釣り場は山の中!?秘密の隠れ家で楽しむオマールエビ釣りをご紹介します。
釣り場は山の中!?秘密の隠れ家でオマールエビ釣りを堪能
写真と文◎編集部
この記事は月刊つり人2021年4月号の記事を再編集しています
ほとんどの方は釣った経験がないであろう「オマールエビ」を釣ることができる釣り場をご紹介します。
いざ実釣開始
普段はバス釣りオンリーなことから「とっても楽しみであると同時にものすごく不安」と口にしていた髙梨聖子さんだが、見事に本命オマールエビのほかにマダイもキャッチしてこの笑顔
もしも夜中に、この牛舎にしか見えない建物の近くを通ったとしても、まさかこの中でオマールエビを釣っているとは誰も思わないだろう。そんなカオスを感じさせる隠れ家に「はい、それでは前半戦スタートです」というアナウンスが流れると、電気がいっせいに落とされ、ほぼ真っ暗になる。薄っすらと光るのはジュースの自販機の明かり、サオ先にセットされたケミホタルの緑色の光のみ。各自、ヘッドライトなどの用意はあるが、これで海面を照らすのはご法度とされ、エサ交換やハリ交換の際は必ず後ろを向いてから点灯する決まりになっている。
しかしピリピリしたムードではなく、約半数は初挑戦で親子やファミリーも多く、和気あいあいとした雰囲気。ただし、思っていた以上に暗いため、釣果を確認できるのは両隣がせいぜいで、対岸に関しては「釣れてるっぽい」「バラしたっぽい」「エビではなく魚っぽい」と雰囲気から察するのみという暗さだ。
オマールエビのハサミは非常に大きく力も強いため、このようにしてゴムバンドで閉じられている。ハサミは開かなくても数本の前脚を器用に使って、放流直後から貪欲にエサを食べる。この日も放流したオマールエビはほぼ釣り切られていた。釣れ残りは回収しないため、翌日の昼間の釣りで釣られることも多い
前半開始から1 時間半後、真っ暗闇だった室内に明かりが灯ると再び席替えのためのくじ引きが行なわれる。当日は夜から関東地方に雪が降る予報だったことから人が集まるか心配だったが満員御礼。店長の佐藤秀生さんによれば「屋内なのでむしろ悪天候なときほど需要が高まります」とのこと
「!」と胸が高鳴る重み
こうして1時間半が過ぎると館内に明かりが灯り、再びクジを引いて釣り座を移動して後半戦がスタートする。ちなみに髙梨さんはまさに「見えていない」状態に陥り、前半1時間20分が過ぎても釣果はゼロだった。釣り経験が豊富なことから、エサを誘いあげてはゆっくりと落とし込み、かすかなアタリも取ろうと集中していた。そして前半戦の終了間際にマダイを釣った。髙梨さんの底を切った誘いはマダイに効果的なのだという。
前半戦は文字どおり暗闇の中で暗中模索していた髙梨さんだったが、後半戦のゴングが鳴るやいなや本命をキャッチ!
後半戦の開始前にも再び人数分のオマールエビが放流される。髙梨さんは先ほどのマダイで緊張が解けたようで「ベタ底の置きザオにします」と言って放置すること数分。サオ先のケミホタルの動きから乗りを察知。聞き上げると重い。ここからさらに1分待ってから再び上げると根掛かりがそのまま浮いてくるような感覚。テナガエビの断続的な鋭い引きの巨大版(100倍くらいの引き)を想定していたが、思いのほかバックビートは激しくなく、「グイー、グイー」という穏やかな抵抗だった。
エビは垂直に上げ過ぎると本気の抵抗を始めるので口切れなどのバラシが増えるという。暗すぎて、自分が釣っている獲物がエビなのかどうかも判然としないが、水面にできた波紋から察するに今だろうというタイミングでネットに導くと心地よい重み。背後の壁を向いてライトで照らすとデカいハサミを持った、まさにオマールエビだった。なぜか背徳感を覚えるのは暗闇のエビ釣りだからだろう。
最後に記者も参戦。2匹のオマールエビをキャッチした
その後、隙間で記者もサオをださせてもらい、完全な置きザオで2匹のオマールエビをキャッチ。どちらもしっかりと口の中にハリ掛かりしていたことから、アタリがあっても充分に送り込んだほうがよさそうだ。
タコ釣りと同様に、引きの強さややり取りの楽しさという釣り味はほぼないといえる。しかし、根掛かりかと思ったら、その根が持ち上がったときの「!」という胸の高鳴りも非常に似ている。
非日常的空間で釣ったオマールエビは家庭料理の食材としても激レアとあって、食卓が華やかになること間違いなしだ。
親子連れや家族連れも多く、会場の雰囲気は和気あいあい。こちらは親子で7匹の好成績で息子さんが4匹を釣ったそう。オマールエビは500 ~ 600 gが中心だがこちらは1㎏近い大型ばかりで食べる楽しみも大きい!
帰りにはおすすめのレシピ集が載ったリーフレットをいただけるのもうれしい。ちなみにオマールエビに限らず、釣れなかったお客さんにはくじ引きによる豪華な参加賞が必ずもらえる
煮る、焼く、蒸すとさまざまな調理法でいただけるオマールエビだが、旨味を逃さない蒸したものを半身に割ると食べやすくおすすめだ。このままでも塩味が効いており美味。さらにガーリックバターやマヨネーズなどを加えてオーブンで軽く焼くと味変が楽しめる。調理前に結束バンドは必ず外すこと
海釣りハウス コリュッシュ
千葉県富里市根木名222-2
☎ 090・4524・9539
ホームページ http://ko-lish.com/
●コース 海水魚2 時間コース= 2 尾まで持ち帰りOK(リリース禁止)で3 尾以降は買い取り。海水魚4 時間コース= 4 尾まで持ち帰りOK(リリース禁止)で5尾以降は買い取り。オマールエビの夜釣り=毎週土曜(要予約)。集合18 時、釣り開始18 時半、終了21 時半。匹数制限なし
●料金 2 時間コース=大人4500 円、中学生以下4000 円。4 時間コース=大人7500 円、中学生以下7000 円。どちらも2000 円追加で釣り放題。オマールエビ夜釣り=大人7000 円、中学生以下6500 円
●その他 貸しザオ=1組1000 円(仕掛け付き) エサ=オキアミ100 円、アオイソメ200 円。持ち帰り用発泡スチロール300 円、氷200 円
●営業時間 通常は9 ~ 17 時(最終受付15 時)。土曜のオマールエビ釣りのみ夜営業
●定休日 火曜日
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