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編集部2024年10月16日

PEラインで変わる?!釣果エギングを極めるための選択│アバニ エギング マックスパワー PE X9のインプレ

アオリイカ 魚種別釣りガイド

エギングにPE ラインはかかせない。PE ラインがなければこんにちの人気もなかったかもしれない。事実、ラインの選択や操作は釣果に大きく影響する。ユーチューブ「六畳一間の狼」で活躍するSUU さんの平戸遠征のもようをラインに注目してみてみよう。

エギングにPE ラインはかかせない。PE ラインがなければこんにちの人気もなかったかもしれない。事実、ラインの選択や操作は釣果に大きく影響する。ユーチューブ「六畳一間の狼」で活躍するSUU さんの平戸遠征のもようをラインに注目してみてみよう。

写真と文◎藤原武史

PEあってのエギング

こんにちのエギングの人気はPEラインの登場が大きく関係している。ナイロンラインから始まったエギングは、PEが使用されるようになって急激に人気を博していった。

伸びの少ないPEラインの使用は、軽快なロッド操作でエギを機敏に動かすことを可能にし、イカがエギを触るわずかなアタリをとらえてアワセを入れることができる点もアングラーを夢中にさせる一因になっていると思う。

エギング専用のロッドができ、軽快なシャクリでイカにアピールして釣っていくアクティブな釣りへと変化していった。そして軽快にロッドを操作するアングラーの姿にはやってみたいと思わせるかっこよさがある。

 

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ラインのコントロールに非常に気を使っていることがわかる

 

つまり現在のエギングとPEラインには切っても切れない関係があるのだ。しかし、ロッドやエギの進化は注目を浴びるが、エギングをエギングたらしめているPEラインに関しては注目を浴びることが少ない。極論を言えば、トラブルがなければPEラインは何でもいいと考えるエギングファンは多いだろう

しかし、本当にそうだろうか。エギングにおけるPEの重要性を体感したと語るSUUさんに聞いてみた。

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SUU 鈴木孝寿(すずき・たかひさ)

静岡県在住。ユーチューブの「六畳一間の狼」のメンバーSUU くんとして静岡を中心に活動している。活動はサーフが中心だがエギングも大好き。

 

 

違いが分かるPEラインアバニ エギングマックスパワーPE X9

「PEラインひとつで風や潮流への対処、アタリの感知などが変わってきます。このX9を使い出して思ったのですが、釣果を上げたいのならロッドを買い換えるよりも先に使っているPEラインを見直してみてはと思いますね。PEラインを変えることで対処できる事柄は思いの外と多いです。そのほうが安上がりですしね」とSUUさんは付け加えた。

SUUさんが言うには、X9を使うようになって、潮流の早い場所や深場での釣果が格段によくなったそうだ

 

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芯を囲む「core-input 製法」でラインの真円を保持し水や風の抵抗を抑制するとともに、縦編みの「vertical braid工法」で編むことでラインの伸びを抑制している。さらにライン表面を樹脂膜で覆うSP-T Ⅱコーティングが施され、吸水しにくく水キレがいい。「

 

まず風が強く吹いている時なども他のPEに比べてラインメンディングがしやすいという。

そして、特にびっくりしたのがラインにもアタリが出ていない時にロッドでアタリが感じられたことだという。

「深場を探る時や海が荒れているような時、アタリが取りづらい場合にもこのラインに助けられたことは多いですね。夜にエギングをすることが多い僕には視認性と共にこれらの特性は重宝します」

SUUさんは普段、ホームの静岡で夜のサーフエギングをすることが多いという。サーフの釣りでよくあることだが、ラインが波に取られてしまうような波が高い場合でもこのX9であればアタリも取れるし波に不必要にラインが持って行かれないという。

PEは確実に進化をとげているのだ。

 

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キャストした後、エギの重さに引っ張られてラインが沈んでいく。その時写真のような波紋ができる。一定の速度で沈むラインが止まったり早まったりする変化がアタリ

 

視認性の高さの重要性

ここからは、SUUさんの釣りを通してラインの重要性を見ていこう。

SUUさんは釣りを始めると「このライン、よく見えるでしょう」という。

キャストした後、ロッドティップから海面に一直線に伸びている白い筋が確かにはっきり見える。海面からスゥーとラインがなめらかに沈んでいる。

エギングでは、アタリの取り方が大まかに言って2種類ある。ロッドでアタリを取る方法とラインの動きからアタリを取る方法だ。特にラインでアタリを取る方法は、ぜひ覚えておきたいテクニックだ。

エギが沈んでいく時、浮力のあるPEは水面に浮いている。それがエギに引っ張られて沈んでいく時に水面に波紋ができる。底に着いた時にその波紋が止まり、それ以上沈まないことを教えてくれる。

その波紋がまだ底に着かないはずなのになくなることがある。それはイカがエギを抱いた時だ。

また、同じペースで沈んでいたラインが、急に引っ張られるように沈む時もイカがエギを抱いて引っ張ったことの表われだ。これらのアタリはロッドまで届かず感知できないこともある。そのような時、ラインの動きのみでアタリを感知してアワセを入れなければならない。

その時ラインが見やすいことは大きなアドバンテージになる。特にX9は基本的には白色のラインだが、2mごとに入れられたマーキングは、単色のラインでは分かりづらい水面にあるラインのわずかな動きも察知しやすくしてくれる。

 

抱かせるためのラインメンディング

ところでSUUさんの釣りを見ていると非常に忙しそうにみえる。それは彼がキャストした後、風にラインがなびいて膨らまないように、余分なラインを巻き取ったり、空中のラインを素早く海面に落とすのにロッドを下げたりとラインメンディングしているからだ。

「ラインにある程度張りを保たせておくことは、アタリの感知でも大事ですが、ラインが風や潮流の影響を受けてエギが不自然に動いてしまうことを防ぐためにも必要なことと考えています」とSUUさん。

シャクってアワせるという一連の動作に憧れてエギングを始めた人は、どうしてもシャクる動作にばかり注視しがちだ。しかし、エギングをやりこんでいくとフォールの重要性に気がついてくる。

「僕もエギングをするうえでいちばん気を使い重要視しているのはフォールです。そのためフォールが安定しやすいエギ選びと、キャストやシャクった後のラインメンディングが重要だと考えています。そしてシャクった後、自然にフォールさせることに気をつけています。このラインだと意図したとおりに操作できるというか、上手くなったかなと思うほど操作しやすいし、フォールが自然で滑らかになっている気がするのです」

フォール時はエギを見つけたイカが抱こうか抱かないかを考えている時なので、その時に違和感を覚えさせてしまうと抱いてこない。ここでエギに不自然な動きをさせないことが釣果を上げるためには必要になってくる。

そのためには、ラインが風や潮流に取られないようにするとか、ロッドを不自然に動かさないように注意して、エギが不自然に動かないようにする。

すなわちラインに不自然なテンションをかけないことは、釣果に直接的に反映される技術なのだ。

そして、エギングを始めたばかりの人やある程度やりこんだ人が、釣果が上がらなくなる壁にぶつかる原因もここにあることが多い。

少々テクニックが必要な難しい部分だが、それがX9を使うと比較的簡単にできるという。

今後エギングにおいて、ロッドやリールと同じくらいラインの重要度への関心が高まるのではと思わされた取材だった。

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SUU さんの使用エギ。ダイワのエギをメインに揃えている。特にエメラルダス・ピークがお気に入り

 

アウェーの洗礼?

さて釣行当日の状況はというと……。

静岡を中心に釣りをしているSUUさんからすると九州はエギングの楽園に見えていた。多くの記事や動画で夢のような釣果が上がっている九州は憧れでもあった。そんな九州の平戸で釣りができることに彼は取材前からワクワクしていた。そんな平戸をランガンしながらイカを探して釣っていこうと考えていた。

だが、沈んでいく太陽に「待って! そんなに早く沈まないでよ!」とSUUさんは思わず叫んでいた。夜明けから始めた取材は、太陽が無情にも水平線の向こうに沈んでいく日没を迎える。

この取材を行なった日は、4~5日の間に水温が6度も下がった後だ。急激な温度変化は、温帯性のアオリイカを釣るには大きなマイナス要素だ。ほとんどのイカは水温の変化を嫌って深場に避難した後だと思われる。ついでに言えば、潮回りも最悪なタイミングである。まさに「よりによってこんな時に」という言葉通りの取材日であった。

その言葉通りの状況で、5~6ハイはカタイと思われていた釣果は、1パイ目がコウイカでその後50gと400gを追加したのみ。

日没を迎え、あたりが暗くなってくる。記者が移動を促し、機材を片付けていると真っ暗闇の中から「来ました! デカイです! やった! やった! うぉー!」と叫び声が聞こえた。最後にもう一投と思いキャストしてみたそうだ。

心臓をバクバクいわせながらSUUさんはネットでイカを掬った。900gのアオリイカがそのネットの中にはいた。

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真っ暗な中で孤軍奮闘するSUU さんのため記者はライトとネットを車に取りに走り、戻って改めて海の中のイカを照らす。いいサイズのイカが掛かっていた

 

 

 

※このページは『つり人 2024年11月号』を再編集したものです。

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