門近くに入る。なお、駐車ができて、湖岸にアプローチしやすい場所なら、そのすべてがポイントといえるが、土地勘があまりない方はモーラップ、ポロピナイ、美笛の各キャンプ場を利用するのが確実だ。なお、「春は産卵を控えたニジマスが多くいるインレット周辺は自重しています」とのこと。

 ウエーダーはゴアテックスなど、透湿のストッキングタイプとウエーディングシューズの組み合わせがおすすめ。というのも、波が立っている場所を捜すのは湖岸に出てからが本番だから。二橋さんは少ない日で5㎞、多い日は12㎞くらい歩くこともある。

セミ&シンペン


 二橋さんが一投目に結んだのはセミルアー。「エゾハルゼミが現われるのは5月20日過ぎですが、もう食ってきます。虫が少ない今の時期だからこそ、魚にはより貴重なご馳走に見えているのかもしれません」。5月下旬以降は秋までセミがマッチ・ザ・ベイトになる。セミルアーはキャストしたら放置のホットケメソッドが基本的な使い方。「わざとテンプラ気味に投げて、着水音を大きくしてアピールするのも手です。浮かべる場所はやっぱりカケアガリの上がねらいめになります」。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (1) 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (13) 風は歓迎すべき要素だが、横風が吹くとイトフケが出やすいPEラインでは釣りにくい。そんな状況に備え、ナイロン8ポンドを巻いた替えスプールを携帯している。ショックリーダーはフロロカーボン12ポンド

 場所を少しずつ変えて数投するも、反応がないのでルアーをシンキングペンシルに交換する。

「シンペンを使う場合、重要なのはカケアガリ周辺でのトレース距離をできるだけ長くすべく、斜めに投げることです。あとはレンジ。ブラウンはシートラウト(降海型ブラウン)のようなギンギンの個体と、一般にイメージされている茶色の個体、体色で2種類に大別できます。ギンギンは回遊型、茶色は居着きといわれていて、それぞれ好む泳層が異なるのか、回遊型は浅め、居着きは底付近と探るレンジによって大まかに釣り分けられます。自分がねらいたいのは引きが強く、より釣って楽しい回遊型なので探るのは表層中心です」

 そのため、リトリーブは表層をキープできるスピードが基本になる。ただし、速巻きにはあまり反応がよくないので、ゆっくりと巻いても表層近くを泳がせやすいルアーを選ぶことが大切だ。ロッドアクションは時折、トゥイッチやジャークを入れる程度。なお、「支笏湖は全体的な傾向として、スローリトリーブに分があるので、リールは釣りのリズムが速くなりがちなハイギヤより、ローギヤが合う」とのこと。

イチオシギア
シマノ
『エクスセンス トライデント90S AR-C』
D3カスタムルアーズ『福ゼミ』

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (19) 二橋さんがこの時期に多用するのがシンキングペンシルとセミルアー。福ゼミは千歳市の福士知之さんのハンドメイドで全長40㎜。羽根のないフォルムと腹部のアワビの輝きが特徴。トライデント90Sは本来ソルト用ルアーだが、「遠投性能の高さ、浅いレンジのキープ力が支笏湖のブラウンねらいにマッチします」とのこと。写真のアカキンオレンジベリーは清竿堂オリジナルカラー

正午前に連発!


 開始直後はベタナギだったが、「対岸の湖面がざわついているのが見えますか? おそらく谷からの風だと思いますが、雲がこっちに向かって動いているので、この辺りももう少ししたら吹きますよ」という二橋さんの言葉どおり、11時を過ぎた頃から風が吹き始めた。このタイミングでラン&ガンのテンポを上げ、正午前には岬状のポイントで最初のアタリを得る。これは惜しくもフッキングにはいたらなかったが、すぐに次の反応をゲッツ! 待望の一尾は40㎝に届かないくらいだが、ねらいどおりの銀化のブラウン。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (9)_1 最初に来た35㎝クラスはメタリックシルバーの支笏湖らしいブラウントラウト

「たぶん、まだいますね」とキャストを続けると、ロッドが大きく絞り込まれた。百戦錬磨の二橋さんが冷静にロッドワークでいなし、ネットに導いたのは43㎝。圧巻の連発だった。「風が吹くと波が立ちます。その波で岸際に濁りが入る場所が期待できます。魚は濁りのなかに入ってきますから。理由は分かりませんが、濁っている場所は甲殻類などが舞い上がっていて、それを捕食しにきているかもしれません」。

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (18) 朝は湖が穏やかすぎて気配がなかったが、この後天候が一転。吹雪く時間帯もあった

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (14) 40㎝クラスはまだ顔に少し幼さが残る。これが50㎝を超えると迫力が出てくる

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (17) 最大魚とのファイトシーン。ブラウントラウトもニジマスのようにジャンプするので、ロッドを寝かせての攻防がベター

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (10)_1 支笏湖のトラウトは近くまで寄せても油断は禁物。最後の抵抗で沖に走る元気印もいる

ショップガイド
フィッシングショップ清竿堂 078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (20) 住所=北海道千歳市青葉8-2-1
営業時間=10時~19時半(日曜祝日19時まで)
問合先=℡0123・24・0303

おすすめのお立ち寄り処
丸駒温泉旅館
078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (22) 支笏湖北岸にある大正4年創業の老舗温泉旅館。温泉は創業当時より湧き続ける源泉かけ流し。湖岸と至近の野趣溢れる露天風呂に入れる。住所=北海道千歳市支笏湖幌美内7番地
問合先=℡0123・25・2341

078-101_zenkokutsuribaGW06_cs6 (7) 交通●札幌市内からR453を南下して支笏湖へ。約1時間

レポート◎小林 亮
昭和55年生まれ。北海道札幌市在住。好きな釣りはルアーフィッシング全般、アユの友釣り、氷上ワカサギ釣りなど。姉妹紙「ノースアングラーズ」で道内の釣り場紹介記事を担当。釣って食べて浸かって北海道の生活をどっぷり満喫中

2018/5/2

最新号 2018年7月号

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